【引っ越しに伴う車関連の5つの手続き】
項目 | 手続き場所 | |
①免許証の住所変更 | ・警察署・免許センターなど | ⇒手続き |
②車庫証明の発行 | ・警察署 | ⇒手続き |
③車検証の住所変更 | ・陸運支局(登録車) ・軽自動車検査協会(軽自動車・2輪) | ⇒手続き |
④自動車保険(任意保険)の住所変更 | ・インターネット、代理店、営業店 | ⇒手続き |
⑤自賠責保険(強制保険)の住所変更 | ・代理店、営業店、郵送 | このページ |
引っ越しなどで住所が変わった場合、自動車関係では5つの手続きが必要になります。
そのうちの一つに、自賠責保険(強制保険)の手続きがあります。
ただ、自動車保険(任意保険)と違って自賠責保険(強制保険)の場合は、特に変更手続きをしなくても問題ないのでは、という意見が根強くあって、どうにも判断に迷うところではないでしょうか?
このページではこの点を掘り下げていきたいと思います。
【記事丸わかり】
⇒⇒引っ越したら自賠責保険の住所変更は必要になる? |
そもそも自賠責保険はどういう保険?
自賠責保険ですが、正式名は「自動車損害賠償責任保険」で、別名「強制保険」とも呼ばれ、登録車・軽自動車・2輪・原付などを運行する際に加入が義務付けられています。
登録車や軽自動車のように定期的な車検が義務付けられている車両の場合、車検検査の際に「車検期間をカバーする形で」加入する方式になっています。
さらに、保険料も加入時に全額一括前払いします。
そして、ここが重要なポイントですが、自賠責保険が紐付けられているのは「契約者」でもなければ「住所」でもなければ「登録ナンバー(ナンバープレートの番号)」でもなく「車台番号」なのです(登録車・軽自動車の場合)。
車台番号というのは、上の画像にも一部ありますが、「abcde-123456」などといった表記になっていて、これは世界に1つしかないシリアルナンバーです。
したがって保険会社側としては、このシリアルナンバーが付いた車両が事故にあった場合、事故発生時点の「契約者」・「住所」・「登録ナンバー(ナンバープレートの番号)」などにかかわりなく、この車台番号さえ契約時と一致していれば、保険金を支払う義務があります。
というのも、すでに書いたとおり、保険料は全額一括前払いされているからです。
その保険料を誰が支払ったのか、住所は、ナンバーは、あるいは事故時の運転者はといったことは、もはや関係ない問題です。
※なお、自賠責保険は事故相手と搭乗者への補償(人身補償)のみで対物補償は付いていません
※「車台番号」の記載のない自賠責契約もあり、この場合は住所その他の変更は重要な事項なので届け出が必要になります
住所変更やナンバー変更は必要か?
原付バイクのように車検がない車両の自賠責保険の場合は住所変更が必要です。
なぜなら、自賠責保険が満期を迎えても、住所変更がなされていないと、保険会社からの満期案内が旧住所に行ってしまうからです。
郵便局の転居・転送サービスは1年間のみなので、引っ越しから2年目以降に満期を迎える場合は、満期を知らずに過ごしてしまう可能性が高まります(自賠責保険は2年とか3年などの長期契約が多い)。
こうしたリスクが有るために、車検のない車両の自賠責保険はしっかり住所変更しておく必要があります。
一方で、車検が義務付けられている登録車や軽自動車、2輪の場合、車検時期=自賠責保険の満期というシステムになっています。
車検が近づけばディーラーや車屋さんから車検の案内が届くので、自賠責保険の有効期限切れの心配はまずありません。
そして引越し後に住所と登録番号(ナンバープレートの番号)が変わったとしても、前項で書きましたように、「車台番号」は何も変わっていませんから、いざ事故が発生したら、保険金は必ず支払われます(保険会社は支払う義務があります)。
もうすでに保険料は全額一括前払いされているのですから、支払わない理由はどこにもありません。
ただし、その保険金支払手続きの際、住所や登録番号は実態と異なっているので、まずそこを実態に合わせるための手続きをして、その上で、通常の保険金請求手続きに入る、というように一手間かかることは確かです。
ただ、大した手間ではありません。
書類一枚増えるだけのことです。
