車の暖房が臭い!吹き出し口から出るイヤな臭いの原因は?
車のエアコンから嫌な臭いが吹き出してくることは、冷房でも暖房でも多くの方が経験するところだと思います。
甘い臭い:冷却水漏れ
たとえば、冬の始まりに車の暖房を付けたところ、吹き出し口から、
- 薬品がかった甘いニオイ
が出てきた、という場合。
これは間違いなくエンジン冷却水の臭いです。ラジエーター液、つまり、LLC(ロングライフクーラント)が液漏れして、エンジンの熱で温められた際に発する特有の臭いです。
これはかなり緊急度の高いトラブルです。
エンジンの冷却水は、常時熱を発するエンジンが過熱しないように、エンジンの周りに血管のように張り巡らされています。多くのパイプやホース、そしてその継ぎ目を常時循環しているので、それらのいずれかにヒビや亀裂が入ると、そこから冷却水が漏れます。
そもそも車の暖房システムは、エンジンの熱で熱くなったこの冷却水を利用しています。だから、冷却水が漏れて、漏れた冷却水がエンジンの熱で蒸気になってエンジンルームに漂えば、当然、暖房の風に混じって車内に侵入してきます。
暖房の風に薬っぽくて甘い臭いが混じっていたら、すぐにプロの診断を受けてください。放置しておくとエンジンがオーバーヒートして動かなくなり、修理代は最悪の場合数十万円になります。
カビ臭いニオイ:エバポレーターの目詰まり
車のエアコンから出てくる風は、暖房でも冷房でも必ずエバポレーターという装置を通過してきます。
エバポレーターは熱交換器です。使えば使うほどゴミ、汚れ、カビが蓄積していく装置です。夏の冷房の使い始めや、冬の暖房の使い始めには、それまで蓄積していた不純物の臭いが一気に出てきます。
そうした臭いの中でも特にカビの臭いは強烈です。
強烈なカビの臭いがしたら、エバポレーターの洗浄または交換が必要です。
エバポレーターの洗浄には5,000円~12,000円ほどかかります。
エバポレーターの交換となると40,000円~60,000円が相場です。
これらは業者に依頼した場合の料金です。
車のメンテナンスに自信がある方でも、DIYでやるとなると、けっこう難易度が高いです。
私たち一般のユーザーにとって、現実的な対応としておすすめなのは消臭剤です。
バルサン方式の消臭剤で、エアコンを作動させた状態で洗浄剤から煙を出してエアコン内部に薬剤を行き渡らせるやり方です。
「カーエアコン スチーム消臭剤」で検索すると数え切れない製品がヒットします。1,000円以下でたくさん出回っています。
業者にエバポレーターの洗浄や交換を依頼する前に、とりあえず試してみる価値はあると思います。
エアコンフィルターからの臭い
暖房時のイヤな臭いの原因は、エバポレーターの他にもあります。それはエアコンフィルターです。ここにも様々な不純物が蓄積していて、暖房の使い初めなどにイヤな臭いを発する原因となります。
エアコンフィルターの交換費用は2,500円~6,000円が相場です。
エアコンフィルターの交換はDIYでも難易度はそれほど高くありません。自分で交換すれば部品代だけで済むので、上記金額の半額くらいでできると思います。
外気取り入れ口からの臭い
エアコンの外気取り入れ口は、フロントガラスの付け根にあって、多くは助手席側にあります。
ボンネットを開けると、フロントガラスの下にプラスチック製のスリットが入った蓋が付いています。これが外気取り入れ口です。
ここに落ち葉、虫の死骸、鳥のフン・・・といったものが堆積していることがあります。ちょうど家の雨どいに堆積するようなものがあります。
これがイヤな臭いの原因となることがあります。
外気取り入れ口は簡単に清掃できます。ただし、水洗いする際は内部に水が入らないように注意してください。
まとめ
車の暖房からイヤな臭いがする場合、原因は主に4つあります。
- 冷却水漏れ
- エバポレーターの目詰まり
- エアコンフィルターの目詰まり
- 外気取り入れ口の目詰まり
上記4点以外にも、車内に蓄積した臭いが内気循環で増幅されるケースも考えられますが、いずれにしても、①の冷却水漏れだけは即座の対応が必要です。放置するとオーバーヒートを起こしますから。
下記の記事も参考にしていただけると幸いです。
⇒⇒車のエアコンの酸っぱいニオイ・カビ臭いにおい|原因と対策|消臭剤・フィルター交換
⇒⇒車の暖房を早く効かせる方法は?温まるのが遅いんですが・・・
⇒⇒エアエレメント(エアフィルター)とエアコンフィルターの違い
ご覧頂きありがとうございました。