こちらの記事も読まれています
目次
【プチ調査】アイボンはやめたほうがいい?ゴミがすごい?汚れの正体を調査!
※トップ画像は小林製薬のアイボン(Amazon)
※この記事は病院の医師や薬剤師ではない一個人である私ミスター乱視が、インターネットの情報を収集・精査してまとめ上げた記事であり、その内容はあくまでも執筆者個人の見解によるものです。当然のことながら、記事内容は病院の医師による診断・治療行為ではありません。 |
「手を洗うように眼を洗う」
小林製薬のアイボンは、「第3類医薬品」に分類される洗眼薬です。
コンタクトレンズを常用している人や、花粉症に悩まされている人など、アイボンを愛用している人は相当数いらっしゃるようです。
そんなアイボンに関して、「あれはやめたほうがいい」とか「洗眼した液にゴミがすごいんだけど」とか「汚れた液の正体だが、実は・・・」などなど、日頃愛用している人にとって聞き捨てならない口コミがネット上を駆け巡っています。
悪い口コミほど目立ちますから、印象としては、アイボンはとんでもなく危険な製品で、一刻も早くやめたほうがいい、というようなイメージを抱く人もいらっしゃると思います。
でも、本当のところはどうなんでしょう?
アイボン使用者の製品レビューなどを参考にしたいところですが、アイボンは医薬品に分類される製品なので、アマゾンや楽天の製品レビューが禁止されています。
アマゾンのHPには下記の記述があります。
一般用医薬品については、カスタマーレビューを投稿することができません。
リンク:アマゾン「カスタマーレビューについて」
そこで、ヤフー知恵袋や個人のブログ、あるいは、眼科医のHPなどを私ミスター乱視がプチ調査した結果がこのページです。
すでにアイボンを日常的に使用している人、これからアイボンを使ってみようと考えている人は、このページをご覧になれば、アイボンはやめたほうがいい?ゴミがすごい?汚れの正体は?などの疑問が解決するはずです。 |
5分ほどの間お付き合いください。
小林製薬のアイボンはどんな製品?
まず、小林製薬のアイボンがどんな製品か簡単に見ておきたいと思います。
|
簡単に言うと、これだけです。
いや、簡単すぎるだろ、と言われそうですが、実際のところ、これだけです。
問題は、そうやって眼を洗浄した際に、カップの液にゴミや汚れが浮遊する点です。 |
これらの正体は何なのか、また、カップの洗浄液の成分そのものも疑問視されていて、本来洗い流してはいけない涙の成分まで過剰に取り去ってしまうのではないか、といった点に議論が集中しています。
洗浄液に浮遊するすごい汚れやゴミの正体はなんなのでしょう?本当にアイボンはやめたほうがいい製品なのでしょうか?
ゴミや汚れがすごいけれど、その正体は何?
ヤフー知恵袋や個人のブログなどには、アイボンを使用した際にカップの洗浄液中に浮遊する物体について、次のような口コミが数多く投稿されています。
|
こうしたコメントの発信者は、おそらく2つの疑問を抱いているのだと推測します。
1)たとえば、手を流水で洗う場合は、汚れが次々に流されていくからいいけれど、洗面器で洗った場合は、いったん手から汚れは落ちるけれど、落ちた汚れがいつまでも洗面器の中にとどまっているから、それがまた手についてしまうのではないか。アイボンにもこれと似た気持ち悪さがある。
2)そもそもアイボンの洗浄液の成分は、ゴミや汚れなどの眼に悪い成分だけを洗い流しているのか。それとも、本当は眼に必要な成分も眼から剥がしとったり溶かしたりしているのではないか。アイボンの容器に浮遊している油の膜みたいなもの、白いもやもやしたもの、糸のようなもの、黒いもの・・・こうしたものの正体は何なのか。剥がれ落ちて喜ぶべきものなのか、剥がしてはいけないものも混じっているのか。本当のところどうなのか。
たとえば、ヤフー知恵袋にはアイボンに関して数多くのQ&Aが展開されていますが、そのなかで一つのQ&Aが目にとまりました。
アイボンに関する典型的かつ象徴的なQ&Aなので、一部抜粋ではありますが、原文のままご紹介します。
