カワサキW800の足回りとツインショックを徹底解説|構造・事実・魅力のすべて

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カワサキW800の魅力を語るとき、多くの人はまず空冷バーチカルツインエンジンの造形に目を奪われます。
しかし、このバイクの「正調クラシック」を成立させている本当の主役は、足回りにあります。
後輪を左右2本のショックで支えるツインショック、前19インチの大径スポークホイール、細身の正立フォーク。
どれも現代のスポーツバイクなら真っ先に置き換えられる「古い」構造です。
W800はそれをあえて選び、あえて残しました
この記事では、W800の足回りを構造・数字・歴史の3方向から徹底的に掘り下げます。
読み終えたとき、あなたはW800の足回りについて他のサイトを調べる必要がなくなっているはずです。

1. W800の足回りとは|「あえて古い」を選んだ設計思想

バイクの足回りとは、フレーム・サスペンション・ホイール・タイヤ・ブレーキといった、車体を支えて路面と接する部分の総称です。
エンジンが「走る力」を生むなら、足回りは「その力を安全に地面へ伝え、路面の衝撃を吸収する」役割を担います。
W800の足回りは、1966年の650-W1(ダブワン)から続くカワサキ「W」シリーズの伝統をほぼそのまま受け継いでいます。

W800の車体構成は、直接のルーツであるW650(1999年)の発展モデルそのものです。
W1譲りのダブルクレードルフレームに、直立した空冷2気筒エンジンを搭載します。
そこへ前19インチ・後18インチの大径ワイヤースポークホイールと、後輪を挟む2本のリアサスペンション(ツインショック)を組み合わせています。
この構成が、バイクに詳しくない人が見ても「なんだか懐かしい」と感じるスタイリングを生み出しています。

現代の主流を「あえて外す」という選択

現在の大型バイクの多くは、後輪サスに1本のショックを使うモノショックを採用しています。
ホイールは軽量なキャストホイール、タイヤはグリップに優れるラジアルタイヤが定番です。
W800はそのどれも採用していません。
ツインショック、スポークホイール、チューブ入りのバイアスタイヤ。
これらは昔ながらのスタイルを忠実に再現するため、意図的に選ばれた「リアルクラシック」の装備です。
性能の最先端を求めたのではなく、味わいと佇まいを優先した設計思想が、W800の足回りの出発点になっています。

足回りの構成要素役割
フレーム車体の骨格。剛性が操縦安定性を左右する
サスペンション路面の衝撃吸収とタイヤの接地維持
ホイール・タイヤ路面と接し、力を伝える部分
ブレーキ速度をコントロールし停止させる
W800の足回りの特徴内容
フレームダブルクレードル(W1から続く伝統形式)
リアサスツインショック(2本サス)
ホイール前19・後18インチのワイヤースポーク
タイヤチューブ入りバイアスタイヤ
設計思想のキーワード意味
正調クラシック昔のバイクの雰囲気を忠実に再現
リアルクラシック見た目だけでなく構造も往年のまま
ネオクラシックとの違い現代装備で武装した新型とは一線を画す
この章のまとめ
足回りとはフレーム・サス・ホイール・タイヤ・ブレーキの総称
W800の出発点650-W1から続くWシリーズの伝統構成
あえて古い選択ツインショック・スポーク・バイアスを意図的に採用
優先したもの最先端性能ではなく味わいと佇まい
引用元・参照元
バイクブロス「カワサキ W800(STREET/CAFE)型式・スペック情報」(株式会社プロトコーポレーション)
バイク館SOX「ノスタルジックな雰囲気をそのままに。W800の理想的なカスタムとは?」
Bike Life Lab(バイク王)「カワサキ『W800』ってどんなバイク?」(2025年11月9日)

2. ツインショックの構造|2本のサスは何をしているのか

ツインショックとは、後輪を左右から挟むように2本のショックユニットを配置したリアサスペンションの形式です。
「ツイン」は2本、つまりショックアブソーバーが2本あることを表しています。
W800はこのツインショックを採用しています。

ショックユニットの中身

ショックユニットは、筒状のダンパー(減衰装置)に、その周りを覆うスプリング(バネ)を組み合わせた部品です。
スプリングが目印になるので、外から見てもすぐに見分けられます。
このユニットが後輪を挟んで左右に2本並んでいればツインショック、タイヤから離れた中央に1本だけあればモノショックです。
W800では、シート後端付近からスイングアームの後方へ向けて、左右対称に2本のショックが取り付けられています。

