【記事丸わかり】
⇒⇒借りた車で交通事故!適切な対応は?保険は使える? |
自分の車は自動車保険に入っているから運転を友人に交代してもらっても大丈夫、あるいは、車を貸し借りしても大丈夫などと思っている人は(たぶん)いないと思います。
はい、そうなんです。
わたしたちが自動車保険に加入する際は、普通、運転者の範囲を限定します。
範囲を限定しないで誰でも運転できる設定にすると保険料がものすごく高くなるからです。
だから年齢条件や運転者限定によって範囲を狭めて保険料を節約するわけです。
ただし、事情によってしょっちゅう車を貸し借りしたり運転を交代してもらう機会が多い人もいるでしょう。
そこで、このページでは運転を交代したり車を貸し借りしても問題ない保険の契約方法について解説しています。
また、たとえ保険は問題なかったとしても、いったん事故を起こすと様々なトラブルを招くこともくわしくご説明したいと思います。
「車を貸し借り」したり「運転を交代」してもらってもOKなやり方とは?
わたしたちが自動車保険の契約をする場合、通常、どこの誰が運転して事故を起こしても問題なく保険金が下りるような設定で加入する人はまずいません。
そのような設定は可能ですが、しかし、保険料が吊り上るからです。
具体例で見ていきたいと思います。
「年齢を問わず補償」+「運転者限定なし」
年齢条件と運転者限定を上記のように設定すれば、自分の家族はもちろん家族以外の友人・知人など、日本全国で運転免許証を持っている人ならどこの誰が運転してもOKです。
わたしたちが自動車保険の契約をする場合は、上記のような最も運転者の範囲が広い設定から自分の現状に合わせて範囲を絞り込んでいきます。
どのように絞り込んでいくかというと、たとえば、家族で車を運転する人が3人であり、また、その3人のなかで一番年齢が低い人が27歳であったら、なにも「年齢を問わず補償」にする必要はありません。
「26歳以上補償」でOKです。
そして、同居の家族以外の親族・友人・知人などが運転する機会が多い場合は、運転者限定を「運転者限定なし」にします。
つまり、
「26歳以上補償」+「運転者限定なし」
とします。
この設定にしておけば、あなたの家族は全員運転OKですし、家族以外の親族・友人・知人など誰が運転して事故を起こしても問題なく保険金が支払われます。
友人と乗り合わせてドライブに出かけ、途中で友人と運転を交代してもOKです。
知人にあなたの車を貸してその知人が事故を起こしても保険金が下ります。
もしも友人が友人の車の自動車保険の設定をあなたと同じような内容にしていれば、あなたが友人の車を借りて事故を起こしても保険金が下ります。
「ちょっと待った!」とここでツッコミが入りそうですね。「上の<26歳以上補償+運転者限定なし>の設定で家族全員がOKなのはわかる。だけど、家族以外の人が誰でも運転できるというのは納得できない。だって「26歳以上」なんだからもしも20歳の友人が運転して事故を起こしたら保険金が下りるはずがない。その設定はおかしい。」
いいえ、おかしくはありません。
これは全ての保険会社共通の規定ですが、「26歳以上補償」+「運転者限定なし」で設定した場合、「26歳以上」という年齢条件が適用されるのは同居の家族だけです。
同居の家族以外の人は何歳であっても運転可能です。
上の例は「26歳以上補償」でしたが、他の年齢でも同じです。
「21歳以上補償」+「運転者限定なし」
「30歳以上補償」+「運転者限定なし」
「35歳以上補償」+「運転者限定なし」
などの設定でも、年齢条件が適用されるのは同居の家族だけで、同居の家族以外の別居の親族・友人・知人は年齢条件の制限は受けずに何歳であっても運転できます。
したがって、結論です。
運転を交代したり車を貸し借りしたりして事故が起こってもちゃんと保険金がおりる設定方法は以下のとおりです。
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上記①②の設定により、いつ誰が運転しても問題ない自動車保険になります。
(※)車を貸し借りする場合、「貸し」の場合は上記設定でOKですが、あなたが友人等の車を「借り」て運転する場合は、その友人等の自動車保険が上記①②のような設定になっていないと運転不可です。
繰り返しますが、上記の規定は全ての保険会社共通のルールです。
ここでは参考として三井ダイレクトの規定をご紹介します。
三井ダイレクトの規定 | |||||||||
(※)記名被保険者とは契約車両を主に運転する人のことです。 (※)別居の未婚の子の「未婚」とは、いまだ婚姻歴がないことをいい、離婚や死別によって現在独身の人は含みません。
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上記の三井ダイレクトの規定は他の全ての保険会社に共通の内容です。
