不凍液は車の冷却水として使用されていますし、暖房ヒーターにも広く使われています。
また、寒冷地の公衆トイレや別荘のトイレなど冬場に閉鎖する際に容器の破損を防止するために不凍液を使用することもあります。
不凍液は原液で販売されていて、使用する際に水で希釈して濃度を変えることで凍結温度を調節することができます。
多くの不凍液には毒性のあるエチレングリコールが成分として含まれているので、河川や排水口に捨てるのはNGであり、プリンターインクや乾電池などと同じように、販売店などに廃棄を依頼する必要があります。
交換時期ですが、車の不凍液の場合、以前の不凍液(LLC)は2年~3年が交換時期でしたが、現在はスーパーLLCが開発され10年前後交換不要になっています。
不凍液とは?
水は冷却されて氷になると体積が膨張します。
車のラジエーターや暖房ヒーターなどに水道水を使用すると、夏場はいいのですが冬場に凍結して容器を内側から破壊してしまいます。
そこで、冬場にも凍結しない水が必要になり、開発されたのが不凍液です。
使い方
不凍液は原液で販売されていて、使用する地域や用途によって濃度を変えて使用します。
水で希釈して濃度を変えるのですが、寒冷地では濃度を濃くし使用し、それほど寒くならない地域では濃度を薄くして使用します。
日頃からスポーツ走行をする機会が多いユーザーのなかには、夏場は濃度を意図的に薄くして、これによりエンジンの冷却性能を高める、といった使い方をする人もいます。
成分
不凍液の成分として代表的なものがエチレングリコールで、常温では粘り気があり、無色です。
ニオイに関しては、車のラジエーターから液漏れしたりすると、熱せられて水蒸気を出しつつ甘いニオイを発するので、このニオイから液漏れがすぐに発覚します。
エチレングリコール自体は無色ですが、水と区別するために着色されていて、赤・緑・青・ピンク・黄などが一般的です。
色は他との誤用を避けることが目的なので、性能別に色分けされているのではありません。
なお、自動車のラジエーター冷却水として使用される不凍液の成分は、凍結防止剤のエチレングリコールの他に、錆による腐食を防止するための防錆剤(防食剤)、冷却効率を高める消泡剤なども配合されています。
使用濃度
不凍液は、自動車用ではロングライフクーラント(LLC)の名で販売されています。近年では更に耐久性を高めたスーパーロングライフクーラント(スーパーLLC)が主流になりつつあります。
製品は原液なので、使用する際に水道水で希釈して使用します。
希釈の割合により凍結温度を調節することができ、濃度と温度の関係は以下を目安にしてください。
希釈濃度 | 凍結温度 |
30% | -15℃ |
40% | -25℃ |
50% | -35℃ |
上記は目安であり、正確な希釈濃度と温度の関係は各製品の使用方法を参照してください。
毒性と処分法
不凍液の成分には凍結防止剤としてエチレングリコールが使用されていますが、この物質は消防法により下記のように規定されています。
危険物 第4類第3石油類 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律 D類物質 |
これにより、排水口や河川に投棄することは禁止されています。
たとえば、車のラジエーター冷却水を自分で交換する場合は、ドレンから排出した不凍液をポリ缶などに貯め、これを不凍液を購入した店舗などに持ち込んで処分してもらってください。
ちょうど、乾電池やプリンターインクの処分と同様のやり方です。
なお、すべての不凍液にエチレングリコールが使用されているわけではなく、毒性のないグリセリンを使用している不凍液もあり、この場合は通常の処分で問題ありません。
交換時期
車の不凍液を例に取ると、以前はほとんどの車種でロングライフクーラント(LLC)が使用されていて、交換時期は2年~3年だったので、ちょうど車検のタイミングで交換するのが通例でした。
しかし、現在は多くのメーカーが新車にスーパーロングライフクーラント(スーパーLLC)を使用していて、これは10年前後使用できるので、多くのユーザーは一度も不凍液を交換しないまま車を手放すことになります。
もう少し厳密な話をすると、トヨタが採用している不凍液の名称がスーパーロングライフクーラント(スーパーLLC)と呼ばれていて、色はピンク色、交換時期は7年16万キロです。
ホンダはウルトラeクーラントの名称で、色は青色、寿命は11年20万キロです。
マツダやその他のメーカーも順次耐久性の高い不凍液を採用しつつあります。
いずれのメーカの場合も、旧タイプと新タイプは混ぜて使用してはダメで、新タイプに入れ替える場合は旧タイプを全部抜いてから使用しないと不具合が発生する恐れがあります。
下記の記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。