Q:アイボンと検索したら「危険」ってでてきたんですが・・・いまつかってるので不安です・・コンタクトはずした後はなんにもしないほうがいんですか? A:元眼科スタッフです。アイボンですが、いますぐにでも使用をやめるべきです。コンタクトをはずした後になにかさしたい、目を洗いたいと思われるなら、「ソフトサンティア」という防腐剤無添加の目薬を何滴かさして不快感を無くせばいいと思います。 人の眼は涙におおわれています。 この涙の構造は表面から油層・涙液層・ムチン層となっております。涙液層がいわゆる水分であり、目を潤わせているところです。その水分が蒸発しないようにするのが油層です。アイボンをするとやたらめった汚い油が浮いていますが、それはこの油層のものです。もちろん、涙液層もごっそり奪われています。 (中略) つまり、「うわー汚い!」と思って見ているものは、実はドライアイを防ぐのにとても大切な成分なんです。 リンク:ヤフー知恵袋 |
※回答者のコメントの中に、防腐剤無添加のソフトサンティアを使うべき、という部分があり、あたかもアイボンは防腐剤を使用しているかのような記述になっています。しかし、アイボンの全製品は防腐剤不使用です。公平を期すために付記しておきます。
さて、ネットでプチ調査してみると、アイボンを巡って一見多種多様な議論が戦わされているように見えるのですが、実は、上記のQ&Aに全てが集約されていると言っても過言ではありません。
ネット上には、上記回答者とほぼ同様な意見が広く出回っているのが実情です。あとでご紹介しますが、眼科医のブログも全く同様です。
アイボン(小林製薬)からの反論
アイボンに関する様々なマイナスの口コミを意識してのことだと思いますが、小林製薬ではHPに以下のような記述を掲載しています。
|
リンク:「アイボンの特徴」(小林製薬)
また、Q&Aのなかで医師が次のように答えています。
洗眼と点眼の違い:目のトラブルは目の中の汚れだけでなく、目の周辺に花粉などのアレルゲンが付着してかゆみを伴うなどの症状が出る場合があります。点眼薬では、下まぶた内の汚れには届きますが、上まぶたの裏側に付着した汚れは洗い流しにくくなります。洗眼液なら、目をパチパチとさせることで、上まぶたの裏側にまで液が浸透して、入り込んだ汚れも洗い流せます。 どんなときに洗眼すればいいか:目に異物が入った時、目の疲れを感じた時、外出から帰った時など目を厳しい環境に置いた後が効果的です。やり過ぎは良くありませんが1日3回程度であれば、予防的に洗眼することも有効です。 洗眼時の注意事項:洗眼液のカップは清潔に保って下さい。カップの汚れを目に入れてしまっては逆効果です。目の周りの汚れを取ってから洗眼しましょう。女性はマスカラなどが入らないように気を付けましょう。また、気持ちいいからといってやり過ぎないように気を付けてください。 |
リンク:「洗眼Q&A」(小林製薬)
ここまで「アイボンはやめたほうがいい?ゴミがすごい?汚れの正体を調査!」をテーマにプチ調査の結果を解説してきましたが、引き続いて、次の章では、眼科医のブログではアイボンがどういう扱いをされているのかを見ていきたいと思います。
プロの意見です。
眼科の先生たちの意見
眼科の先生方の意見は以下の通りです。
<みのり眼科>(抜粋)
目のまわりには皮脂やフケをはじめとして、花粉やホコリ、アイメイクの残りなどが付着しやすく、これをそのままにしておくことでアレルギー性結膜炎や霰粒腫や麦粒腫、ドライアイなどの疾患を引き起こしたり、「まつ毛ダニ」とよばれるダニが繁殖したりすることもわかってきました。
アイボン等のカップに洗眼液を貯めて目の周り全てを洗うタイプの物は、必ず防腐剤フリーの物を選ぶ事とまず目のまわりをしっかり洗眼してから使用して下さい。そうしないとまぶたやまつ毛に付着している汚れが却って眼球表面についてしまうからです。
<華アイクリニック>(抜粋)
・・・時代は変わって、洗眼というのが見直されたのです。次の理由で目を洗ってはいけない。
目を洗うことによって、
- 目の表面の大切な成分(うるおい成分や免疫成分など)も洗い流されてしまう
- 細菌やアレルギーの原因となる成分が眼表面に付着しやすくなる
- 眼のまわりのまつ毛などについた汚れを逆に目に入れてしまう
といった事が起こるのです。
(中略)アイボンなどの洗浄液に入っている防腐剤や添加物は有害で、角膜を傷つけることもあります。だからダメ。
※アイボンに防腐剤は入っていません(筆者注)
<川本眼科>(抜粋)
最近は眼科では一般に洗眼はしません。ただし、目に異物が入ったときはとりあえず急いで洗い流すことは大事。(中略)