念の為、わたくしMr.乱視が損保ジャパン日本興亜のカスタマーセンターに電話しました。
その時の模様です。
(太字がカスタマーセンターのオペレーター)
「車の自賠責保険のことで電話しました。この度、A県からB県に引っ越しをして、住所と登録番号が変更になりました。この際、自賠責保険の変更届をしなければいけないでしょうか?」
「はい。変更届をお願いいたします。」
「ただですね、あと半年すると車検なんです。車検になれば、今まで入っていた自賠責保険は切れて、そこで新たに自賠責保険に加入すると思うんですけど、その際に新住所、新登録番号で加入すれば、それで問題ないのではありませんか?仮に、車検までの間に事故があっても、保険金はちゃんと出ると聞いたんですけど?」
「はい、保険金は出ると思います。ただ・・・あの、すみません、しばらくお待ちいただけますか?」
こう言ってオペーレーターは電話を保留状態にし、オルゴールのメロディーが流れ始めました。
2分ほど経ってオペレーターの声が戻りました。
「大変お待たせしました。あの、やはりですね、保険会社としましては・・・」
「もちろんわかっています。住所とナンバーが変わったんですから、変更届けをしたほうがいいのはわかっています。ただ、ネットや車屋さんの話では、車検の時にやれば問題ないと、みなさんそういう声が多いので、それでお電話しているんですけど・・・」
「そうですね。確かに問題ないと思いますけど、そこはですね、お客様のご判断におまかせしたいと思うのですが、はい。」
「それはそうですよね。保険会社としては何もしなくていいとは言えませんよね。わかりました。お手数をおかけしてすみませんでした。ありがとうございます。」
と、なにやら共犯者めいた淫靡な会話となってしまったのでした。
こういうわけで、引っ越しで住所が変わったり登録番号が変わった際の自賠責保険の住所変更等の手続きは、やったほうがいいけれど、やらなくても特に問題ない、という結論に至ったわけです(車検のある車両の場合)。
これを結論と言えるのかどうか疑問ですが、そういうことになります。
わたしも損保ジャパン日本興亜のオペーレーターさんの声をオウム返しにするのみです。
「お客様のご判断におまかせしたいと思うのですが」(ちょっとズルイですけど)
自賠責保険の住所変更その他変更手続き
では、まじめに変更届けをされる方のために、具体的な手続方法をご案内いたします。
<住所変更の手続き>
用意するもの | 説明 |
印鑑 | ・認印でOK |
自賠責保険証明書 | |
手続方法 | 説明 |
対面手続き(1) | ・保険会社営業店窓口 ・平日9時~17時 |
対面手続き(2) | ・代理店に連絡を取り自宅などに来てもらい手続きする |
郵送による手続き | ・保険会社のカスタマーセンターに電話し、変更内容を伝えると、必要な書類が送られてくるので、それに記入し返送する。後日、変更内容確認書が送られてくる |
<登録番号(ナンバープレートの番号)の変更手続き>
項目 | 説明 |
印鑑 | ・認印でOK |
自賠責保険証明書 | |
車検証 | ・登録番号変更後の車検証※車は変わらず登録番号だけが変更 |
手続方法 | 説明 |
対面手続き(1) | ・保険会社営業店窓口 ・平日9時~17時 |
対面手続き(2) | ・代理店に連絡を取り自宅などに来てもらい手続きする |
郵送による手続き | ・保険会社のカスタマーセンターに電話し、変更内容を伝えると、必要な書類が送られてくるので、それに記入し返送する。後日、変更内容確認書が送られてくる |
このページでは自賠責保険の住所変更について解説しました。
引っ越しでやるべき車関連の手続きは他に4つあります。
まだ手を付けていないものがありましたら、できるだけ早く手続きしていただきたいと思います。
【引っ越しに伴う車関連の5つの手続き】
項目 | 手続き場所 | |
①免許証の住所変更 | ・警察署・免許センターなど | ⇒手続き |
②車庫証明の発行 | ・警察署 | ⇒手続き |
③車検証の住所変更 | ・陸運支局(登録車) ・軽自動車検査協会(軽自動車・2輪) | ⇒手続き |
④自動車保険(任意保険)の住所変更 | ・インターネット、代理店、営業店 | ⇒手続き |
⑤自賠責保険(強制保険)の住所変更 | ・代理店、営業店、郵送 | このページ |