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目次
【記事丸わかり】
⇒⇒医師がオススメ。花粉症が治らない人に絶対にやってもらいたい鼻うがい |
【プチ調査】鼻うがいに危険性?日本で死亡例?後から出てくるのは気持ち悪いですが。
※トップ画像はハナノア鼻うがい液(Amazon)
鼻うがいを使用したことはありますか?筆者はコロナ禍の予防目的で初めて使いましたが、思っていたより痛い思いをせずに簡単にできました。
しかし、ネットでは「耳から水が垂れてきた」、「鼻水が後から出てきて気持ち悪い」という体験談も。鼻うがいは間違った方法で使用した場合、さまざまな危険性があります。
この記事では、「鼻うがいに危険性はあるの?日本での死亡例は?」というテーマに基づき、鼻うがいを使用する際の注意点を解説します。
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といった疑問がある人は、ぜひ、参考にしてみてくださいね。
鼻うがいとは
鼻うがいとは鼻の中に水を入れて、ほこり、細菌、花粉などを洗い流す方法で、「鼻洗浄」とも呼ばれています。
鼻うがいの由来は?
鼻うがいは、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」がルーツとされています。ネイティポットの先端を鼻の穴に入れて、鼻腔内を洗浄、保湿する技法が古くから行われていました。
※、インドの伝統的医学である「アーユルヴェーダ」とは、瞑想やヨガ、オイルマッサージ、呼吸法などを毎日の生活に取り入れ、心と身体の健康を保つことを目的とした民間療法です。ユナニ医学、中国医学と共に3大伝統医学のひとつとされています。
鼻うがいのメリット
コロナ禍の予防目的に鼻うがいを取り入れている人も多いですよね。この章では、鼻うがいのメリットを解説します。
ホコリやウイルスを洗い流す
鼻うがいを行うことで、鼻をかむだけでは取り除けないホコリやウイルスをキレイに洗い流すことが可能です。また、風邪やインフルエンザ、コロナの予防として、鼻からのウイルスの侵入を防ぎます。
花粉症の症状を和らげる
日本人のおよそ4割の人が、花粉やハウスダストによるアレルギー性鼻炎だと言われています。花粉症は、鼻の粘膜に花粉が付着して起こるアレルギー反応です。
鼻毛や鼻粘膜に付着したアレルギー物質を洗い流すことで、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりの症状を緩和できます。
副鼻腔炎の症状緩和
副鼻腔炎は蓄膿症とも呼ばれ、風邪のウイルスやアレルギーによって引き起こされる副鼻腔粘膜の炎症です。
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このような症状が現れます。鼻うがいで鼻粘膜を洗い流して清潔な状態が維持できれば、副鼻腔炎の症状緩和につながります。
コロナ死亡率が1/8に減少したという調査報告も
- 米国オーガスタ大学では、COVID-19の陽性者を対象に1日2回鼻うがいを実施し、重症化や死亡化リスクが1/8になったという結果が報告されています。(参照:NeilMed)
認定NPO法人 日本病巣疾患研究会では鼻うがいを推奨
- 認定NPO法人である日本病巣疾患研究会では、「上咽頭に付着したコロナウイルスを鼻うがいで洗い流せば、感染率が防げる可能性が高い」として、鼻うがいの習慣化を推奨しています。(参照URL)
鼻うがいは危険性があるの?
鼻うがいは、正しいやり方で使用しないと危険性を伴います。こちらの章では、鼻うがいのさまざまな危険性について解説します。
中耳炎になる
鼻うがい中に唾液や洗浄水を飲みこんでしまうと、耳管と呼ばれる部分に水が流れ込み中耳炎を起こす可能性があります。
【中耳炎の症状】
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膿が増大すると鼓膜に穴が開き、耳垂れ(耳から膿が出る)こともあります。重度の中耳炎は治るまで1ヶ月、量が多いと3ヶ月ほどかかることもあるので、注意が必要です。
鼻の粘膜を傷つける
水道水をそのまま鼻に注入すると、鼻の粘膜が傷ついてしまいます。体液に近い生理食塩水を使用しましょう。
水道水を鼻うがいにそのまま使うのは危険性大!
水道水をそのまま使って鼻うがいをしている人は要注意!水道水による鼻うがいは、鼻の粘膜を傷つけるだけではなく、死亡事故も報告されています。
【海外での死亡例】
- 2011年、米ルイジアナ州で「ネティポット」と呼ばれる鼻洗浄器を使用後、アメーバ脳炎で死亡する事故が2件発生。(参照:Medical Tribune)
- 2019年、アメリカで慢性副鼻腔炎の症状を改善するため、鼻うがいをしていた69歳の女性がアメーバ性肉芽腫の髄膜脳炎によって死亡(参照:Forbes Japan)
これらの事故に共通しているのが、『水道水』を使用して鼻うがいをしていたこと。水道水には、細菌やアメーバなどの微生物がわずかに含まれています。
飲料として摂取する場合は問題ありませんが、アメーバが鼻に侵入した場合、神経を介して脳に感染する「アメーバ性髄膜脳炎」を発症します。
アメーバ性髄膜脳炎とは?
アメーバ性髄膜脳炎とは、アメーバの一種であるフォーラーネグレリアによって引き起こされ、死亡率97%の非常に危険な病気です。脳食いアメーバ、殺人アメーバとも呼ばれるほど怖い病原体。
汚染された温かい淡水で泳ぐと、鼻から脳に侵入すると言われています。アメーバ性髄膜脳炎は自己免疫力が弱い子どもや高齢者が、特に発症リスクが高くなる病気です。
日本での死亡例はあるの?