スイングアームとの関係

後輪はスイングアームという腕状の部品で車体に取り付けられ、この腕が上下に動きます。
路面の凹凸で後輪が跳ね上がると、スイングアームが動き、その動きをツインショックが受け止めます。
スプリングが衝撃を吸収し、ダンパーがバネの余計な揺れを抑えます。
これによってタイヤが常に路面へ接地し続け、乗り心地と安定性が保たれます。
W800のリアホイールトラベル(後輪が上下に動く量)は107mmです。

ツインショックの成り立ちは、バイクのリアサスの進化の歴史そのものです。
サスペンションを持たないリジッドから始まり、車軸部だけが動くプランジャー式を経て、スイングアーム式へと進化しました。
このスイングアーム式こそ、現在も使われるツインショックの原型です。
つまりツインショックは、スイングアーム式リアサスの最も基本的な完成形と言えます。

ツインショックの構成部品働き
スプリング衝撃を吸収し車体を支える
ダンパーバネの揺れを抑え収束させる
スイングアーム後輪を保持し上下に動く腕
ツインとモノの見分け方配置
ツインショック後輪を挟んで左右に2本
モノショックタイヤから離れた中央に1本
リアサスの進化特徴
リジッドサスなし。シートのバネだけで衝撃を受ける
プランジャー式車軸部のみが上下に動く
スイングアーム式(ツイン)腕が動きストローク量が飛躍的に増加
W800リアサスの数値
懸架方式(後)スイングアーム式
ショックアブソーバ本数2本
リアホイールトラベル107mm
この章のまとめ
ツインショック後輪を挟んで左右に2本のショックを配置
ショックの中身スプリングとダンパーの組み合わせ
スイングアーム後輪を保持し上下に動く腕
W800の後輪ストローク107mm
引用元・参照元
Moto Connect「【元車両開発関係者が解説】リアショックのツインショックとモノショックの違い」(2023年10月19日)
ForR「バイクのソレなにがスゴイの!? Vol.24『モノショック』」(2026年3月21日)
Wikipedia「リヤサスペンション(オートバイ)」
バイクブロス「カワサキ W800 2026年モデル 諸元表」(株式会社プロトコーポレーション)

3. ツインショックとモノショック|性能で劣るのになぜ採用したのか

ここで正直な事実を書きます。
純粋な走行性能だけを比べると、モノショックのほうが優れています
W800があえてツインショックを選んだのは、性能で勝てるからではありません。
それでもツインショックには、モノショックにはない明確な利点があります。

モノショックが高性能とされる理由

モノショックは1970年代から1980年代にかけて、オフロード走行のストローク量を稼ぐために開発されました。
ショックを車体中央のエンジン後部に立てて配置し、リンクを介してスイングアームを支えます。
この配置には3つの大きな利点があります。
1つ目は、重い部品を車体中央へ集めるマスの集中で、車体がクイックに動くこと。
2つ目は、ショックが1本になることによる軽量化
3つ目は、リンクによってストローク初期は柔らかく、奥では硬くなる非線形特性を持たせられることです。

ツインショックには構造的な弱点もあります。
フレームやスイングアームの剛性(ごうせい)が足りないと、左右2本のショックがバラバラに動いてしまうことがあります。
極端な場合、右が縮もうとするのに左は伸びようとして、車体がねじれる動きになります。
モノショックは1本なので、この左右非同調の問題が原理的に起きません。
サーキットのような高負荷の走行では、この差が安定性の差として現れます。

それでもツインショックを選ぶ理由

ではなぜW800はツインショックなのか。
理由はスタイリングです。
左右対称に2本のショックが立つ姿は、往年のバイクそのものの佇まいを生みます。
クラシックテイストのモデルにとって、ツインショックは今も定番の装備です。

実用面の利点も見逃せません。
ツインショックはショックが剥き出しで取り付けられます。
そのため脱着や清掃、セッティングの作業がやりやすいのです。
構造がシンプルなので故障が少なく、信頼性が高く、コスト面でも有利です。
シート下にスペースを取りやすい点も、ツインショックの隠れたメリットです。
W800はシート下にETC本体を収める空間を確保しています。

ここで重要な事実を1つ補足します。
一昔前なら考えられないほど、現代のツインショックは性能が向上しています
公道を走る速度域であれば、モノショックに対して圧倒的な差を感じる場面はほとんどありません。
つまりW800にとって、ツインショックは「性能を妥協した選択」ではなく「実用上十分で、味わいに勝る選択」なのです。

