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【記事丸わかり】
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車検シールが届かない|「後で」と言われたがいつ届くの?
私たちが新車で車を購入した場合、納車日に車を取りに行くと(あるいはディーラーが自宅に届けてくれた際)、ダッシュボードの中には「車検証」が入っていて、フロントガラスの上部中央に「車検シール」が貼ってあります。
しかし、新車から3年目(乗用タイプの場合)の車検、あるいはそれ以後2年ごとにある車検の場合には、車検が終わった車に車検証と車検シールが備わっていないケースがあります。
たとえば、指定工場と呼ばれるディーラーや整備工場などに車検を依頼した場合、「車検が終わりましたよ」と連絡を受けて車を取りに行っても、その車には車検証と車検シールはなくて、その代わりに「保安基準適合標章」と呼ばれるステッカーがフロントガラスの上部中央に貼ってあることがあります。
そして、ディーラーの担当者などから、
「これは仮のシールです。このシールを貼っておけば本物の車検証と本物の車検シールが届くまでのあいだ15日間は公道を走れます。本物の車検証と本物の車検シールが出来上がったらまたご連絡します(あるいは、郵送でお届けします)」
といった内容の説明を受けるはずです。
これはつまりこういうことです。次の項目でご説明します。
民間車検場には車検証と車検シールの発行権がない
自動車の車検制度は国の管理下においてなされる制度であり、本来は車検の検査も車検証の発行も車検シールの発行もすべて国の管轄下にある施設が行う建前になっています。
しかし、あまりにも車の台数が多いために、「車検の検査」「車検証の発行」「車検シールの発行」の3つの業務の内の「車検の検査」に関する業務を民間に委託することになったのです。
国から「車検の検査」を委託されているのが、いわゆる民間車検場と呼ばれるところです。具体的には指定工場と呼ばれるディーラーや規模の大きめの整備工場です。
しかし、こうした指定工場は上記3つの業務のうちの「車検の検査」のみが任されているだけで、他の2つの業務「車検証の発行」と「車検シールの発行」は任されていません。この2つの業務は依然として国の管轄である各地の陸運支局が担っています。※軽自動車の場合は各地の軽自動車検査協会が担っている。
国はこの2つの権限を手放さないでいます。
そのため、私たちがディーラーなどに車検を依頼した場合、ディーラーではまず数台をまとめて検査し、数台分の検査が完了したところで、その数台分の車検証と保安基準適合証(車検が合格したことを証明する書類。ディーラーなどの指定工場が発行できる)を持って陸運支局に行き、そこで初めて本物の車検証と本物の車検シールを発行してもらうことになります。
その間、車検を依頼した私たちには車を戻すのですが、その時点ではまだ本物の車検証と本物の車検シールは発行されていないので、車検に合格していることを証明する仮の証明書である「保安基準適合標章」を本来車検シールを貼る位置に貼り付けて、その状態で15日間の猶予期間を得ているわけです。
「車検シールが届かない」のはどんなケース?
上記のように、車検が合格していることを証明する仮のシールである「保安基準適合標章」が付いたまま、本物の車検証と本物の車検シールが届くのを待っているにもかかわらず、いつになっても本物が郵送で届かない、あるいはディーラーなどから連絡が入らない、ということがあるとすれば、その原因として考えられるのは、ディーラー等が「忘れている」以外に考えられません。
なぜなら、「保安基準適合標章」が車に貼り付けてある時点で、車検の検査そのものは完了しているはずで、そのあとディーラー等がやらなければいけないこと、つまり、陸運支局に行って本物の車検証と本物の車検シールを発行してもらう手続き、これを怠っているか、あるいは、この手続きは済ませているけれども、車検の依頼者に車検証と車検シールが発行済みであることを連絡していない、と言うケースしか考えられません。
車検の仮シールの有効期限は15日間
いずれにしても、車検の仮の証明書である「保安基準適合標章」の有効期限は15日間です。
これを過ぎて公道を走行すると、50万円以下の罰金が科されます(道路運送車両法第109条)。
したがって、数日待ってもディーラー等から連絡がない、あるいは、送られてくるはずの車検証と車検シールが届かない、という場合には、こちらから車検をしてもらったディーラー等に問い合わせてください。
たとえ原因がディーラー等の「忘れ」にあったとしても、期限切れの「保安基準適合標章」で公道を走れば、その罰則はあなたに科されることになってしまいます。
とにかく、車を車検に出したら、最終的に下記の2つが備わっていないと法律違反になりますので、自己責任としてご注意いただきたいと思います。
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ご覧いただきありがとうございました。