【記事丸わかり】
⇒⇒【自動車保険】自動車保険の等級制度の仕組みと使用上の留意点を、初心者向けに解説 |
車の保険の等級について徹底解説しています。
新規加入するときの等級は?
事故で保険を使うといくつ等級は下がる?
無事故だといくつ等級は上がる?
事故で保険を使った場合の保険料(値段)はどのくらい変わる?
そもそも等級っていくつある?
このページでは車の保険の等級についてわかりやすく詳細に解説しています。
しばらくお付き合いいただけると幸いです。
「新規契約」について
車の保険(自動車保険・任意保険)に最初に加入する場合、ノンフリート等級は6等級あるいは7等級からスタートします。
いわゆる「新規契約」は6等級と7等級だけで、この2つの等級以外から始まることはありません。
ただ、車の保険の「新規」にはいろんな新規があるので、まずはこの点を整理しておきたいと思います。
わたしたちが初めて車の保険に加入する場合、これを「純新規」と呼びます。
6等級あるいは7等級から始まる「新規契約」はこの「純新規」になります。
「純新規」には、文字通り初めて保険契約するケースだけでなく、今まで契約していたけれど満期更改の手続きを忘れたためにいったん等級を切らしてしまい再度契約を結ぶケースも含まれます。
あるいは、何度も事故を起こして1等級になったために保険会社から引き受け拒否の扱いを受け、13ヶ月間無保険状態を続けた後に再度契約するケース、これも「純新規」に含まれます。※13ヶ月経過すると「悪い等級」はリセットされます
その一方で、今まで加入していた会社から乗り換えて新しい会社と契約する場合、これを「継続新規」あるいは「他社新規」と呼びます。
保険を他社に乗り換えた場合、その契約は、乗り換え先の会社にしてみれば新規の契約になるのですが、しかし、等級はそれまでの等級を引き継いで契約しているので「純新規」とは異なります。
そこで「継続新規」あるいは「他社新規」と呼ぶことで「純新規」と区別しているのです。
「新規契約」にはまだあります。
初めて車の保険に加入するケースで、同居の家族がすでに保険に加入していてその契約が11等級以上である場合、新たに加入する契約は6等級ではなく7等級からスタートできる制度があります。
これを「複数所有新規」と呼びます。※セカンドカー割引と呼ぶ会社もあります
先ほど6等級と7等級は「純新規」だと書きましたが、7等級は「純新規」でもあり「複数所有新規」でもあります。
※ここで取り上げた様々な「新規」についてみなさんがいちいち憶えておく必要はありません。ただ、最初に保険契約する場合は6等級か7等級になることだけを憶えておいていただきたいと思います
最初の等級は6等級か7等級
車の保険のノンフリート等級は1等級~20等級までありますが、最初に契約を結ぶ場合は6等級か7等級になります。
基本は6等級スタートですが、家族がすでに車を保有していてその車が11等級以上であれば新規でも7等級からスタートできます(複数所有新規orセカンドカー割引)。
いずれにしても、最初は6等級か7等級のいずれかです。
そして、新規契約の場合は、保険証券の「等級」の欄には、
「等級:6S」あるいは「等級:7S」
と数字の後に「S」が表示されます。
この「S」は新規契約を意味するSです。
このように「新規契約」であることがわかるように保険証券に表示するのはすべての保険会社共通のルールです。
なぜこのルールがあるかというと、たとえば新規契約したその年度の途中に、何らかの理由で他社に乗り換えることになった場合、ただ単に「6等級」あるいは「7等級」の表示では、乗り換え先の保険会社では保険料を計算できなくなるからです。
詳細は後ほど解説しますが、ノンフリート等級制度では、6等級と7等級の2つの等級に限り、新規契約と既契約では異なる割引率を採用しています。
そのため、6等級と7等級に限っては、それが新規契約か既契約か区別できるように表示しなければ困るのです。
だから共通のルールを設けています。
※新規契約は「等級:6S」あるいは「等級:7S」と表示されると書きましたが、より厳密には「等級:6S(事故有0年)」あるいは「等級:7S(事故有0年)」と表示されます。新規契約でも事故有期間は必ず表示されます。事故有期間に関しては後の項目で解説しています
「新規契約」は年齢条件別に割引率(割増率)が異なる
最初に保険契約をする場合は6S等級か7S等級のいずれかになります。
その際、いずれの等級でも年齢条件により割引率が変わってきます。