モノショックの利点内容
マスの集中重量物を中央に寄せ運動性が向上
軽量化ショックが1本で軽い
非線形特性リンクで初期柔・奥で硬を実現
左右非同調なしねじれ挙動が起きない
ツインショックの利点内容
クラシックな外観左右対称の佇まい
整備性剥き出しで脱着・清掃が容易
信頼性構造が単純で故障が少ない
コスト製造・交換が安価
ツインショックの弱点内容
左右非同調剛性不足だと左右がバラバラに動く
ストローク量モノショックより稼ぎにくい
高負荷走行サーキット領域では安定性で劣る
メーカー別モノショック名称呼称
カワサキユニトラック(Uni-Trak)
ホンダプロリンク(Pro-link)
ヤマハモノクロス
スズキフルフローター
この章のまとめ
性能面純粋な走行性能はモノショックが上
採用理由クラシックな外観と整備性・信頼性
実用差公道の速度域では大きな差は出にくい
結論妥協ではなく味わいを優先した選択
引用元・参照元
Moto Connect「リアショックのツインショックとモノショックの違い」(2023年10月19日)
BikeJIN WEB「現代バイク用語の初心者講座【ツインショックとモノショック】」(2026年4月18日)
バイクのニュース「1本と2本のリアサスペンションの違い!? 性能にも大きな差があるのか?」
Wikipedia「リヤサスペンション(オートバイ)」

4. W800の足回り主要諸元|数字で見る構造

ここからは、現行W800(型式8BL-EJ800E)の足回りを具体的な数字で見ていきます。
抽象的な印象論ではなく、諸元表(しょげんひょう)に記された事実で構造を確認します。

フレームと車体ジオメトリー

フレームはダブルクレードルです。
エンジンを2本のパイプで前後から抱え込むように支える形式で、W1以来の伝統的な構造です。
車体の姿勢を決める数値として、キャスター角27°、トレール量108mmが設定されています。
キャスターとトレールは、直進安定性とハンドリングの素直さを左右する重要な数字です。
W800は前19インチの大径ホイールと合わせて、ゆったりと落ち着いた直進性を狙った設定になっています。

前後サスペンション

フロントは正立(せいりつ)テレスコピックフォークです。
フォーク径は41mmで、フロントホイールトラベルは130mmを確保しています。
倒立フォークのような硬さではなく、しなやかに動く正立フォークが、クラシックな乗り味と外観に合致しています。
リアは前章で述べたスイングアーム式のツインショックで、後輪ストロークは107mmです。
純正リアサスはプリロード(バネの初期荷重)を5段階で調整できます。
タンデムや荷物の積載量、ライダーの体重に応じて、手軽に車体姿勢を変えられます。

ブレーキとタイヤ

ブレーキは前後とも油圧式ディスクで、ABSを標準装備します。
タイヤは前後ともにバイアス構造のチューブタイヤです。
サイズはフロント100/90-19、リア130/80-18
前19インチ・後18インチという大径ホイールが、W800らしい伸びやかなシルエットを作っています。
車両重量は226kgで、Wシリーズ3モデルの中では最も重い数値です。

車体ジオメトリー数値
フレーム型式ダブルクレードル
キャスター角27°
トレール量108mm
ホイールベース1465mm
前サスペンション数値
方式正立テレスコピックフォーク
フォーク径41mm
前ホイールトラベル130mm
後サス・ブレーキ数値
後サス方式スイングアーム式ツインショック
後ホイールトラベル107mm
プリロード調整5段階
ブレーキ前後油圧式ディスク(ABS付)
ホイール・タイヤ・重量数値
前タイヤ100/90-19(バイアス・チューブ)
後タイヤ130/80-18(バイアス・チューブ)
シート高790mm
車両重量226kg
この章のまとめ
フレームダブルクレードル、キャスター27°
前サス41mm正立フォーク、ストローク130mm
後サスツインショック、5段階プリロード
ホイール前19・後18インチのスポーク
引用元・参照元
バイクブロス「カワサキ W800 2026年モデル(8BL-EJ800E)基本スペック・諸元表」(株式会社プロトコーポレーション)
バイクブロス「カワサキ W800 試乗記事」(2020年1月30日)
ウェビック「カワサキ W800 2025年式 8BL-EJ800E 諸元・スペック情報」

