自動車保険のドライブレコーダー特約(ドラレコ特約)を扱う保険会社は4社あります。
あいおいニッセイ・三井住友海上・損保ジャパン・東京海上日動の4社です。
4社はいずれも大手代理店型保険会社で、この4社だけで自動車保険市場の約8割を占めています。
まず、この4社のドライブレコーダー特約を徹底比較します。
つぎに、市販のドライブレコーダーとの比較をします。
それから、割引制度のあるドライブレコーダー特約が登場したこともご案内します。
このページをご覧になれば、ドライブレコーダーに関するみなさんの悩みや迷いはほぼ解消され、次の行動に移れると思います。
ドライブレコーダー特約(ドラレコ特約):早わかり
ドライブレコーダー特約を採用している保険会社は4社ありますが、各社のサービス内容を詳細に調べてみると、その9割以上の部分は共通です。
そこで、各社の相違点や特徴をご案内する前に、まずはこの共通項を箇条書きでご紹介したいと思います。
これによりドライブレコーダー特約の概要は、ほとんど丸ごとご理解いただけると思います。
4社のドライブレコーダー特約:早わかり |
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4社のサービス内容を個別に確認したい方は下記のページをご覧ください。
個別に解説:4社のドライブレコーダー特約 | |
東京海上日動 ドライブエージェントパーソナル | 詳細内容はこちらのページ |
損保ジャパン DRIVING! | 詳細内容はこちらのページ |
三井住友海上 GK・見守るクルマの保険(ドラレコ型) | 詳細内容はこちらのページ |
あいおいニッセイ タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型) | 詳細内容はこちらのページ |
【4社比較】保険料
ドライブレコーダー特約を扱っている4社の保険料を比較します。
誤解のないように記しておきますが、下記の保険料は、あくまでもドライブレコーダー特約部分の保険料です。
ベースとなる自動車保険(対人賠償・対物賠償・人身傷害・車両保険など)の保険料に追加する形で支払う保険料です。
したがって、たとえば現在イーデザイン損保の自動車保険に加入している人が、月額850円支払うことであいおいニッセイのドライブレコーダー特約に単体加入できるわけではありません。
あいおいニッセイのドライブレコーダー特約に加入したければ、ベースとなる自動車保険もあいおいニッセイに加入しなければなりません。
ドライブレコーダー特約:保険料比較 | ||
月払い | 年払い | |
東京海上日動 ドライブエージェントパーソナル | 650円 | 7,480円 |
損保ジャパン日本興亜 DRIVING! | 850円 | 9,720円 |
三井住友海上 GK 見守る車の保険(ドラレコ型) | 850円 | 9,700円 |
あいおいニッセイ タフ 見守る車の保険(ドラレコ型) | 850円 | 9,700円 |
ご覧のように、東京海上日動のドライブレコーダー特約が4社中で最安です。
なお、三井住友海上とあいおいニッセイは、持ち株会社MS&ADホールディングスの傘下にあるグループ企業で、ドライブレコーダー特約に関しては保険料も貸し出しされるドライブレコーダーの機種も同一です。
【4社比較】専用ドライブレコーダーの仕様
ドライブレコーダー特約を付けた自動車保険を申し込むと、2週間前後で宅配便が送られてきます。
送られてきた段ボール箱を開くと、専用ドライブレコーダー本体と取り付け部品とマニュアルなどが入っています。
この専用ドライブレコーダーですが、4社共に「前1カメラ」(クルマの前方のみを広角カメラで撮影記録)です。
前1カメラである点は4社共通ですが、その他の細かなスペックは微妙に異なります。
(スマホでご覧いただく場合は横位置でお願いします)
東京海上日動 | 損保ジャパン | 三井住友海上 | あいおいニッセイ | |
カメラの数 | 前方1カメラ | 前方1カメラ | 前方1カメラ | 前方1カメラ |
記録メディア | microSDカード | microSDカード | microSDカード | microSDカード |
録画時間(注1) | 約7時間30分 | 約10時間 | 約80分 | 約80分 |
秒間コマ数 | 15.5 | 10 | 27 | 27 |
音声録音機能(注2) | 〇 | × | 〇 | 〇 |
(注1)専用ドライブレコーダーに付属するマイクロSDカードによる録画時間です。マイクロSDカードは容量の大きなものに交換可能です(自費で)
(注2)音声録音機能のON/OFFについては、東京海上日動は不明、三井住友海上とあいおいニッセイは可能です
4社いずれのドライブレコーダーも、エンジンがかかっている間は常時映像を記録し続けます。
microSDカードの容量が一杯になりしだい、順次新しい映像が上書きされていきます。