6S等級では次のようになります。
年齢条件 | 全年齢 | 21歳以上 | 26歳以上 | 30歳以上 |
6S等級 | 6A | 6B | 6C | 6E |
割増引率% | +28 | +3 | -9 | -9 |
アクサダイレクト「重要事項説明書の補足事項(P9)」
7S等級では次のようになります。
年齢条件 | 全年齢 | 21歳以上 | 26歳以上 | 30歳以上 |
7S等級 | 7A | 7B | 7C | 7E |
割増引率% | +11 | -11 | -40 | -40 |
アクサダイレクト「重要事項説明書の補足事項(P9)」
上記のように、6S等級でも7S等級でも年齢条件によって割引率(割増率)が違うことがおわかりかと思います。
なお、数字の後のアルファベットは、これも各社共通で、
|
となっています。
35歳以上を扱っている保険会社もあり、その場合は
|
となります。
また、貨物車等で年齢条件を適用しない場合は、
|
となり、これも各社共通です。
なお、これらA、B、C、E、G、Dのアルファベットに関しては、会社によって保険証券に表記するところと表記しないところがあります。
保険証券に表記しない会社でも、その会社の約款あるいは重要事項説明書を見れば、年齢条件によって割引率(割増率)を区別していることが明記してあります。
いずれにしても、重要なのは「その6等級あるいは7等級が新規契約であるか否か」がわかればいい事であって、年齢条件別のA、B、C・・・などのアルファベットが表記してなくても問題は生じません。
なぜなら新規契約であることさえわかれば、あとは年齢条件に応じて保険料を算出できるからです。
以上、新規契約の場合は6等級の場合も7等級の場合も既契約とは割引率が異なることをご説明しました。
そこで、既契約の6等級あるいは7等級の割引率を下記にご紹介します。
既契約の6等級と7等級には、新規契約と区別する意味で「F」が付きます。
この「F」はフラットと読みますが、何がフラットかと言うと、年齢条件に関係なく割引率が横一律(フラット)という意味です。
ノンフリート等級 | 事故有 | 無事故 |
20 | 44%割引 | 63%割引 |
19 | 42%割引 | 55%割引 |
18 | 40%割引 | 54%割引 |
17 | 38%割引 | 53%割引 |
16 | 36%割引 | 52%割引 |
15 | 33%割引 | 51%割引 |
14 | 31%割引 | 50%割引 |
13 | 29%割引 | 49%割引 |
12 | 27%割引 | 48%割引 |
11 | 25%割引 | 47%割引 |
10 | 23%割引 | 45%割引 |
9 | 22%割引 | 43%割引 |
8 | 21%割引 | 40%割引 |
7F | 20%割引 | 30%割引 |
6F | 19%割引 | |
5 | 13%割引 | |
4 | 2%割引 | |
3 | 12%割増 | |
2 | 28%割増 | |
1 | 64%割増 |
7等級(~20等級)は「事故有」と「無事故」の2系統の割引率に分かれていますが、これに関しては後ほど解説しています。
ここで見ていただきたいのは、たとえば、前年の5等級から無事故で1つアップして6等級になった場合は19%割引になることです。
また、前年の10等級から事故で3つダウンして7等級になり、「事故有」の割引が適用された場合は20%割引になることです。
いずれのケースも、新規契約で6等級あるいは7等級になった場合と割引率(割増率)が異なることがご確認いただけると思います。
等級の上がり方と下がり方
先ほどノンフリート等級を1等級~20等級まで一覧表でご覧いただきました。
わたしたちが最初に自動車保険に加入する場合は、6等級あるいは7等級からスタートします。
「ノンフリート等級は1~20までなのだから、どうしてキリよく1からスタートしないのか」
とツッコミが入りそうですが、これには理由があります。
事故で保険を使うと原則として3等級ダウンします。
もしも1等級からスタートして、事故で保険を使った場合、等級をダウンさせたくてもダウンさせる「余地」がないことになります。
そこで、等級ダウンの「余地」を確保するために6等級からのスタートとなっています。
新規契約で6等級からスタートし、1年間無事故で通すと、翌年度の契約は1つアップして7等級となります。※このときの7等級は7F等級です
以下同様で、無事故を続けると、1年ごとに1等級ずつ階段を上がっていきます。
