【記事丸わかり】
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暖冬傾向が強くなっているとは言え、北海道・東北・北陸などは日本の他の地域に比べて積雪の量が多いことで知られています。
また、これらの地域以外にも、日本列島の各地には意外と知られていない冬の寒さが厳しい地域も点在しています。
そうした地域を走る車は温暖な地域の車より雪や寒さに対してより手厚い装備がないと快適に車を使用できません。
バッテリーを強化したり、室内のヒーターを強化したり、ワイパーブレードを強化したり、様々な対策が必要になります。
このように雪や寒さに対して普通仕様車をよりグレードアップさせた車のことを寒冷地仕様車と呼びます。
基本的に寒冷地仕様車はほぼすべての車種に用意されています。
車のカタログを見れば、軽自動車から四輪駆動の高級車まで「普通仕様車」と「寒冷地仕様車」の価格が別立てで掲載されているのが普通です。
ただし、同じ寒冷地仕様と言っても、簡易的な装備をつけただけのものと、本格的な装備をフルに搭載しているものとの違いがあって、本格装備の寒冷地仕様車は車両価格もそれなりに高くなります。
寒冷地仕様車は文字通り寒冷地に適した装備があるところがメリットですが、新車購入価格が高くなるところがデメリットです。
しかし、購入時は高いのですが売却する際の買取価格は逆に低く抑えられる傾向にあり、これもデメリットと言えます。
雪道を走行することが多い寒冷地仕様車は、常時融雪剤にさらされているために車の下回りが錆びやすいので、これが中古車価格を押し下げる要因になっています。
寒冷地仕様とは:標準仕様車との違い
車のカタログを見ると、最後の方のページに「主要諸元」があって、そこに車の様々な装備が記載されていますが、その中に「寒冷地仕様」などという文言が見られます。
また、価格の表記には「標準仕様価格」と「寒冷地仕様価格(または北海道地区価格)」といった記載があります。
基本的に、ほぼすべての車種に寒冷地仕様は用意されています。
価格は寒冷地仕様のほうが高いです。
なぜ価格が高いかと言うと、標準仕様より強化した部分のパーツにお金がかかっているからです。
バッテリー、ワイパーブレード、オルタネーター(発電機)、フォグランプ、エンジンアンダーカバー、ドアミラーヒーターといった車を雪道や寒い地域で使用する際のトラブルを未然に防ぐ装備が搭載されています。
ただし、一口に寒冷地仕様と言っても、強化したバッテリーとその他ちょっとだけ手を加えただけの簡易的な寒冷地仕様の車もあれば、北極や南極でも走れるような本格的な装備を備えた車もあって、必ずしもひとくくりにはできないところもあります。
寒冷地仕様車の装備事例
寒冷地仕様車と言っても実際には幅が広いのですが、下記に寒冷地仕様の装備を列挙しました。こうした装備のほとんどが付いている車種もあれば、これらのほんの一部のみの車種もあり、それが価格にも反映されています。
- 強化バッテリーを搭載し酷寒の地でのエンジン始動に対応している
- オルタネーター(ダイナモ)の容量を増やしバッテリーの充電容量を常に安定させている
- 寒さに強い強化型のスターターモーターを採用している
- ワイパーブレードを吹雪にも耐える強化型にし、駆動モーターを強化、またワイパー自体に電熱線を装備している
- 雪道走行でディファレンシャルギアに雪が付着するのを避けるスノープロテクターを採用
- 吹雪の中の走行でも周囲から視認しやすい強化型フォクランプを採用
- 氷点下でエンジン周辺の不具合を防ぐエンジンアンダーカバーを採用
- ドアのシール部分の素材に凍結に強い強化素材を使用
- ドアミラーにヒーターを装備
- 外装ペイントをサビに強い特殊コーティングで被覆している
- リアウインドーの凍結防止装備であるリアデフォッガーを強化
- ラジエーター冷却水の濃度を上げて凍結防止性能を上げている
- 車の下回りに防錆処理を施し融雪剤によるサビ対策をしている
- シートヒーターが付いている車種の能力を強化している
- 室内暖房の能力を強化している
高級車の場合、上記装備の多くは、特に寒冷地仕様をうたっていなくても最初から装備されているケースがあります。
デメリット
寒冷地仕様の車のデメリットは価格が高くなることです。
新車購入価格は高くなるのですが、車を売却する際の売却価格(買取価格)は標準仕様車に比べて低く抑えられる傾向にあります。
それは、主として雪道に撒かれる融雪剤により車の下回りにサビが発生しやすく、マフラーを始めとして部品交換にお金がかかることが多く、中古車購入者から敬遠されるからです。
下記の記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。