5. スポークホイールとチューブタイヤ|足回りを構成するもう一つの主役

ツインショックと並んで、W800の足回りを特徴づけるのがワイヤースポークホイールです。
そしてスポークホイールは、必然的にチューブ入りタイヤを要求します。
この組み合わせも、W800の「リアルクラシック」を支える重要な構造です。

スポークホイールの構造

スポークホイールは、中心のハブと外周のリムを、多数の細いワイヤー(スポーク)で結んだ構造です。
一般的に36本から40本ものスポークが、張力(バネのように張る力)でハブを保持しています。
この構造には走行上のメリットがあります。
路面の凹凸に応じてスポークが適度にたわみ、衝撃を吸収するのです。
一体成形のキャストホイールにはない、しなやかな乗り味を生みます。

一方で弱点もあります。
スポークがリムを貫通する構造のため、リムとタイヤの気密が取れません
そのため、タイヤの内側に空気を保持するチューブが不可欠になります。
またスポークホイールは構造上どうしても重くなります。
高速でスポーツ走行するロードモデルが軽量なキャストホイールを好むのは、この重さを嫌うためです。
W800がスポークホイールを採用するのは、性能ではなく「古き良き雰囲気」を重視してのことです。

チューブタイヤとバイアス構造

W800のタイヤはチューブ入りで、なおかつバイアス構造です。
バイアスタイヤは、内部の骨格であるカーカスを斜め(バイアス)に巻いた構造です。
タイヤ全体に柔軟性があり、乗り心地が良く、価格も安いのが特徴です。
グリップや操縦安定性ではラジアルタイヤに譲りますが、のんびりツーリングするW800の性格には合致しています。

チューブタイヤには注意点もあります。
パンクした際の修理が、チューブレスタイヤより格段に面倒です。
車輪を外し、タイヤをリムから外し、中のチューブを引き出す必要があります。
また空気が抜けやすいため、こまめな空気圧管理が欠かせません。
W800の指定空気圧は前2.00、後2.50(乗車定員時)です。
クラシックな装備を選ぶということは、こうした手間も味わいとして受け入れることを意味します。

スポークホイールの特徴内容
構造ハブとリムをワイヤーの張力で結ぶ
メリットたわみによる衝撃吸収性が高い
デメリット重い・チューブが必須
タイヤ構造の比較特徴
バイアス(W800採用)柔軟で乗り心地良い・安価
ラジアル操縦安定性・耐摩耗に優れる
チューブタイヤの注意点内容
パンク修理車輪・タイヤを外す必要があり面倒
空気圧管理抜けやすくこまめな点検が必要
指定空気圧前2.00/後2.50(乗車定員時)
W800のホイール諸元数値
前リム幅MT2.5
後リム幅MT3.0
タイヤタイプ前後ともチューブタイヤ
この章のまとめ
スポークホイールワイヤーの張力で構成、衝撃吸収性が高い
チューブ必須気密が取れないため内部にチューブが必要
バイアスタイヤ柔軟で乗り心地良く安価
受け入れる手間パンク修理と空気圧管理はやや面倒
引用元・参照元
ForR「バイクのソレなにがスゴイの!? Vol.22『スポークホイール』」(2025年5月7日)
RIDE HI「タイヤのチューブ入りとチューブレスはいったい何が違うのでしょうか?【教えてネモケン037】」(2022年4月1日)
バイクサップ「バイクのタイヤの種類を解説!ラジアルとかバイアスって何?」(2024年4月15日)
MC-web(八重洲出版)「スポークホイール vs キャストホイール」

6. 旧型と現行の足回りの違い|EJ800Aから現行へ

W800の足回りは「昔のまま」に見えて、実は世代ごとに着実に進化しています。
特に2011年の初代と2019年以降の現行では、足回りに明確な違いがあります。
中古を検討する人にとって、この差は重要な判断材料になります。

初代EJ800A(2011〜2016年)

W800は2011年2月に、型式EJ800Aとしてデビューしました。
先代W650のエンジン(内径72mm)を内径77mmへボアアップし、773ccへ拡大したモデルです。
足回りは前19インチ・後18インチのスポークホイール、正立フォーク、ツインショックという構成でした。
ここで押さえるべき事実が1つあります。
初代のリアブレーキはドラム式でした。
前輪はディスク、後輪はドラムという組み合わせだったのです。
初代のエンジンは最高出力48PS、最大トルク62Nmを2500rpmという超低回転で発生する設定でした。
このモデルは2016年のファイナルエディションまで、大きな仕様変更なく続きました。