事故で一定の衝撃を受けた場合は、事故前後10数秒間の映像を、常時記録する映像とは別ファイルで保存します。
別ファイルで保存されたこの映像が、事故自動通報の際に同時送信され、事故の状況把握や事故解決に役立てられます。
なお、これは4社いずれのドライブレコーダーについても言えることですが、付属のmicroSDカードの容量は小さいので(特に三井住友海上とあいおいニッセイ)、もっと容量の大きい市販品(125GB程度)に自費交換することをおすすめします。
なぜなら、古い映像は常時上書きされるので、容量が少ないカードだとそれだけ上書き回数が増え、カードの消耗度が激しくなるからです。
なお、肝心なときにカードエラーで録画不能ということが起きないようにするには、容量の大きなカードに交換するだけでなく、定期的に「カードの初期化」といったメンテナンスも必要です。
【4社比較】ドラレコ本体の取り付け方法
以下の事項は4社共通です。
ドライブレコーダー特約を付けた自動車保険を申し込むと、2週間前後で宅配便が送られてきます。
送られてきた段ボール箱を開くと、専用ドライブレコーダー本体と取り付け部品とマニュアルなどが入っています。
原則として、契約者が自分でドライブレコーダーをクルマに取り付けします。
自分でできない人は、代理店あるいは保険会社に依頼すれば取り付け業者を案内してくれますので、工賃等は契約者負担になりますが、プロに取り付けてもらえます。※5,000円~10,000円程度になると思います
実際のところ、ただ単に取り付けるだけなら誰でも簡単にできます。
つまり、フロントガラスに両面テープでドライブレコーダー本体を貼り付け、センターコンソールにあるアクセサリーソケット(シガーソケット)に電源をつなげる、これで完了です。
しかしながら、これだけだと配線コードがぶら下がった状態なので、見栄えが悪いだけでなく、安全上も問題があります。
そこで、配線コードを見栄えよく隠す作業が必要になります。
この「配線コードを隠す作業」を自分でできる人は自分でやり、できない人はプロに依頼する、ということになります。
また、これとは別に、最近の車にはアクセサリーソケット(シガーソケット)が最初から付いていない車もあり、この場合はカー用品店などで配線工事をしないとドライブレコーダーの取り付けがそもそもできません。
配線工事からするとなると、工賃はかなりかかるはずです。
いずれにしても、もしもルームミラーの付け根近辺に電源ソケットがあればこうした諸問題はすべて解決します。
自動車メーカーさんにお願いですが、今後発売するクルマにはドラレコ用の電源を的確な位置に最初から用意していただきたいと思います。
そうすればドラレコに対するハードルは一気に下がり、社会の安全安心に多大な貢献をすることになると思います。
【4社比較】事故発生の自動通報サービス
これは専用ドライブレコーダーの主要な機能の一つです。
一定の衝撃(エアバッグが作動する程度の衝撃)を伴う事故が発生した際、ドライバー自身は何の操作もなしに、事故発生の通報がオペレーターに自動送信されます。
それと同時に、事故発生時の前後10数秒の映像が自動送信されます。
自動通報を受けたオペレーターは、ドライブレコーダーの通話機能を使って車内にいるドライバーに状況を問い合わせます。
「おけがはありませんか?」
「救急車を呼びますか?」
「事故の相手の方の様子はいかがですか?」
「レッカー車を呼びますか?」
などなど、オペレーターとの通話により、事故の初動対応についてのアドバイスを受けたり、救急車・レッカー・警察などへの連絡を依頼できます。
こうした事故発生時の自動通報、事故映像の自動送信の機能は4社共通です。
ただし、損保ジャパンのみがALSOKのガードマンが事故現場に駆けつけるサービスを提供しています。
【4社比較】運転時リアルタイムのアラート機能
専用ドライブレコーダーにはGPS・GLONASS・加速度センサーなどの各種機能が内蔵されています。
カメラと共にこうしたセンサー類を利用することで、運転中のドライバーに様々な注意を促すことができます。
たとえば、
- 「前の車との車間距離が詰まっています」(4社)
- 「まもなく事故多発地点に差し掛かります」(東京海上・三井住友・あいおい)
- 「車線を逸脱しています」(東京海上・三井住友・あいおい)
- 「高速道路を逆送していませんか?」(三井住友・あいおい)
- 「(あらかじめ設定した)指定区域外を走行しています」(三井住友・あいおい)
などの注意喚起を音声でドライバーに知らせます。※具体的な文言は上記とは異なります
運転中にリアルタイムでドライバーに注意喚起する機能は、東京海上日動と三井住友海上とあいおいニッセイの3社が充実しています。
なかでも、三井住友海上とあいおいニッセイは、下記のように様々な項目で注意喚起を行ってくれます。
アラートの種類 | 判定条件 |