しかし、普段は目を洗ってはいけない。なぜなら、涙には栄養素や角膜を保護するもの、免疫成分などが含まれていて、洗眼するとこれらが洗い流されてしまう。
とはいえ、涙は常に分泌されているので、ちょっと洗眼したからと言って大きな問題にはならない。
洗眼剤(洗眼薬)の使用は、あまりおすすめしないが、1日1回程度なら大きな問題にはならない。
でもやり過ぎると、ムチンがはがれて涙が角膜に乗らなくなる。
上記のように、眼科医の先生の多くは、基本的に「アイボンはやめたほうがいい」という意見のようです。
ただし、川本先生のように、やり過ぎなければアイボンなどの洗眼薬は大きな問題にはならない、涙は常に分泌されているのだから、といった柔軟な意見もあります。
アイボンの「使用上の注意」「注意事項」
「アイボンはやめたほうがいい?ゴミがすごい?汚れの正体を調査!」をテーマにプチ調査の結果を解説していますが、ヤフー知恵袋や個人のブログや眼科医のブログなどで指摘されていることは、小林製薬では百も承知のようです。
アイボンの「使用上の注意」には下記のような記載があります。
1.次の人は使用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること (1)医師の治療を受けている人 (2)薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人 (3)次の症状のある人:はげしい目の痛み (4)眼球乾燥症候群(ドライアイ)の診断を受けた人 |
リンク:「使用上の注意」
さらに、アイボンの「注意事項」には下記の記載があります。
|
リンク:「注意事項」
上記のうち、特に「注意事項」の記載はすさまじいものがありますね。アイボンをディスる様々なコメントに対して、まるで受けて立つような記述の連続です。
これだけ詳細に注意喚起しておいて、それでも問題が生じるなら、それは使う人に問題があるのではないですか・・・とまでは立場上言えないでしょうが、そう言いたい気持ちが伝わってきます。
コンタクトが目の中で紛失した場合にアイボンが使える?
「コンタクトが目の中で紛失」というのは、コンタクトあるあるの上位にくる事柄です。
目の奥に移動してしまったのか?落としただけで、そもそも目に入っていないのではないか?とにかくコンタクトがどこかに消えてしまうのですね。
そんな時、アイボンは使えるのでしょうか?
アイボンの液の中で眼球をグリグリすれば、紛失したコンタクトが出てきそうな気もするけれど、実際のところどうなんでしょう?
この件に関して、ちょっと長くなるので、詳しい解説は下記のページでご覧ください。
結局、どのアイボンがおすすめ?
2022年8月現在、アイボンの製品ラインナップは、洗眼液7種、目薬1種です。
たくさん種類があるのも善し悪しです。だって、どれを選べばいいのかわからなくなるからです。
そこで、あなたにとってどのアイボンが最適か、おすすめポイントを解説したのが下記ページです。
まとめ
「アイボンはやめたほうがいい?ゴミがすごい?汚れの正体を調査!」をテーマにプチ調査の結果を解説してきました。
まとめると、次のようになると思います。
アイボンはやめた方がいいと主張する人の要点は、
- アイボンには防腐剤が入っているからダメ(実際にはアイボンは防腐剤フリーである)
- アイボンを使用すると洗浄液にゴミや汚れや油の膜や白い糸のようなものが浮遊する。これは睫毛についたマスカラとか、アイシャドウなどの化粧品、花粉、ほこりなどである。また、本来は眼を保護する役割をしている油層・涙液層・ムチン層から溶け出してしまった成分である。したがって、アイボンを使用すると眼を痛める結果となり、ドライアイなどになりやすい。
というもの。
一方で、アイボンを販売している小林製薬では、
- アイボンはドライアイ等で眼に疾患がある人は使用しないこと
- アイボンを使用する前は眼の周りの化粧や汚れを洗うこと
- アイボンは30秒以上使用しないこと
- アイボンは1日3回程度の使用にとどめること
などを「使用上の注意」や「注意事項」やHPに明記して注意を促しています。
すでにアイボンを常用している人、これからアイボンを使用するつもりでいる人は、このページで解説してきたプチ調査の結果を参考にして、アイボンをやめたほうがいいのか、使用しても問題ないのか、ご判断いただきたいと思います。
ご覧いただきありがとうございました。