現行へのアップデート(2019年〜)

2016年に排出ガス規制で一度生産を終えたW800は、2019年に復活します。
まず登場したのがW800 STREETW800 CAFEで、型式はEJ800Bです。
このとき足回りに大きな手が入りました。
フレームが完全にリニューアルされ、リアブレーキがドラムからディスクへ変更されました。
ABSとアシスト&スリッパークラッチも標準装備されました。
エンジンはボアストロークこそ同じですが、最高出力が4PS向上して52PSとなり、最大トルクの発生回転数が引き上げられました。

ホイールサイズにも変遷があります。
2019年のSTREET/CAFEは、フロントを18インチへインチダウンしました。
これで足つき性を高め、街乗りしやすくしています。
一方、2020年に再登場した標準の「W800」は、元祖650-W1を強くイメージさせるためフロント19インチを復活させました。
2022年には型式がEJ800Eとなり、令和2年(平成32年)排出ガス規制に適合しています。
このEJ800Eは実質的にカラーチェンジで、メカニズムは前年から変わっていません。

初代と現行の足回り比較初代EJ800A
前ホイール19インチ
後ブレーキドラム式
ABSなし
最高出力48PS
現行W800(EJ800E)内容
前ホイール19インチ
後ブレーキディスク式
ABS標準装備
最高出力52PS
ホイールサイズの変遷前ホイール
W800(2011〜)19インチ
STREET/CAFE(2019〜)18インチ
W800(2020〜現行)19インチ(復活)
型式の変遷年式
EJ800A2011〜2016年
EJ800B2019〜2021年
EJ800E2022年〜現行
この章のまとめ
初代の足回り前19インチ、後ドラムブレーキ
2019年の刷新フレーム一新・後ディスク化・ABS追加
ホイール変遷19→18→19インチと変化
現行EJ800E令和2年規制適合、実質カラーチェンジ
引用元・参照元
Bike Life Lab(バイク王)「カワサキ『W800』ってどんなバイク?年式やバリエーションモデルごとの特徴を解説!」(2025年11月9日)
バイクパッション「W800【2011〜現行】を売る|最新の買取相場と査定価格」
greeco motorcycle「カワサキ W800のスペックと維持費 2015年 EJ800A型」
バイクブロス「カワサキ W800(STREET/CAFE)車輌プロフィール」(株式会社プロトコーポレーション)

7. 足回りの乗り味とオーナーの実感

数字と構造を確認したところで、実際の乗り味を見ていきます。
ここでは特定の1人の体験ではなく、複数のオーナーや試乗インプレッションに共通して現れる評価を整理します。

柔らかく穏やかな足回り

W800の足回りに対する評価で、最も多く共通するのが「柔らかい」という表現です。
価格.comのオーナーレビューでは、「シートはふかふか、サスもやや柔め」という声が見られます。
別のオーナーは「柔らかい乗り心地でスポーツバイクのような硬さはない」と評しています。
このバイクに合った乗り方をしていれば、サスの限界を感じる場面はまず来ない、という趣旨の意見が複数あります。
攻めるためではなく、ゆったり流すために最適化された足回りだと言えます。

低速で気持ちよく、高速は苦手

走行フィールについても評価は一貫しています。
複数のオーナーが「40〜50km/hで下道を流している時が一番気持ちいい」と語ります。
一方で高速道路については「90〜100km/hになると手足に不快な振動が来る」という指摘が繰り返し出てきます。
これはエンジンの鼓動特性による面が大きく、足回り単体の問題ではありません。
ただし結論として、W800は下道をゆったり走るバイクという性格が、オーナーの実感として共有されています。

足つき性と取り回し

シート高790mmは、大型バイクとしては良好な足つき性を生みます。
試乗インプレッションでは「足つき性は極めて良好で、乗車時のプレッシャーがまったくない」と評価されています。
身長170cm程度あれば両足がしっかり着く、というオーナーの声もあります。
一方で車両重量226kgは相応の重さで、押し歩きや取り回しには慣れが必要との指摘もあります。
重心が低いとはいえ、不意の立ちゴケには注意が必要です。