急加速・急減速 | 急加速・急減速を5回検知した場合にお知らせします。 |
ハンドル操作 | 急なハンドル操作を5回検知した場合にお知らせします。 |
ふらつき | 運転中のふらつきを5回検知した場合にお知らせします。 |
走行時間 | 走行時間が2時間を経過した場合にお知らせします。その後も走行が継続された場合は、30分ごとにお知らせします。 |
事故多発地点接近 | 事故多発地点に接近した場合にお知らせします。 |
交通標識地点走行 | 運転速度を規制するゾーン30(30km速度制限)の適用区域等に接近した場合にお知らせします。 |
一時停止 | 一時停止地点で停止しなかった回数が5回検知された場合にお知らせします。 |
気象情報 | 気象警報等(記録的短時間大雨情報など)が発表された地域に接近した場合にお知らせします。 |
動物注意 | 鹿・いのしし等の動物や希少動物が生息する地域に接近した場合にお知らせします。 |
判定条件をお読みになればわかるように、急ハンドルや急発進などは5回検知したらアラートが出る設定なので、「いちいちわずらわしいな」ということはまず起こらず、大いに「使える」機能です。
なお、上記アラートは初期設定ではすべての通知が有効(ON)に設定されていますが、これらすべて、あるいは個別に、ON/OFFの設定ができます。
【4社比較】運転診断レポート
前の項目でご案内したように、専用ドライブレコーダーにはカメラの他にGPS・GLONASS・加速度センサーなどの各種機能が備え付けられているので、ドライバーの様々な運転操作がデータとして常時記録され続けます。
保険会社では、こうしたデータを元にAI(人工知能)がドライバーの運転特性を定期的に見える化して、これをドライバーに提供することで、ドライバーは自分の運転を客観的にとらえる習慣が付き、その後の安全運転に役立てられます。
カメラ・GPS・GLONASS・加速度センサーなどによって得られるデータとは、具体的には、走行距離・走行時間・速度・位置情報・急ブレーキ・急発進・速度超過などです。
ある意味、ドライバーの運転履歴や運転特性は丸裸になりますが、こうした客観的データによって定期的に自分の運転操作等が見える化されることは、一見地味なことなのですが、実際には相当大きな改善効果を発揮しています。
この運転診断レポートの機能に関しては4社ほぼ横並びで、特に優劣はつけられません。
【4社比較】あおり運転への対応
このところ社会の大きな関心事となってきている「あおり運転」ですが、4社はそれぞれの対応を見せています。
あおり運転への対応 | |
東京海上日動 |
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損保ジャパン |
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三井住友海上 |
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あいおいニッセイ |
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4社の対応をそれぞれ見ると、「帯に短し襷に長し」の感がします。
東京海上日動の警備会社と通話できるサービスは、確かに安心感が高いと思いますが、証拠映像を残す点では、依然として前1カメラの映像のみなので、その点がやや残念です。
損保ジャパンの場合は、あらかじめ登録してある家族などに映像と位置情報が届くのですが、家族にも生活があるので即座に対応できるとは限らず、また証拠映像の点でも依然として前1カメラの映像のみです。
三井住友海上とあいおいニッセイは、本当は360度撮影できるカメラが望ましいと思いますが、しかし、一歩前進だと思います。
そもそもあおり運転は、被害者の車と衝突するケースもありますが、「非接触」のまま、ひたすら精神的に被害者を追い詰める、というケースが数多くあります。
そういう意味で、車の周囲360度を撮影できるドライブレコーダー装着が望ましいと思いますし、また、被害者の多くはパニックに近い状態に追い込まれているわけなので、対処法をアドバイスしてもらったり、警察への通報が依頼できたりするサービスも同時に欲しいところです。
そういう意味で、各社の取り組みは評価できるものの、もう少し踏み込んだサービスが欲しいところです。
このページで度々触れている360度カメラについて。
現在、ドライブレコーダーを大別すると3タイプに分かれます。
- 前1カメラ
- 前後2カメラ
- 360度カメラ
このうち、360度カメラはさらに2種類に分類できて、前1カメラに超広角室内カメラ(窓を通してクルマの横や後方も撮影)をプラスしたものと、1台のカメラで360度の超広角映像を撮影するもの、の2タイプがあります。
市販のドライブレコーダーとどっちがおすすめ?
