ループレコーディングとは|ドライブレコーダーの録画方式
みなさんも一度は疑問に思ったことがあると思うのですが、ドライブレコーダーって、何時間録画できるのだろう?無限に録画できないとしたら、いちいちSDカードとか交換するんだろうか・・・?
現在販売されているドライブレコーダーのほぼ100%と言っていいと思いますが、録画方式はループレコーディング方式です。一般的には「ループ録画」と呼ばれています。
ループとはloop、つまり輪っかのことです。輪っかのようにまた同じところに戻って録画を続ける方式、これがループレコーディングです。
ドライブレコーダーの記録媒体にはmicroSDカードが使われることが多いですが、もしも8時間録画できるmicroSDカードを使っていたとして、ドライブが8時間経過したら、当然カードの記録容量はいっぱいになります。
しかし、そこで録画が終了してしまったら、その後に事故が発生した際に何も録画できないことになり、それでは何のためにドライブレコーダーを付けているのか意味がなくなってしまいます。
そこで、ループするのです。輪っかです。また最初のところに戻って、すでに録画されている記録の上に新しい録画を上書きしていきます。古い録画は順次消去されていきます。
このように、何度も何度も上書き消去を繰り返す録画方式のことを、ループレコーディングあるいはループ録画と呼びます。
では、事故の映像も上書き消去される?
みなさんの中には次のような疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。
「どんどん上書き消去されてしまうということは、事故の映像もいっしょに消去されるということ?」
実は、ドライブレコーダーは2系統の録画をします。
- 常時録画
- イベント録画
この2つです。
事故が発生すると、事故の衝撃をGセンサーが検知して、検知した瞬間とその前後の十数秒間を録画します。
そして、そこで録画した映像は、常時録画とは別ファイルで保存されます。ファイル名が違うのです。
ですから、常時録画の映像が常時録画専用領域一杯になると、順次上書き消去されていくけれども、それは常時録画専用のファイル名のデータが消去されるだけです。事故発生時のイベント録画のデータは別名のファイルに保存されていますから、消去されずに残ります。
だから、大丈夫です。
事故が発生したらmicroSDカードを引っこ抜いておくこと
ドライブレコーダーでは、常時録画のファイルとイベント録画のファイルは別名のファイルとして保存されます。
そして、常時録画のファイルがループレコーディング方式によって順次上書き消去されていっても、イベント録画に記録された事故の映像は消されずに残る、と書きました。
しかし、です。実は、イベント録画も録画方式はループレコーディング方式になっていて、もしも事故の映像がいくつもたまってくると、やはり、また最初に戻って古い映像の上に新しい映像が上書きされていきます。
そういう意味で、エベント録画の事故映像も永遠に保存され続けるものではありません。ただ、事故がそう何度も続けて発生することは普通ないので、たとえ常時録画が上書き消去されても、イベント録画は消されずに残りますよ、と言っているわけです。
けれども、これは実例ですが、こういうことがあったのです。
事故が発生し、車をレッカー車で修理工場に移動してもらったのですが、ドライブレコーダーにはmicroSDカードを付けたままでした。
あとで修理工場でドライブレコーダーの事故映像を確認しようとしたところ、いろいろ映ってはいたけれど、肝心の事故時の映像がないのです。
それは結局こういうことでした。ドライブレコーダーのイベント録画は、車が衝撃を受けた時に録画をします。時間にして十数秒間です。事故後にレッカーで車を移動している間、ドライブレコーダーのGセンサーは常時衝撃を受け続け、イベント録画は休みなく作動し続けていたのです。そのため、本当の事故の時の映像が、レッカー移動中に何度も録画された偽の事故録画に上書き消去されてしまったのです。なぜなら、イベント録画もループレコーディング方式になっているからです。
そこで結論です。
事故が発生したら、ドライブレコーダー本体からmicroSDカードを引っこ抜いてください!
これが最良の方法です。こうしておけば事故の映像が上書き消去されるリスクはゼロになります。
ただし、カードを抜く際は、ドライブレコーダーの電源を切ってからにしてください。通電中にカードを抜くと、データが破損したり、ドライブレコーダー本体が破損することもあります。この点だけはご注意ください。
他の記事も参考にしていただけると幸いでございます。
⇒⇒ドライブレコーダー|常時録画でSDカードに上書き|復元できる?
ご覧いただきありがとうございました。