ドライブレコーダーの「上書き録画」ってどういう意味?
ドライブレコーダーは走行中の映像を記録する装置ですが、何に記録されるかと言うと、ほとんどの機種は本体に挿し込んだmicroSDカードです。デジカメと同じですね。
このmicroSDカードには、当然、容量があります。容量がいっぱいになったらそれ以上記録できません。デジカメの場合なら、そこでおしまいです。
しかし、それではドライブレコーダーの場合は困ります。事故はいつ発生するかわかりません。いざ事後が起こった時にカードが容量一杯で何も映像が記録できなかったら、それでは取り付けている意味がありません。
そこで、ドライブレコーダーの場合は、カードの容量がいっぱいになったら、また最初に戻り、すでに録画されている古い映像に新しい映像を上書きしていきます。つまり、古い映像は次々に新しい映像に置き換わり、消去されていきます。
これが上書き録画です。正式には「ループ録画方式」と呼びます。ループとはloopのことで、つまり、輪っかです。輪っかのようにぐるぐるとまた同じところに戻ってくるわけです。
「常時録画」も「イベント録画」もループ録画方式で上書き録画されている
一般的に、ドライブレコーダーは2種類の録画ファイルで成り立っています。駐車監視機能が付いている機種の場合は3種類になります。
- 常時録画ファイル
- イベント録画ファイル
- (駐車監視ファイル)
①の常時録画ファイルには、エンジンを掛けてからエンジンを止めるまでの間の映像を延々と記録し続けます。
②のイベント録画ファイルには、事故や急ブレーキでドライブレコーダー本体に装備されたGセンサー(加速度センサー)が反応した時だけ、その瞬間を含めた前後数十秒間を録画します。
③の駐車監視ファイルは、車を駐車中に一定の振動を検知した時に映像を録画します。
ドライブレコーダーが工場出荷した段階の初期設定では、これら①②③はすべて上書き録画に設定されています。つまりループ録画ですね。
それぞれのファイルが記録される領域がマイクロSDカードに割り当てられていて、それぞれの領域が満杯になったら、順次、古い映像の上に新しい映像が上書き録画されていきます。
ただし、こうした初期設定は任意に変更できます。上書き録画されないように設定すれば、割り当て領域が満杯になったところで録画は終了します。上書きされずにデータはそのまま保存されたままです。
たとえば、ドライブレコーダーの映像を楽しいドライブ旅行の記念にしたいという場合は、上書きしない設定にしておけば、せっかく録画された映像がうっかり上書きされてしまうことを防止できます。
ですが、こうした特別な目的がある場合は別にして、通常は、初期設定を変えないほうがいいと思います。大事な事故の映像が消去されないようにするのであれば、設定を変えるのではなく、事故が発生したらマイクロSDカードを本体から抜き取っておけばいいのです。これが一番確実で安心な方法です。
下記の記事も参考にしていただけると幸いでございます。
ご覧いただきありがとうございました。