ここまで4社のドライブレコーダー特約を比較してきましたが、みなさんの中には、その前にオートバックスなどで販売している市販のドライブレコーダーはどうなのか、という疑問あるいは迷いがある方もいらっしゃるでしょう。
金額面で見ると、ドライブレコーダー特約の付いた自動車保険の場合、通常の自動車保険の保険料とは別枠で、追加料金が月額850円かかります(東京海上のみ650円)。
もしもドライブレコーダー特約を3年~5年継続したとすれば、特約部分の保険料は3万円~4万円になります。
3万円~4万円あれば、市販のドライブレコーダーで前後2カメラのタイプや360度タイプのものがかなり自由に選べます(2019年10月現在の価格コムの相場)。
これをどうとらえるか?
ドライブレコーダー特約なら、月額850円ほどで即座にドライブレコーダーを取り付けできます。
まとまったお金が必要ありません。
そのかわり、何年ドライブレコーダー特約を続けたとしても、あくまでも「貸し出し」という扱いなので、いずれ保険会社に返却しなければなりません。
市販のドライブレコーダーは、最初にまとまった金額が必要になるけれど、買った後は自分の所有物になります。
それと、ここが悩みどころだと思うのですが、市販のドライブレコーダーの場合、現在主流となっているのは前後2カメラや360度カメラなど記録できる映像の範囲が広い機種がほとんどです。
これはあおり運転の「証拠画像」という点で大いに有効です。
これに対して、ドライブレコーダー特約の専用ドライブレコーダーは、原則、前1カメラです。
本当に悩ましいことになってしまいます。
それでも、総合的に判断すると、わたしはドライブレコーダー特約をおすすめしたいと思います。
事故の際に自動通報され、事故映像も自動送信され、オペレーターから事故の初期対応についてアドバイスを受けられるというのは、イザという時に大いに助かるサービスです。
高齢で運転にやや不安があるけれど生活に車は欠かせない、といった人は日本全国に数多くいらっしゃいます。
あるいは、年齢に関係なく、事故が発生した際にはどうしても平静でいられず、どこにどう連絡すればいいのか、何から手を付けていいのか、こういうことを冷静に行う自信がない人、こういう人も数多くいらっしゃると思います。
さらには、事故で意識を失うケースもあります。
押しつぶされたボディーに挟まれて身動きが取れないケースもあります。
こうした重大事故の際、ドライブレコーダーが自動で事故連絡をしてくれ、警察に通報し、救急車の出動も依頼してくれたら、まさに「命の恩人」となりうるサービスです。
あるいは、自分には当面必要ないかもしれないけれど、高齢の親の運転が心配なので、親の自動車保険にはぜひこのドライブレコーダー特約を付けて欲しい、と考える方もいらっしゃるでしょう。
また、事故現場での自動通報などに比べて、地味で、ちょっと「付け足し感」のあるその他のサービスですが、これがけっこう役に立つことも見逃せない点です。
ドライブレコーダーが検知する様々な走行データは常時クラウドサーバーに蓄積されています。
こうしたデータは定期的にグラフなどにまとめられ、ドライバーに「見える化」されます。
ドライバーはパソコンかスマホでこれを閲覧できます。
そこで閲覧するデータは、他の誰かの運転データではなく「自分自身の」運転データです。
自分の運転の傾向を客観的に見つめ直すきっかけになり、その後の安全運転に生かされるのです。
みなさんも車のメーターパネルなどに、急ブレーキや急ハンドルで赤ランプが点灯したり、穏やかにアクセルを踏んだ際に緑のランプが点灯したりすると、けっこう自分の運転操作を意識するようになる、といった経験があると思います。
このように、自分の運転データというのは、地味なのですが、けっこうわたしたちのその後の運転操作に影響を与えるものです。
ドライブレコーダー特約で貸し出しされる専用ドライブレコーダーにはこうした機能・サービスが付いているので、この点は市販品に比べて大きなアドバンテージだと思います。
理想を言えば、専用ドライブレコーダーを360度カメラにしてくれればほぼ完璧な内容になると思います。
しかし、その点は今後の改善に期待するとして、現状のドライブレコーダー特約でも特約保険料を支払う価値は充分あると思います。
あいおいニッセイのみが割引制度を開始
あいおいニッセイのドライブレコーダー特約付き自動車保険は、愛称を「タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型)」と言います。
あいおいニッセイでは、2020年1月保険始期契約から、この「タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型)」に割引制度を付けた「タフ・見守るクルマの保険プラス」を販売開始します。
