車のエアコンが急に効かない|突然冷えなくなる原因は?
このページのテーマは、急にエアコンが効かなくなる(冷えなくなる)ケースです。あるいは、効いたり効かなかったりを繰り返すケースです。
効きが悪い状態がずっと続いている、何日もずっと冷えない、というのではなく、昨日まで冷えていたのに今日はいきなり冷えなくなったとか、ちゃんと冷たい風が出るときと出ないときがある、といったケースについて解説します。
急に効かない(冷えない):原因①:オーバーヒート
車のエアコンが全く効かなくなった(冷えなくなった)というケースでは、ほとんどのケースがエアコンガスの漏れが原因です。
しかし、その場合は急に効かなくなるというよりも、徐々に効きが悪くなっていくケースが多いと思います。
急に効かない原因として、まず考えられるのが、オーバーヒートです。
エンジンの冷却水が不足していたり完全に空になってしまうと、車はエンジンを守るためにエアコンを強制的に停止させます。
冷却水が完全に空の場合は、エアコンの心配をするのではなく、まずエンジンの損傷を心配すべきで、即座にJAFか自動車保険のロードサービスを呼んで最寄りの修理工場に車を入庫してください。
冷却水が空ではなく不足している場合は、いったんオーバーヒート気味になってエアコンを強制停止にした後でも、アイドリング状態を続けたりしてオーバーヒートの症状が和らいでくると、再びエアコンがスイッチオンになり、冷たい風が出てくることもあります。
例えばこういうケースがあります。冷却水が不足気味でオーバーヒート寸前の車の場合、交差点で停止したり低速でゆっくり走行しているときにはエアコンの冷たい風が出てくるけれど、アクセルを踏み込んで高回転で走行を始めるとすぐにエアコンの風が生ぬるくなる。
これはオーバーヒートが原因で、車のコンピュータがエアコンをONにしたりOFFにしたりしているからです。
すみやかにプロの診断を受けてください。
急に効かない(冷えない):原因②:マグネットクラッチの不良
エアコンの主要装置の1つにコンプレッサーがあります。コンプレッサーが完全に故障すればエアコンは効かなくなりますが、コンプレッサー自体が故障していなくてもコンプレッサーの作動をONにしたりOFFにしたりするマグネットクラッチに不良(ショートやヒューズ切れも含む)がある場合にも、走行中に急にエアコンが効かないという症状が発生します。
急に効かない(冷えない):原因③:コンプレッサーの不良
いうまでもなく、コンプレッサーそのものがいきなり逝ってしまうこともあります。そうなると、当然、いきなりエアコンが効かないという症状が発生します。
急に効かない(冷えない):原因④:エアコンガスの漏れ
悪路を走行して車の下部を岩などに打ち付けると、エアコンガスの経路に亀裂を発生させ、そこから一気にエアコンガスが漏れます。
こうなると、当たり前ですが、エアコンは急に効かなくなります。
その一方で、エアコンガスは徐々に少しずつ漏れることもあり、少々の漏れでは正常にエアコンが作動していたけれど、ある量を下回ったところで、コンプレッサーが作動を停止することがあります。
この場合も、エアコンは急に効かなくなります。
急に効かない(冷えない):原因⑤:バッテリーの劣化
車のエアコンは常時電力を消費します。コンプレッサーはエンジンの動力で動きますが(電気自動車や一部ハイブリッド車は電動化している)、たとえば、室内ブロアモーター、コンデンサー用電動ファン、コンプレッサークラッチなどはバッテリーの電気で作動します。
バッテリーが劣化していると、こうした電力消費に対応できず、一時的にエアコンが強制的にOFFになります。そして走行によりある程度充電されると、またエアコンがONになります。
その結果、エアコンが冷えたり冷えなかったりを繰り返すことになるのです。
エアコンの修理費用
いずれにしても、車のエアコンに不具合が発生した場合、ケースによっては高額な修理費用が掛かります。下記に修理費用の相場をご案内します。参考になさってください。
- エアコンガスの補充・充てん:3,000円~6,000円
- 亀裂等によるガス漏れの修理・補修:15,000円~35,000円
- エアコンガスクリーニング:6,000円~12,000円
- コンプレッサーの交換:45,000円~105,000円
- サーモスタットの交換:7,000円~12,000円
- ファンモーターの交換:30,000円~50,000円
- エバポレーターの洗浄:4,000円~12,000円
- エバポレーターの交換:40,000円~50,000円
- エアコンフィルターの交換:2,500円~6,000円
車のエアコンに不具合がある場合、ディーラーや修理工場に入庫しても、実際の修理は「電装屋」と呼ばれる業者さんが行うことがほとんどです。自動車電装屋さんはエアコン・バッテリー・カーオーディオなどの込み入った修理を手掛ける自動車修理の一分野です。
実際、エアコンの修理はDIYの得意な人でも難易度の高い分野で、不具合の原因を特定するにはプロの診断を必要とするケースがほとんどです。
とりわけ、エアコンの不具合がオーバーヒートがらみの場合は、すみやかにJAFか自動車保険のロードサービスを呼び、ディーラーや修理工場に車を搬送してもらって、大ごとになる前に修理対応してもらってください。
ハイシャル | カーネクスト |
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下記の記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。