トラックは荷台の高さ(地上高)の違いによって高床トラックと低床トラックに分かれます。
それぞれにメリット・デメリットがあります。
また全低床トラック、超低床トラックと呼ばれるものもありますが、これらについても解説しています。
高床トラックと低床トラックの違い
一般的に3軸トラックは高床であり、4軸トラックは低床です。
高床とか低床という場合は、それは荷物を積む部分の地上からの高さを表しています。
高床トラックは荷物部分が高い位置にあり、低床トラックは低い位置にあります。
両者の違いは主としてタイヤのサイズ(径)によります。
タイヤ径の大きなトラックは荷台の高さが高くなり、タイヤ径の小さなトラックは荷台の高さが低くなります。
走行性能やタイヤの耐久性、荷物の積み降ろしのしやすさなどに違いが出てきます。
日本の公道では最大3.8mまでの高さ制限があり、荷室の高さを確保するには荷台を下げるしか方法がありません。
低床トラックは荷室の体積を確保するために工夫された結果として出現した車両と言えます。
なお、低床トラックは、さらに全低床と超低床に分類されます。※詳細は後述します
高床トラックの特徴:メリットとデメリット
高床トラックはタイヤの径が大きく、そのため荷台の位置が高くなります。
荷室を含めた高さ制限は3.8mなので、前後左右の大きさが同じだとすると、低床トラックより高床トラックの方が積める荷物の量は少なくなります。
ただし、タイヤの径が大きいことによるメリットもあります。
以下、メリット・デメリットを列挙します。
(高床トラックのメリット)
タイヤの径が大きいので、路面からの突き上げや振動をタイヤが吸収してくれます。ドライバーの肉体的負担が軽減するだけでなく、積み荷がダメージを負うリスクも低下します。
大きなタイヤなので高速道路の走行や山道や未舗装路などの走破性も高くなります。
大口径のタイヤは小口径に比べ同じ距離を走った場合の回転数を抑えられ、これがタイヤの摩耗を少なくするだけでなく、燃費性能にも貢献します。また前後全てのタイヤの径が同じなのでスペアタイヤは1本だけで足ります。
(高床トラックのデメリット)
荷台の地上高が高いので作業性が劣ります。つまり、手作業での荷物の積み下ろしや荷台への乗り降りなどに手間がかかり、ドライバーの負担が大きくなります。
荷物の集積場が低床トラックに合わせている場合はプラットフォームと荷台の高さが合わず、やはり荷物の積み下ろしの作業性が悪くなる点もマイナス要素だと言えるでしょう。
ただし、フォークリフトやクレーンで荷物の積み下ろしを行う現場では問題ありませんが。
低床トラックの特徴:メリットとデメリット
低床トラックは4軸であることが多く、タイヤサイズが小さくて荷台の位置が低いのが特徴です。
以下、メリットとデメリットを御覧ください。
(低床トラックのメリット)
最大のメリットは、荷台の地上高が低いので作業性がいいことです。手作業での荷物の積み降ろしの際にドライバーの肉体的負担が軽減されます。荷台への乗り降りも楽です。
(低床トラックのデメリット)
荷台を低くするために開発されたのが低床トラックですが、そのためにはタイヤの径を小さくしなければなりません。タイヤ径が小さいので路面からの突き上げや振動が強く、ドライバーを疲労させるだけでなく荷物にダメージを与えるリスクも発生します。
また、タイヤ径が小さいということは1回転に要する長さが短くなるので、同じ距離を走っても口径の大きいタイヤより回転数が増え、結果としてタイヤの摩耗が激しくなり、燃費性能も劣ります。
低床トラック⇒全低床と超低床に分かれる
同じ「低床」のなかにも「全低床」と「超低床」があります。
全低床トラックとは、前後のタイヤサイズが同じところは低床トラックと同じですが、サイズは高床と低床の中間のサイズで、荷台の高さは高床トラックより低く低床トラックより高めになります。
超低床トラックとは、前のタイヤはほぼノーマルの径ですが後ろのタイヤを極端に径の小さなものにしたトラックです。これにより、荷台の位置を極端に低くすることが可能で、荷物の積み降ろしが非常に容易になります。
したがって、荷台の高さに順番をつけると、高い方から、
高床⇒全低床⇒低床⇒超低床
という順序になります。
下記の記事も参考になさってください。
ご覧頂きありがとうございました。