ただし、等級アップは常に1等級単位です。
ノンフリート等級が一気に2等級とか3等級アップすることはありません。
ダウンするときは一気に3等級ダウンしたりしますが、アップは必ず1つずつです。
ノンフリート等級が20等級までたどり着いたら、そこで行き止まりになり、その後無事故が続いても20等級のまま変わりません。※全労済のマイカー共済は22等級までありますが、これは例外中の例外です
ノンフリート等級がアップすると割引率が高くなるので保険料は安くなります。 |
次に、ノンフリート等級がダウンするケースです。
事故で保険を使うとノンフリート等級がダウンします。
何等級ダウンするかは事故の内容により異なります。
車の保険では次の3種類の事故に分類されます。
| (翌年度3等級ダウンする) ・歩行者と接触して対人賠償保険を使った ・車に追突して対物賠償保険を使った ・電柱に激突して車両保険を使った |
| (翌年度1等級ダウンする) ・車が盗難にあい車両保険を使った ・コインで車に落書きされ車両保険を使った ・台風で車が水没し車両保険を使った |
| (翌年度1等級アップする)※無事故と同一の扱い ・信号待ちで追突され搭乗者傷害保険から支払いを受けた※相手の保険からは対物賠償・対人賠償の支払いを受けた ・バイク事故を起こしファミリーバイク特約から支払いを受けた |
ノンフリート等級がダウンすると割引率が低くなるので(3等級以下では割増になる)保険料は高くなります。 |
等級には「事故有」と「無事故」の2系統ある
すでにご紹介した等級表にあるように、ノンフリート等級は1等級~20等級まであり、そのうち7等級~20等級は2系統に分かれています。
等級が2系統に分かれている理由をお話します。
たとえば、現在等級が13等級のAさんが3等級ダウン事故を起こして保険を使った場合、翌年度の等級は10等級になります。
そこで次の表をご覧ください。
事故有 | 無事故 | |
10等級 | 23%割引 | 45%割引 |
同じ10等級なのですが、「事故有」は23%引き、「無事故」は45%引きとなっています。
今回10等級になったAさんには「事故有」23%割引が適用されます。
事故が有ったので「事故有」が適用されます。
割引になる数字が小さいということはより高い保険料になるということです。
このように事故で保険を使った契約に適用される割引率のことを「事故有係数」と呼びます。
いっぽう、無事故を続けている契約に適用される割引率のことを「無事故係数」と呼びます。
実は2012年10月まではこのように同じ等級に2つの割引率が並存するようなことはありませんでした。
しかし、現在のノンフリート等級制度では、事故で保険を使った結果として10等級になった人と、無事故で1つずつ等級の階段を昇ってきた結果として10等級になった人とを、同じ扱いにしては不公平だという理由から、このように割引率に差を付けています。
10等級の場合は、実に22ポイントも割引率に差が付いています。
事故で保険を使うと等級がダウンして保険料が高くなること自体は、2012年10月以前も以後もまったく同じです。
しかし、2012年10月以降は保険料の上がり方が極端になり、小損害の事故では保険を使いづらくなっています。
ここまでのご説明で、すでにお気づきの方もいらっしゃるでしょう。
さきほど、複数所有新規(セカンドカー割引)で7等級(7S)スタートする場合は、通常の7F等級とは違う年齢条件別の割増引が適用されると書きました。
年齢条件 | 全年齢 | 21歳以上 | 26歳以上 | 30歳以上 |
7S等級 | 7A | 7B | 7C | 7E |
割増引率% | +11 | -11 | -40 | -40 |
しかし、1等級~20等級までの等級表を見ると、今度は同じ7F等級が「事故有」と「無事故」の2系統の割引率に分かれています。
ノンフリート等級 | 事故有 | 無事故 |
20 | 44%割引 | 63%割引 |
19 | 42%割引 | 55%割引 |
18 | 40%割引 | 54%割引 |
17 | 38%割引 | 53%割引 |
16 | 36%割引 | 52%割引 |
15 | 33%割引 | 51%割引 |
14 | 31%割引 | 50%割引 |
13 | 29%割引 | 49%割引 |
12 | 27%割引 | 48%割引 |
11 | 25%割引 | 47%割引 |
10 | 23%割引 | 45%割引 |