日本では、鼻うがいが原因の死亡例は確認されていません。しかし、鼻うがいではないものの、過去にはアメーバ性髄膜脳炎による死亡も報告されています。
【日本での死亡例】
1996年11月、佐賀県で25歳の女性がアメーバ性髄膜脳炎を発症し死亡。
この女性の感染ルートは判明されていませんが、確実に日本にもアメーバが存在することが分かります。そのため、水道水を鼻うがいにそのまま使う行為は、危険性が伴うので注意が必要です。
鼻うがいの正しい使い方
ここからは、実践編として鼻うがいの正しい使い方をご紹介します。
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顔を引いて片方ずつゆっくり洗う
あごを上げた状態で、鼻うがいをすると耳に洗浄液が流れ込み、中耳炎が起こる原因となります。あごを引いて頭を少し下げ、片方ずつゆっくり行いましょう。
声を出しながら水を流し込む
水を流し込むときは「あー」と声を出しながら水を出すと、耳の奥に洗浄液が流れにくくなります。
鼻を強くかまない
鼻うがいが終わった後は、鼻を強くかんではいけません。鼻を強くかむと、耳の鼓膜に圧がかかり、耳管から細菌を含んだ鼻水が中耳に送り込まれ、急性中耳炎を引き起こす場合があります。
鼻うがいをする時の注意点
鼻うがいをする時の注意点をまとめました。
水道水を使用する場合
鼻うがいは水道水をそのまま使用してはいけません。水道水に含まれる細菌によって、慢性副鼻腔炎やアメーバ性髄膜脳炎を引き起こす危険性があります。
水道水を使用する場合は、以下のような手順で生理食塩水を作りましょう。
【生理食塩水の作り方】
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ヒトの体液と同じ塩分濃度にすれば、鼻の粘膜を傷つけることなくしみる心配は少なくなります。
滅菌水または蒸留水と明記されている水を使う
水道水を使用するのが不安な方は、「滅菌水」、「蒸留水」と明記されている水を選びましょう。
滅菌水…点眼剤など医療器具の洗浄に使われる水 蒸留水…水を蒸留して無機塩類・有機物を取り除いた純水に近い水 |
初めて鼻うがいをする方は、洗浄液と鼻洗浄器がセットになった商品の購入がおすすめです。
水道の蛇口は常に清潔に保つ
意外に見逃してしまうのが蛇口の掃除。水道水の出口である蛇口や水洗、バルブ付近は細菌による汚染が広まりやすい場所です。
細菌の繁殖を防ぐには、消毒用エタノールが効果的。日常的に水道周りを清潔に保ちましょう。
鼻うがいの機器は必ず洗って乾燥させる
鼻うがい用の機器は、使用後そのまま放置せず、良く洗って乾燥させましょう。使用の前後には手洗いもしっかり行ってください。
鼻うがいの機器は家族で使ってもいいの?
鼻粘膜には、たくさんの雑菌やウイルスが付着しています。鼻うがいを家族で使いまわすと、風邪やインフルエンザの家族内感染が起こりやすいため、機器の共用は避けてください。
ボトルは個別に管理し、清潔な環境で保管しましょう。できれば、3ヶ月に一度は交換しておくと安心です。
小さなお子さんは何歳から使用できるの?
各社販売する鼻うがいの商品によって、使用対象年齢は異なります。
「サイナスリンス」のキッズ用鼻うがいは、4歳以上のお子様を対象にした商品です。お子様が使用する場合は、保護者が必ず立ち会うように注意書きがあります。
「ハナノア」の鼻うがいは、「15歳未満の小児には使用させないでください」、としています。小さな子供には洗浄機器が大きすぎる場合や、お子さまの気管や肺に水が入ってしまい呼吸困難になる恐れもあるので、対象年齢をよく確認してから使用しましょう。
自己判断で小さなお子様に鼻うがいをさせる行為はとても危険です。鼻づまりがひどい場合は、医師に相談しましょう。
鼻うがいは1日2回まで
鼻がすっきりするからといって1日に何度も鼻うがいを繰り返すと、鼻の粘膜を傷つけ逆効果になります。1日2回を目安に使用しましょう。
鼻粘膜に付着した細菌やウイルスを洗い流す「帰宅時」や、鼻の不快感を軽減する「起床時」、鼻呼吸を楽にさせて気持ちよく眠りたい人は「就寝前」がおすすめです。
禁忌疾患
鼻うがいの禁忌疾患の方は以下の通りです。
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持病がある方は、必ずかかりつけの医師の指示に従いましょう。
鼻水が後から出てくる場合の対処法
SNSでは以下のような体験談がありました。
【Twitterの声】
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このように、鼻水が後から出てくる人も多いようですね。
ハナクリーンの公式サイトでは、洗浄液が後から出てくる場合の対処法動画を公開しています。
後から出てくる液体が気になる場合は、前かがみになり頭をゆっくり左右に傾けると出やすくなります。
不快さもなくなり、鼻がスッキリしますよ。
まとめ
鼻うがいに危険性?日本での死亡例?について解説しました。鼻うがいは間違った方法で使用すると、中耳炎になる危険性が高く、海外では水道水によるアメーバ性髄膜脳炎による死亡例も報告されています。
日本では鼻うがいによる死亡例は報告されていませんが、水道水を使用する場合は沸騰したお湯で塩を混ぜた生理食塩水を冷ましてから使用しましょう。衛生面に気を付けて使用すれば、細菌やウイルスの感染症予防や花粉症緩和にも効果的です。
後から出てくる洗浄液が気になる方は、前かがみになって頭を左右に傾けると鼻の奥に残った液体が出やすくなります。鼻うがいが初めての方も、経験者の方も、今一度正しい方法や注意事項を確認して、鼻うがいの習慣を取り入れてみてくださいね!
ご覧いただきありがとうございます。
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