あいおいニッセイでは、当面の間、「タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型)」と「タフ・見守るクルマの保険プラス」を併売する予定です。
契約者はいずれかの保険を選択可能です。
「タフ・見守るクルマの保険プラス」の内容ですが、「タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型)」に割引制度を追加しているだけで、他のサービス内容は同じです。
では、その割引制度の中身をご説明します。
前の項目で解説したように、専用ドライブレコーダーはGPS・GLONASS・加速度センサーなどの各種機能を備えているので、これらによりドライバーの様々な運転操作がデータ化されます。
あいおいニッセイではこのデータを元にドライバーの運転特性を点数化し、これを3段階に分けます。
運転特性の項目で、具体的な評価項目として公表されているのは「速度超過」「急アクセル」「急ブレーキ」の3つです。
この3つの評価項目でドライバーの運転操作に点数を付けます。
- 「80点以上(8%割引)」
- 「60~79点(4%割引)」
- 「59点以下(割引なし)」
の3段階で評価し、翌年度の保険料から割引します。
この割引は、ノンフリート等級制度や免許証の色などの従来の料率制度による割引に加えて受けることができる割引です。
また、この割引を受けるには、継続契約も「タフ・見守るクルマの保険プラス」に加入することが条件です。
なお、加入時は「60~79 点(4%割引)」と同水準の保険料が適用されますので、従来商品である「タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型)」よりわずかに安くなるようです。
1年間の運転操作を点数化し、成績がよければ(80点以上)、翌年度の保険料が8%割引されますから、安全運転に自信のある方には楽しみのある保険になるはずです。
もちろん、成績が悪くて「59点以下」になったら割引はありませんが、割引がないというだけで、割増になることはありません。
あいおいニッセイ以外の3社の場合も、当然ドライブレコーダーからのデータは蓄積されていて、ドライブレコーダー特約を付けた自動車保険に加入している人とそうでない人の事故率の差も、有意の数字として認識されているはずです。
そう遠くない将来、他の3社も割引付きのドラレコ特約を販売するのではないかと思います。
(※)ノンフリート(9台以下)の自動車保険のドライブレコーダー特約で割引制度があるのはあいおいニッセイの「タフ・見守るクルマの保険プラス」だけです。フリート契約(10台以上)では、損保ジャパンの「スマイリングロード」で5%割引、東京海上日動の「ドライブエージェント」で5%割引、三井住友海上の「スマNavi」で最大6%割引が適用されます。
【4社比較】結局どこがおすすめ?
近年「テレマティクス(telematics)」という言葉を耳にするようになりました。
「テレマティクス」とは、テレコミュニケーション(telecommunication)とインフォマティクス(informatics)を組み合わせた造語です。
ドライブレコーダー・カーナビゲーション・GPS・加速度センサーなどと移動体通信システムを利用して、さまざまな情報やサービスを提供する仕組みのことです。
このページで4社比較してきた自動車保険のドライブレコーダー特約は、このテレマティクスを具体的な保険商品に落とし込んだもの、と言えます。
そして、このテレマティクス保険の分野では、あいおいニッセイがトップランナーです。
あいおいニッセイは、ドライブレコーダー特約の付いた自動車保険を始める前から、カーナビゲーションを利用した「タフ・つながるクルマの保険」という愛称の保険を販売しています。
そして、ドライブレコーダー特約に関しても、前の項目でご紹介したように、これに割引制度を付けた商品を2020年1月から、業界初の商品として販売開始します。
そういう意味で、この分野の保険にもっとも熱心に取り組んでいる保険会社があいおいニッセイです。
自動車保険のドライブレコーダー特約でも、将来性、つまり、今後社会情勢の変化に応じてサービス内容を柔軟に改良するであろう可能性という点で、あいおいニッセイが一歩リードした保険会社であろう、と思われます。
そもそもあいおいニッセイと三井住友海上はMS&ADインシュアランスグループに属するグループ企業で、ドライブレコーダー特約でも専用ドライブレコーダーの機種は同一です。
しかし、同じグループとは言え、やはり別会社ですから、たとえば割引制度など異なる商品が出てきたりするわけです。
ともかく、自動車保険のドライブレコーダー特約に関しては、4社のいずれを選んでも後悔することはないと思います。
が、その中でも、あいおいニッセイが一歩リードしている感じがします。
ご覧いただきありがとうございました。