9 | 22%割引 | 43%割引 |
8 | 21%割引 | 40%割引 |
7F | 20%割引 | 30%割引 |
6F | 19%割引 | |
5 | 13%割引 | |
4 | 2%割引 | |
3 | 12%割増 | |
2 | 28%割増 | |
1 | 64%割増 |
このように、1等級~20等級のうち「7等級」だけが3通りの割増引率を持つことになります。
実にややこしい話ですね。
「事故有」の等級には必ず「事故有期間」がつきまとう
前の項目の例を続けます。
ノンフリート等級が13等級だったAさんが、3等級ダウン事故で保険を使ったために翌年の保険が10等級にダウンした場合、事故有係数による割引率が適用されますが、それと同時に事故有期間(事故有係数適用期間)が3年付きます。
3等級ダウン事故では「3年」、1等級ダウン事故では「1年」の事故有期間が付きます。
保険証券にも下記のように記載されます。
上の画像では事故有期間は「0年」になっていますが、3等級ダウン事故で保険を使った場合の翌年の保険証券には「3年」と表示されます。※1等級ダウン事故なら「1年」と表示
この事故有期間というのは、「事故有係数による割引率を適用する期間」という意味です。
つまり、事故で保険を使うと2系統ある割引率のうちのより割引率の低い事故有係数を適用するけれど、永遠にそこに留まるのではなく、定められた期間を過ぎたら、また無事故係数に復帰できる、というわけです。
事故有期間 | |
3等級ダウン事故 | 3年 |
1等級ダウン事故 | 1年 |
もしも同じ年度に2度、3度と事故を起こして保険を使ったら、その分は事故有期間が加算されるのですが、事故有期間は最長6年で打ち止めになります。
そのため3等級ダウン事故で3回保険の支払いを受けた場合、事故有期間は9年ではなく6年になります。
※もっとも3等級ダウン事故を同じ年度に3回起こしたら、翌年度は「引き受け拒否」の扱いになる可能性大です
話を整理します。
ノンフリート等級が13等級だった人が3等級ダウン事故で保険を使うと、翌年の保険は10等級になります。
この10等級は、無事故で等級の階段を昇ってきた人の10等級とは割引率が異なり、より割引率の低い事故有係数が適用されます。
同時に、事故有期間が3年付きます。
3年間は事故有係数の割引率によってより高い保険料を支払うことになりますが、3年間無事故で過ごせば、4年目にはまた13等級に戻ります。
戻った13等級は、事故有期間の3年がリセットされているので、無事故係数による割引率が適用されます。
3等級ダウン事故で保険を使った場合 |
無事故で過ごせば4年後に元の保険料レベルに戻る |
1等級ダウン事故で保険を使った場合 |
無事故で過ごせば2年後に元の保険料レベルに戻る |
値段:事故で保険料はいくら上がる:1等級ダウン事故の計算例
1等級ダウン事故で保険を使った場合は翌年の保険料がいくら上がるのでしょう?
保険を使った場合をシミュレーションしてみたいと思います。
<計算条件> |
|
※実際の保険料算出には、年齢条件・料率クラスなども影響しますが、ここではイメージをつかんでいただくために簡略化しています
下の表の左側は、保険を使ったために11等級から1つダウンし、いったん10等級に戻ってからの保険料推移(2年間)です。
表の右側は、保険を使わずにいた場合のその後の保険料推移で、12等級から2年間の数字です。
値上がりする保険料の推移 | 保険を使わなかった場合の推移 | |||
経過年 | 等級 | 保険料 | 等級 | 保険料 |
1 | 事故有10等級 | 73,000 円 | 無事故12等級 | 49,000 円 |
2 | 無事故11等級 | 50,000円 | 無事故13等級 | 48,000円 |
123,000円 | 97,000円 |
上の保険料シミュレーションは、ソニー損保のホームページにある概算保険料ツールを利用して算出しています。
みなさんも、ご自分の条件を入力して、(あくまでも概算になりますが)保険料を算出してみてください。
大まかなイメージはつかめると思います。
※大きな事故を起こした場合は、嫌でも保険を使わざるを得ませんが、比較的少損害の事故の場合は、保険を使った場合と使わなかった場合でどのくらい保険料に違いが出るのかは切実な問題になります。そんな場合、上記計算ツールはかなり参考になると思います。
値段:事故で保険料はいくら上がる:3等級ダウン事故の計算例
