【記事丸わかり】
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自動車保険を他社に乗り換える場合、現在加入している保険会社あるいは代理店に連絡は必要でしょうか?
はい、連絡は必要です。
保険期間の途中で乗り換える場合は、途中解約の手続きがありますから、当然連絡は必要です。
また、満期で乗り換える場合は、事務手続きは特に必要ありませんが、しかし自動継続特約が付いていることがあるので、やはり連絡すべきです。
これまで入っていた保険が自動で継続されてしまったら、乗り換え先の保険とのあいだで2重契約となってしまいます。
いずれにしても、特別な事情がない限り、他社への乗り換えは満期をもって手続きするのがベストです。
このページでは自動車保険を他社に乗り換える際に今加入している保険会社に連絡を入れるべき理由について詳しく解説しています。しばらくお付き合いいただけると幸いです。
保険期間の途中で他社に乗り換える⇒必ず連絡が必要
現在加入している保険の満期前に他社に乗り換える場合、手続きは2つ必要になります。
まず現在加入している保険を途中解約する手続きです。
次に乗り換え先で行う加入手続きです。
したがって、満期前に他社に乗り換える場合は、保険会社への連絡は必ず必要になります。
満期をもって他社に乗り換える⇒やはり連絡すべき
自動車保険を他社に乗り換える場合、多くの場合、何かしら不満があるから乗り換えたいと思っているはずです。
「保険料が高い」「事故対応が悪い」といったところが乗り換えの2大要因だと思います。
そうしたことから、他社に乗り換える場合は、できれば保険会社や代理店と接触しないでいたいという気持ちを抱く方も多いでしょう。
保険期間の途中なら、解約手続きがあるので嫌でも連絡は必要になりますが、満期をもって乗り換えるなら、満期日でそのまま切れるのだから特に連絡は不要なのでは、とお考えの方もいらっしゃるはずです。
しかし、ほとんどの自動車保険には「自動継続特約」(名称は会社によって異なる)という特約が用意されています。
この特約は、全ての契約に自動付帯するタイプのものと、契約者が選択する形で任意付帯するタイプのものと、2つのタイプがあります。
みなさんがご自分の契約内容を完璧に把握していて、自分の契約には自動継続特約は付いていないことがわかっているのであれば、他社に乗り換える際に保険会社への連絡は不要です。
けれども、そんなパーフェクトな方はほとんどいません。
したがって、電話1本で済むことですから、満期を持って他社に乗り換える場合であっても、保険会社に「保険は継続しません」と連絡すべきです。
代理店型の保険に加入していて、代理店と接触したくない場合は、保険会社の支社・支店に連絡すればいいと思います。
なお、参考までに、主な保険会社の自動継続特約の内容を次にご紹介します。
各社の自動継続特約の内容
前の項目で、自動継続特約には2つのタイプがあって、それは自動付帯と任意付帯の2タイプだとお話しました。
しかし、実は、自動であれ任意であれ、いずれのタイプであっても、その自動継続の内容はまったく同じではありません。
ここでも2つのタイプに分かれます。
大別すると以下の2つのタイプに分かれます。
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つまり、①のタイプの自動継続特約では、契約者から保険会社に一切連絡が入らない場合でも契約が継続されます。
それに対して、②のタイプの自動継続特約は、満期日からおおむね30日間ほどの猶予期間を設けているだけで、そのあいだに契約者と連絡が取れずにいたら、30日を経過した時点で満期日にさかのぼって保険は失効することになります。
①のタイプは放置しておいても契約は更新されますが、②は放置しておくと30日経過した時点で切れます。
おなじ自動継続特約と言っても、こうした違いがあります。
下記に主な保険会社の自動継続特約についてまとめておきます。
みなさんが加入している保険会社があれば、内容をご確認ください。
ソニー損保 |
・自動継続特約は自動付帯 ・「保険期間の末日後1か月を経過した日までに直接当会社に継続契約の申込みを行うこと」が条件 ・2年続けて使えない ※団体扱いの契約に付帯する自動継続特約は放置しておいても継続される |
おとなの自動車保険(セゾン) |
・自動継続特約は自動付帯 ・「満期日の翌日から30日以内にご継続のお手続きをしていただくことにより」という条件付 ・2年続けて使えない |
チューリッヒ |
・自動継続特約は自動付帯 ・放置しておいてもそのまま継続される(ネット専用自動車保険の場合。スーパー自動車保険には自動更新特約はない) |
アクサダイレクト |
・自動継続特約は任意付帯 ・放置しておいてもそのまま継続される(任意で付帯した場合) |
三井ダイレクト |
・医療保険にはあるが自動車保険には自動継続特約はない |
イーデザイン損保 |
・「弊社では、『自動継続特約』等の自動的に保険契約が更新される特約は取り扱っていません」 |
SBI損保 |
・自動継続特約は自動付帯 ・「保険期間の末日の翌日から起算して30日以内に書面または通信により継続契約の申込みを行うこと」が条件 ・2年続けて使えない |
東京海上日動 |
・自動継続特約は任意付帯 ・トータルアシスト自動車保険に任意で付帯(「しっかり更新サポート特約」) ・放置しておいてもそのまま継続される(任意で付帯した場合) |
損保ジャパン日本興亜 |
・自動継続特約は自動付帯 ・THE クルマの保険に自動付帯(「安心更新サポート特約」) ・放置しておいてもそのまま継続される ・「安心更新サポート特約」とは別に「継続うっかり特約」がすべての自動車保険に自動付帯。「満期日の翌日から30日以内にお手続きいただくことにより」契約が更新される。ダブルで付いている場合は「安心更新サポート特約」が優先される |
三井住友海上 |
・自動継続特約は任意付帯 ・「自動的に継続した場合でもご契約条件等を確認させていただくため、ご連絡がとれ次第、取扱代理店とのお手続が必要になります」 |
あいおいニッセイ同和損保 |
・自動継続特約は任意付帯 ・タフ・クルマの保険に任意で付帯できる ・放置しておいてもそのまま継続される(任意で付帯した場合) |
結論:途中でも満期でも他社に乗り換えるときは連絡を入れて
前の項目で自動継続特約の内容をご覧いただきました。
保険のルールに沿って言うなら、放っておいても自動的に継続してしまうタイプの自動継続特約が付いているのでない限り、他社に乗り換える際は保険会社に連絡を入れる必要はありません。
けれども、実際的な話として、いちいち自分の保険の細かい内容を確認してから、連絡するしないの判断をするなんて、まったくもって面倒な話ですし、むだな労力です。
電話1本です。
今まで加入していた保険会社に電話1本入れれば済む話です。
自動継続特約が付いていてもいなくても、付いていたとしてその内容がどんな中身であっても、ある意味、どうでもいい話でしょう。
後で2重契約という面倒なことにならないように、念のために電話1本入れるくらい何でもないことだと思います。
このページのテーマである「保険会社への連絡」ですが、結論は一つです。
電話をかけて「保険は継続しません」と伝えてください。 |
※自動継続特約で、満期日から約30日以内に継続の意思表示があった場合に限り継続される、というタイプを採用している保険会社の場合には、契約者から「継続しません」という意思表示がないと、満期日を過ぎてから何度も意思確認の郵便物が送られてきます。
これは相当わずらわしいです。
郵便物が届くたびに、あれ、何か問題があったかな、と要らぬ心配をしたりするものです。
こうしたことを避けるためにも、連絡を入れていただきたいと思います。
ご覧いただきありがとうございました。