乗り味の共通評価内容
サスの印象やや柔らかく穏やか
得意な速度域40〜50km/hの下道
苦手な場面90km/h超の高速巡航
足つき・取り回し内容
シート高790mm(良好な足つき)
車両重量226kg(取り回しは慣れが必要)
注意点低重心でも立ちゴケに注意
足回りが向く使い方評価
下道ツーリング最適
街乗り・通勤扱いやすい
高速中心のロンツーあまり向かない
この章のまとめ
サスの傾向やや柔らかく穏やかな味付け
得意領域下道をゆったり流す走り
足つき790mmで大型として良好
重量226kgで取り回しは慣れが必要
引用元・参照元
価格.com「カワサキ W800 レビュー評価・評判」(オーナーレビュー)
バイクブロス「カワサキ W800 試乗記事」(2020年1月30日)
Bike Life Lab(バイク王)「カワサキ『W800』ってどんなバイク?」(2025年11月9日)

8. 足回りのカスタムと調整|純正を活かすか、換えるか

W800の足回りは、純正のまま楽しむ道手を入れて高める道の両方が開かれています。
最後に、実際に多くのオーナーが行っている調整とカスタムを整理します。

まずは純正のプリロード調整から

お金をかけずにできる第一歩が、純正リアサスのプリロード調整です。
W800のリアサスは5段階で調整でき、専用レンチで手軽に変えられます。
体重が重い人や、タンデム・積載が多い人は、プリロードを強めると車体姿勢が安定します。
純正リアサス自体も、カワサキのオンラインショップで入手できます。
参考として、純正リアサスは1本あたり16500円という購入報告があります。

リアショックの社外品への交換

より大きな変化を求めるなら、社外リアショックへの交換が定番です。
W800はセンタースタンドを標準装備しているため、交換作業が非常にやりやすいのが利点です。
上下2本のボルトを外してショックを入れ替えるだけで、おおよそ30分程度で完了したという作業報告があります。
これはツインショックという構造がもたらす、整備性の高さそのものです。

人気の高い社外品として、オーリンズが挙げられます。
オーリンズのS36というモデルは、W650・W800・MEGURO K3(99〜23年)に適合します。
装着したオーナーは「純正と比較してよく動き、路面情報をしっかり伝えてくれる」と評価しています。
純正の動きを上質にした方向性で、全ての速度域で扱いやすくなる、という趣旨のインプレッションが見られます。
このほかKYB(カヤバ)やハイパープロ、ナイトロンなど、複数のメーカーから選択肢があります。

フロントフォークの強化

足回りのカスタムは、後ろだけではありません。
フロントの正立フォークを強化する方向のカスタムも行われています。
純正フォークにハイパープロやKYBの強化スプリング、オーリンズのフォークキットを組む例があります。
正立フォーク車のW800は、こうしたアップグレードと相性が良いとされています。
外観のクラシックな印象を保ちながら、しなやかさと安定感を高められる点が支持されています。

カスタムの王道は「基本形を崩さない」こと

最後に、W800カスタムの基本的な考え方に触れておきます。
W800は純正のままでも、現代のバイクには少ない普遍的なスタイリングを持っています。
そのため足回りのカスタムも、基本形はそのままに、オーナーの体格や乗り方へ最適化していくのが王道とされています。
過度に走りへ振るのではなく、W800が持つ味わいを活かす方向が、このバイクには似合います。

足回りカスタムの段階内容
第1段階純正プリロードの5段階調整
第2段階社外リアショックへの交換
第3段階フロントフォークの強化
リアショック交換のポイント内容
作業性センタースタンドありで約30分
手順上下2本のボルトを外して入替
人気銘柄オーリンズS36(W650/W800/K3適合)
純正パーツの参考価格内容
純正リアサス1本16500円(オーナー購入報告)
入手先カワサキオンラインショップ等
カスタムの基本方針内容
王道基本形を崩さず体格・乗り方に最適化
方向性走りへの過度な振りより味わいを活かす
この章のまとめ
まず調整純正プリロード5段階でコストゼロ改善
交換の容易さセンタースタンドで約30分の作業
人気銘柄オーリンズなど複数メーカーが適合
王道の考え方基本形を活かし味わいを高める
引用元・参照元
ウェビック「KAWASAKI W800 OHLINS オーリンズ リアサスペンション インプレッション」
ウェビック「OHLINS リアサスペンション 適合情報(W650/W800/MEGURO K3 99-23)」
みんカラ「W800 リアサス交換/サスペンション関連 整備手帳」
バイク館SOX「ノスタルジックな雰囲気をそのままに。W800の理想的なカスタムとは?」
ナップス「オーリンズサスペンションの魅力と選び方」