3等級ダウン事故で保険を使った場合に翌年度の保険料がいくら上がるか。
1等級ダウン事故の場合と同じく、ソニー損保の概算保険料ツールで将来保険料をシミュレートしてみたいと思います。
<計算条件> |
|
※実際の保険料算出には、年齢条件・料率クラスなども影響しますが、ここではイメージをつかんでいただくために簡略化しています
下の表の左側は、保険を使ったために13等級から3つダウンし、いったん10等級にダウンしてからの保険料推移(4年間)です。
右側は、保険を使わずにいた場合のその後の保険料推移で、14等級から4年間の数字です。
値上がりする保険料の推移 | 保険を使わなかった場合の推移 | |||
経過年 | 等級 | 保険料 | 等級 | 保険料 |
1 | 事故有10等級 | 75,000 円 | 無事故14等級 | 49,000円 |
2 | 事故有11等級 | 74,000 円 | 無事故15等級 | 48,000円 |
3 | 事故有12等級 | 72,000円 | 無事故16等級 | 47,000円 |
4 | 無事故13等級 | 50,000円 | 無事故17等級 | 46,000円 |
271,000円 | 190,000円 |
みなさんも、ご自分の条件を入力して、(あくまでも概算になりますが)保険料を算出してみてください。
大まかなイメージはつかめると思います。
※大きな事故を起こした場合は、嫌でも保険を使わざるを得ませんが、比較的少損害の事故の場合は、保険を使った場合と使わなかった場合でどのくらい保険料に違いが出るのかは切実な問題になります。そんな場合、上記計算ツールはかなり参考になると思います。
最初の契約を結ぶ方へ「しばらく保険は使えません」
初めて車の保険に加入する場合はノンフリート6等級あるいは7等級からスタートします。
そこでこのことはぜひ頭に入れて置いていただきたいのですが、新規に保険契約を結んだ人は、数年間は保険は使えないものと思ってください。
保険を使うのは高額な賠償事故等を起こしたときだけで、それ以外は使えないものとお考えください。
と言うのも、たとえばノンフリート6等級で保険をスタートして、その年に3等級ダウン事故で保険を使うと、翌年度はノンフリート等級が3つダウンして3等級となります。
ノンフリート3等級は割引ではなく割増の等級です。
12%割増です。
5 | 13%割引 | |
4 | 2%割引 | |
3 | 12%割増 | |
2 | 28%割増 | |
1 | 64%割増 |
保険料が高くなることも問題ですが、それよりも等級の問題のほうが大きいです。
こうした状況に陥ることを保険業界では「リーチが掛かる」と表現することがあります。
次で終わりだ、という意味です。
つまり、ノンフリート3等級になって、もしもそこでまた3等級ダウン事故を起こした場合、そこからさらに3等級ダウンするのですが、1等級が打ち止めなので、次の契約は1等級になります。
3等級ダウン事故ではなく1等級ダウン事故を起こした場合は、次の契約は2等級になります。
通販型の保険会社でも代理店型の保険会社でも、1等級と2等級は、多くの場合「引き受け拒否」となります。
保険を引き受けてくれる会社が存在しなくなるのです。
その意味で言うのですが、初めて車の保険に加入して6等級(7等級)からスタートした人は、よほど大きな事故でない限り、加入している保険を使おうなどと思わないでください。
数年間はじっと辛抱しなければなりません。
ある程度等級が進んでいけば、たとえ3等級ダウン事故を2度起こしたとしても、なんとか契約してくれる保険会社は残っています。
しかし、ノンフリート6等級の時点では、1度3等級ダウン事故で保険を使っただけで「リーチが掛かる」のです。
まして3等級ダウン事故を2度起こしたら、どの保険会社とも契約できない状態に放り出されます。
初めて車の保険に入った人は、以上の理由から、数年間は保険は使えないものと考えるべきです。
あくまでも多額の賠償事故等が発生したときのための「お守り」であって、少損害の事故では使えないものとお考えください。
※新たに車を購入して最初の保険に加入して「車両保険」もしっかり付けた場合、「これで車をぶつけても保険があるから安心だ」とつい思いがちです。しかし、上記の理由から、保険は簡単には使えません。盗難や全損の事故であれば使わざるを得ないでしょうが、ちょっとぶつけた程度では実質的に「使えません」から、充分気をつけてください。
ご覧いただきありがとうございました。