ドライブレコーダーの常時録画の仕組みを教えて!
ドライブレコーダーの録画方式には、常時録画とイベント録画がありますが、常時録画ではエンジンを掛けてからエンジンを停止するまでのあいだ常時カメラの映像を録画し続けます。
事故があってもなくても、常時、カメラが映す映像を録画し続ける、これが常時録画です。
駐車監視機能がついているドライブレコーダーの場合も、設定によって常時録画することができます。ただし、駐車監視の場合は、エンジンを停止中であっても録画は続行されます。
イベント録画との違い
一方で、もう一つの録画方式であるイベント録画ですが、これは事故や急ブレーキで車体に一定のレベル以上の衝撃が生じ、これをGセンサーが検知すると、検知した瞬間とその前後十数秒間を録画します。その際、イベント録画された映像は常時録画の映像とは異なるファイル名で保存されます。
ですから、記録媒体であるマイクロSDカードには、常時録画用のファイル名とイベント録画用のファイル名の2種類のファイルが常に存在します。
常時録画もイベント録画もループ録画方式なので、いずれ上書き消去される
このように、ドライブレコーダーには常時録画とイベント録画の2つの録画方式があって、どのメーカーのドライブレコーダーにもこの2つが装備されています。
記録媒体であるマイクロSDカードには、常時録画用の記録領域とイベント録画用の記録領域がそれぞれ別枠で確保されています。通常は、常時録画8:イベント録画2、といった程度の割合で領域が分割されています。
そして、常時録画もイベント録画も、ともに「ループ録画」が原則です。原則と言うか、デフォルトの設定になっています。
ループ録画とは、loop(輪っか)のようにぐるぐる元のところに戻ってくる録画方式のことで、エンドレスで録画し続けることを言います。
たとえば、常時録画の場合で言えば、カードの専用領域が満杯になるまで録画されると、また最初のところに戻り、すでに録画されている古い記録の上に新しい記録が上書きされる、つまり、古い記録が順次消去されていく、という方式です。
初期設定のままでドライブレコーダーを使い続けていれば、1か月、3ヶ月、半年、1年と車を走らせているあいだ、ドライブレコーダーの常時録画は、何度も何度も上書きを繰り返すことになります。
これはイベント録画にも言えることです。イベント録画にも専用の録画領域が用意されていますが、この領域も容量がいっぱいになると、また最初に戻って古い映像の上に新しい映像が上書きされていきます。
けれども、こうしたループ録画方式だと、事故の映像が上書きされて消去されるということになりますが、それでいいのでしょうか?
事故が発生したら、カードを抜き取ること
事故が発生すると、事故の場面は常時録画かイベント録画かいずれかに録画されます。
センサーが検知できるような衝撃を伴う事故の場合はイベント録画に録画されます。
センサーが検知するほどではない軽い接触事故のようなケースでは、イベント録画には何も記録されませんが、常時録画には記録されます。
したがって、事故が発生したら、常時録画かイベント録画のいずれかに映像が記録されているので、事故直後に記録媒体であるマイクロSDカードをドライブレコーダー本体から抜き取ってください。
カードを抜き取れば、大事な事故の映像が上書き消去されるリスクはゼロになります。
事故後にカードを抜き取らないでいると・・・
これは実際に発生した事例ですが、事故が発生し、レッカー車で修理工場まで車を搬送してもらったのですが、その際にカードを抜かずにいたケースがあります。
修理工場でカードを抜き取り、いざ事故の映像を確認しようとしたところ、肝心の事故時の映像が何も映っていなくて、映っているのはレッカー搬送される間の映像が途切れ途切れに映っているだけでした。
これはつまりどういうことかと言うと、イベント録画には事故映像が確かに映っていたのですが、レッカー搬送される間、ガタンゴトンという段差等の衝撃をGセンサーが検知し、そのたびにイベント録画を繰り返していたのです。
すでにご説明したように、イベント録画も、初期設定を変更しない限り、ループ録画方式になっています。古い映像を新しい映像が上書き消去していきます。
その結果、大事な事故時の映像が上書きされ、消えてしまっていたのです。
こうしたトラブルを防止するためにも、事故が発生したら、すぐにマイクロSDカードを本体から抜き取っておくべきです。
各社のドライブレコーダーの取扱説明書にも、
事故が発生したらマイクロSDカードを抜き取ってください
と記載されています。
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ご覧いただきありがとうございました。