【超丁寧解説】社用車のドライブレコーダーはプライバシー侵害か|映像・音声・GPS

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【記事丸わかり】

  • 社用車や営業車にドライブレコーダーを装着することが一般的になっていますが、社員からのプライバシー侵害に対する懸念があります。
  • 会社のドライブレコーダーには、走行経路のリアルタイム表示、映像録画、音声録音、急ハンドル・急停止・急発進・速度超過の記録機能が備わっています。
  • 映像・音声は常時記録されるタイプが多く、エンジンがかかっている間は常に記録され続けます。
  • 会社の立場からは、社用車の使用時間はすべて業務時間であるため、その内容を記録・管理することに問題はありません。
  • 会社がドライブレコーダーを設置する主な目的は、ドライバーの安全性向上、行動把握によるムダ削減、走行ルートの見直しによるコスト改善、管理者の負担軽減などです。
  • 会社が得たデータを上記目的のために利用することは適法ですが、「目的外使用」になると違法となる可能性があります。
  • 例えば、浮気相手との会話を録音してそれを配偶者に伝えることは違法です。一方、横領事件の証拠として利用することは違法とならない場合があります。
  • 音声録音の説明がない場合もありますが、知らなかったことが違法とはみなされません。
  • 映像、音声、GPS記録などを会社が社員の職務上の行動を監視すること自体には違法性はなく、目的外使用のみが問題となります。
  • 本来の目的から逸脱していても、記録内容が反社会的であれば違法とはなりません。

⇒⇒社用車のドラレコを上司がチェック!私監視されてる!コレってアリ?ナシ?

会社の車である社用車や営業車にドライブレコーダーが装着されている風景はごく普通のものになりつつあります。

それでも依然として社員の立場から漏れてくる不満は、「プライバシーの侵害ではないのか」という声です。

わたしは法律家ではないので最終的な判断は弁護士等にご相談いただくとして、このページではネットで収集した事例を元に「答え」をご紹介したい思います。

社用車・営業車に付けられたドライブレコーダーは何を記録しているのか?

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会社によっては、社用車・営業車に一般の個人が付けるドライブレコーダーと同じ機種を付けるケースもありますが、多くの場合はそうした個人向けのものとは違うタイプのドライブレコーダーを付けます。

会社が使用するドライブレコーダーには、一般的に、下記のような機能が備わっています。

  • 走行経路がリアルタイムで会社のパソコンに表示される※GPSと通信機能を利用
  • 映像の録画※室内カメラで室内を録画する機種もある
  • 音声の録音※ほぼすべての機種に音声録音機能は標準装備
  • 急ハンドル・急停止・急発進・速度超過などの記録※加速度センサーとGPSで検知

映像・音声の記録に関しては、一部機種で一定の衝撃を検知した場合にのみその前後10数秒を記録するタイプのもの(衝撃記録)がありますが、現在の大多数の機種は、そうした衝撃記録と常時記録を併せ持つタイプのものが主流です。

常時記録の場合、エンジンがかかっている間じゅう映像と音声を記録し続けます。

会社の労務管理の立場からすると、営業車で自宅に直帰することが認められている一部のケースを除けば、会社の車を使用している以上はそのすべての時間が「業務時間」であるから、その内容を記録・管理することに何の問題もない、ということになります。

原則、プライバシーの侵害に当たらない

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会社が社用車・営業車にドライブレコーダーを設置するのは労務管理の一環です。

目的として考えられるのは以下のような項目です。

  • ドライバーの安全性向上
  • ドライバーの行動把握によるムダの削減
  • 走行ルートの見直しによるコスト改善
  • 管理者の負担軽減
  • 日報自動作成機能によるドライバーの負担軽減※すべての機種に備わる機能ではありません

通常、会社がドライブレコーダーを導入する場合は、社員に上記のような目的を説明します。

会社がドライブレコーダーから得られたデータを上記目的のために利用することは完全な適法であり、法的問題は起こりえません。

しかし、たとえば次のようなケースは「目的外使用」とみなされ、違法となる可能性があります。

車内の音声記録にドライバーが浮気相手と思われる人物とスマホで会話する音声が録音されていた。日頃からこのドライバーとソリが合わなかった労務管理担当者が、この音声をドライバーの配偶者に送り不倫関係の発覚につながった。

その一方で、「目的外使用」ではあるけれども、違法とはならない次のようなケースもあります。

2人体制で同乗している社用車内で、過去に会社の金を横領した際の会話が交わされた。この会社では事実4ヶ月前に横領事件が発覚していて、事件内容と2人の会話内容が一致していたため、ドライブレコーダーに録音されたこの2人の会話が証拠となり、2人は逮捕された。

会社がドライブレコーダーを導入する際、映像記録のことは説明するけれども音声も録音されることを説明しないケースはしばしばあるようです。

これは、知っていながら説明しないケースもあるでしょうが、担当者がそもそも音声まで録音される事を知らないケースもあるようです。

これは社員の側にも言えることで、音声記録のことなど念頭にないせいで、上司の悪口を言ったり、上記事例のように不適切な関係の相手との会話を平気でしてしまったりするケースが出てきます。

音声も記録されることを社員に説明しないことはもちろん不適切ではありますが、知らせなかったことが違法となることはないようです。

いずれにしても、映像にしても音声にしても、あるいはGPSによる走行ルートの記録にしても、会社が社員の職務上の行動を監視することに違法性はなく、あくまでも、本来の使用目的とは異なる利用をした場合にのみ違法性が問われるということです。

そして、たとえ本来の使用目的からは逸脱していても、記録された内容が明らかに反社会的で法律に反するものであれば、違法とはみなされないことになります。

社用車のドライブレコーダーに関するtwitter上の声

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ご覧いただきありがとうございました。