【3分記事】ポペットバルブ(ポペット弁)とは|構造・役割・特徴|吸排気用のバルブのことです。

ポペットバルブ・とは・ポペット弁・構造・仕組み・役割・特徴

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画像:Wikipedia

ポペットバルブ(ポペット弁)とは:構造・役割・特徴

ポペットバルブ(ポペット弁)とは、自動車やバイクのエンジンで吸排気バルブに使用されているバルブの形式名です。

バルブ(弁)は流体をせき止めたり流したりする役割がありますが、その際、「弁体が弁座シート面から直角方向に移動する形式のバルブ」これがポペットバルブ(ポペット弁)の定義です。

自動車やバイクのエンジンでは、吸気バルブも排気バルブも弁を開けるときはカムシャフトなどで弁を押し付けて開け、閉じる時はバルブのステム(棒)に巻き付けてあるスプリングの元に戻る力に頼っています。

ポペットバルブ(ポペット弁)はガソリン2ストロークエンジンを除くほとんどすべてのレシプロエンジンに使用されています。※レシプロエンジンとは、ピストンの往復運動で出力を発生するエンジンの総称です

弁の位置は、シリンダーヘッドの吸気ポートと排気ポートです。

一般的に、ポペットバルブ(ポペット弁)は鋼鉄などの金属で製造されます。しかし、高出力エンジンでは素材に軽量なチタンを使うこともあります。これはポペットバルブ(ポペット弁)の慣性質量を減らすためで、高回転時の追従性を高めるためです。

ポペットバルブ(ポペット弁)は、当初は、1シリンダーあたり吸気用と排気用として、それぞれ1本ずつ用いられていました。

それぞれ1本だけなので、吸排気効率を向上させるためには、弁の外径を大きくする必要があったのですが、大きくすると、今度は弁の慣性質量が増えて高回転時の追従性が悪化してしまいます。OHVやSOHCが主流の時代には、こうした点がポペットバルブ(ポペット弁)に関して苦労したところでした。

その後、いっそのこと1シリンダーあたり吸気バルブも排気バルブも複数個に増やせばいいじゃないか、というマルチバルブという技術的流れが生まれました。

その結果登場したのが、DOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)などの新技術です。

マルチバルブの技術により、下記のような様々な吸排気バルブの組み合わせが生まれました。

(※)下記は、いずれも1シリンダーあたりのバルブ数です。

  • 吸気バルブ2個・排気バルブ1個(3バルブ)
  • 吸気バルブ2個・排気バルブ2個(4バルブ)
  • 吸気バルブ3個・排気バルブ2個(5バルブ)

なお、これまでで1シリンダーあたりのバルブ数が最も多いエンジンは、ホンダのバイクであるホンダNRです。

何と、1シリンダーあたり吸気バルブ4個・排気バルブ4個の合計8個もあります。つまり、4気筒なら32バルブあります。わたしは実物を拝んだことはありませんが、恐らく、NRのエンジン音はバルブの音だらけなんだろうと思います。いや忙しいのなんの・・・高回転ではホンダミュージックと呼ぶしかない響きになるのでは、と想像するだけで楽しくなります。

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