ただし、1社のみ例外があります。
それはこくみん共済coop(全労済)のマイカー共済の規定です。
なお、年齢条件の区分にしても運転者限定の区分にしても、保険会社によって微妙に異なっています。
たとえば「35歳以上補償」がない会社もありますし、「家族限定」がない会社もあります。
詳しい内容は下記のページをご覧ください。
他車運転特約を使う方法もある
前の項目の話は、自分の車の保険内容を誰が運転してもOKなように設定しておく、というものでした。
しかし、別の方法もあります。
どの会社の自動車保険にも「他車運転特約(他車運転危険補償特約)」という特約が自動セットされています。
これは「他人の車」を「臨時に」運転して事故を起こした際に、自分の車に付けている任意保険を使える特約です。
友人・知人と連れ立ってキャンプに出かけ、帰りに友人に運転を代わってもらう場合、友人の立場に立つと、まさに「他人の車」を「臨時に」運転することになります。
この友人が事故を起こしたら、友人自身が自分の車に加入している自動車保険を使う、これが「他車運転特約(他車運転危険補償特約)」です。
当然のことならが、この特約が使えるのは友人が自動車保険に加入している場合だけです。
もしも友人自身が加入している自動車保険がなかったら、次の項目でご紹介する1日自動車保険(1day保険・ちょいのり保険)」を利用する方法もあります。
1日自動車保険(1day保険・ちょいのり保険)」という選択肢もある
1日自動車保険(1day保険・ちょいのり保険など)」に加入するという方法もあります。
ある意味、これが最もトラブルを招かない方法だと思います。
保険料も最低限の負担で済みます。
あなたの車をあなたに代わって交代で運転する人が1日自動車保険に加入していれば、もしも事故が発生してもあなたの保険は無傷のままです。
交代して運転した人が加入している1日自動車保険から保険金が下ります。
また、あなたの車を知人に貸した場合、その知人が1日自動車保険に加入して運転すれば、たとえ事故を起こしてもあなたの自動車保険を使わずに済みます。
逆に、あなたが知人の車を借りて運転する場合は、あなたはすでに自動車保険に加入しているのですから、もしも事故を起こしたら、あなたの自動車保険に自動セットされている他社運転特約を使うことができます。
いずれにしても、どうしても止むを得ない事情でない限り、自分の車を他人に運転させたり、自分が他人の車を運転したりすることは避けるべきだと思います。
事故が起きてしまったら、人間関係が必ず壊れますから。
家族以外で運転を交代したり車の貸し借りしたりするのはトラブルを招くだけ
当サイトの運営者である私(ミスター乱視)の意見を言わせていただくと、そもそも自分の車の保険内容を他人が運転してもOKなようにしておくこと自体がトラブルの元凶だと思っています。
自分の車を他人が運転して事故を起こし、自分の保険を使った場合、自分の保険は翌年度3等級ダウンし事故有期間が3年付きます。
それに伴い保険料も跳ね上がります。
かりに事故を起こした友人が跳ね上がった保険料分を負担したとします。
けれども、等級は3等級下がったままですし事故有期間も3年が付いたままです。
そんな折に、後日自分自身が事故を起こして保険を使えば、等級はさらに3つ落ち事故有期間も3年が追加されます。
つまり、6等級ダウンし事故有期間6年ということなります。
こうなると、回復するには丸6年かかり、7年目にやっと元の等級・事故有期間に回復するのです。
こういう事態を招くので、結果として、運転を代わってもらった友人との人間関係は必ず壊れます。
友人は申し訳ないという罪悪感を持ち続けますし、こちらはいいよ気にしないでと思いつつ実害が出ていることに対してモヤモヤした気持ちが残り続け、その結果、人間関係には例外なく必ずヒビが入ります。※例外なく必ず、です
したがって、車を他人に貸すなどという行為はよほど止むを得ない事情がない限り決してやってはいけないことだと私は思います。
逆に、何らかの事情で他人の車を運転して事故を起こしてしまったら、その車の所有者の保険などアテにしないで自分が加入している保険の「他車運転特約(他車運転危険補償特約)」を利用してください。
もしも自分が加入している自動車保険がなかったら、1日自動車保険(1day保険・ちょいのり保険)」を利用してください。
スキー、マリンスポーツなどの帰りは体がぐったりしてつい運転を代わってもらいたいことがあるものです。
もしもぐったり疲れて、それでもその日のうちに運転して帰らなければならないときは、一番値段の高いユンケルを飲んであなた自身が運転して帰ってください。
ユンケルは高いけれど事故でトラブルになるよりずっと安上がりです。
ご覧いただきありがとうございました。