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このページでは、自動車保険車両標準価格表(車両価格表・車価表)について詳しく解説します。
自動車保険車両標準価格表(車両価格表・車価表)とは、車両保険を付ける際に「補償額をいくらに設定するか」という場面で使用される一種のデータブックのことです。
わたしたちが車両保険に加入する場合はこのデータブックに掲載されている金額幅で車両保険の金額を決めることになります。
このページでは車両保険を付ける際に必ず必要になる自動車保険車両標準価格表(車両価格表・車価表)についてわかりやすく解説しています。
しばらくお付き合いいただけると幸いです。
自動車保険車両標準価格表(車両価格表・車価表)の役割
車を購入した人が車両保険に加入する際には、車の補償額を決めなければなりません。
この補償額のことを車両保険金額と呼びます。
車両保険金額は、火災保険で言えば家が全焼になった時の支払保険金額のことです。
車が全損の事故にあった場合の支払限度額、それが車両保険金額です。
車両保険金額は自動車保険車両標準価格表(車両価格表・車価表)という一種のデータブックに基づいて決められます。※以下は車両価格表で記述します
車両価格表には日本国内で販売されている直近7年から8年の車の現在価値(時価額)が記録されていて、発売間もない車には新車価格相当の金額が、発売から5年経過している車には5年落ちの中古車市場における金額が、それぞれ記載されています。
したがって、一定の年式より新しい新車や中古車のすべてが車両価格表に掲載されています。
車両価格表は毎年更新されます。
そして車両価格表は保険会社ごとに独自のものが採用されていますが、実態は、ほとんど同じ内容です。
さて、わたしたちが車両保険に加入する際、車両保険金額をわたしたちが自由に設定することはできません。
もしも自由に設定してかまわないなら、実際は50万円で買った車に対して、たとえば車両保険金額300万円で車両保険に加入できてしまいます。
そうなると、この車が事故で全損になった際、保険会社は300万円支払うことになり、保険に加入していた人は250万円を「丸儲け」することになってしまいます。
車両保険の実態がもしもこのようなものであったら、まさに犯罪を誘発するのは確実です。
自動車保険は株より儲かる投資対象になってしまいます。
そこで、こうした混乱を防止するために登場するのが車両価格表です。
新車には新車の金額、3年落ちの車には3年落ちの金額、5年落ちには5年落ちの金額、とそれぞれ適正な金額を提示することで、上のような混乱を未然に防ぐことが出来ます。
車両保険金額の決め方:新車の場合
新車に車両保険を付ける場合も車両価格表が活躍します。
たとえば通販型自動車保険でウェブ契約をする際には、見積もりの画面にあなたの車に設定すべき車両保険金額が、たとえば「205万~285万」の幅で表示されます。※表示は5万円刻み
これは、すでにあなたの新車の型式と登録年月日が入力されているので、そのデータから車両価格表の該当箇所が表示されるからです。
したがって、あなたはこの価格帯(205万~285万)の範囲内であれば、いくらであっても自由に選べます。
たとえば、あなたの新車が、値引きを考慮しない車両本体価格が210万円で、カーナビ等のオプション類が15万円、これらの消費税(8%で計算)が18万円であった場合、合計は210+15+18=243となり車両価格表の205万~285万の範囲内にあるので、車両保険金額243万円で車両保険に加入できます。※車両保険金額は5万円刻みで設定するので実際の契約は240万か245万で設定することになります
その際に、実際にあなたが新車に支払う金額は243万なのですが、車両価格表では上限が285万になっていますから、あなたが望むのであれば285万円で車両保険金額を設定することも可能です。※その分保険料は高くなります
ただし、マークレビンソンなどの超高級カーオーディオをオプションとして付け、そのせいで総額が330万円になったとしても、車両保険金額は上限の285万円までしか設定できません。
超高級カーオーディオの補償は動産保険などその他の保険を別途手当てするしかありません。
逆に、何らかの事情で車両本体価格を超大幅に値引きしてもらい、実際にその新車に支払った総額が180万円であったとしても、車両保険金額はあくまでも車両価格表が提示する205万~285万の幅の範囲で選択しなければなりません。※大坂なおみ選手が日産GT-Rをプレゼントしてもらいましたが、このGT-Rに車両保険を付ける場合、大阪選手は1円も支払っていませんが、車両保険金額は車両価格表が提示した範囲で付けることになります。もっともGT-Rの車両保険を引き受けてくれる会社があるかどうかわかりませんが、それはまた別問題です
こうした金額設定は不正でもなんでもなくて、車両価格表の範囲内の金額なので、ノープロブレムです。
ただし、保険料は車両保険金額によって変動します。
車種・等級・年齢条件などによって異なりますが、平均的には、車両保険金額が10万円上がると、年間保険料が300円~500円アップします。
少々上がってもかまわないのであれば、出来るだけ高い金額で設定したほうがいいと思います。
285万で設定し、その後全損事故にあった場合、ちゃんと285万受け取れますから。
もう一度整理します。
新車に車両保険を付ける場合は、「値引き前の車両本体価格+オプション代+これらの消費税」の合計金額を車両保険金額として設定するのが基本です。
ただし、たとえ実際の購入金額が車両価格表の範囲を上回っていても、逆に下回っていても、あくまでも車両価格表の範囲内で設定しなければなりません。
車両価格表の範囲内であれば、実際に購入した金額がいくらであるかに関わらず、自由に車両保険金額を設定できます。
車両保険金額の決め方:中古車の場合
中古車の場合も、新車に車両保険を付ける場合と同じです。
車両価格表の金額に基づいて車両保険金額を決めることになります。
ここでも、わたしたちが自由に価格設定できるわけではありません。
あくまでも車両価格表が示す範囲内で設定します。
たとえば通販型自動車保険でウェブ契約をする際には、見積もりの画面にあなたの車に設定すべき車両保険金額が、たとえば「150万~185万」の幅で表示されます。※表示は5万円刻み
これは、すでにあなたの中古車の型式と登録年月日が入力されているので、そのデータから車両価格表の該当箇所が表示されるからです。
したがって、あなたはこの価格帯(150万~185万)の範囲内であれば、いくらであっても自由に選べます。
※通販型自動車保険の場合、新車登録から7年から8年以上経過した車は車両保険不可というところが多いです。ただしソニー損保の場合、2019年2月にわたしが14年落ちの中古車で見積もりをしたところちゃんと見積額が計算されました
あなたの中古車が、値引きを考慮しない車両本体価格が153万で、オプション類が6万円、これらの消費税(8%で計算)が13万※端数は繰り上げていますであった場合、153+6+13=172となり、車両価格表の150万~185万の範囲内にあるので、車両保険金額172万円で車両保険に加入できます。※車両保険金額は5万円刻みなので実際の契約は170万か175万で設定します
そして、ここでも新車のケースと同様に、実際にあなたが中古車に支払う金額は172万なのですが、車両価格表では上限が185万になっていますから、あなたが望むのであれば185万円で車両保険金額を設定することも可能です。
また、超大幅な値引きによって実際の支払い総額が120万円であったとしても、車両保険金額は車両価格表の範囲内(150万~185万)で設定しなければなりません。
これらは不正でもなんでもなくて、車両価格表の範囲内の金額なので、ノープロブレムです。
ただし、設定する車両保険金額によって保険料は上下します。
少々上がってもかまわないのであれば、出来るだけ高い金額で設定したほうがいいと思います。
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