鉄やアルミのホイールにゴムのタイヤが付いた状態そのままにタイヤ交換をする場合、最終的にタイヤとボディーを結合させるにはホイールナットを強く締め付けます。
その際、適正なトルク値があって、それを「締め付けトルク」または「規定トルク」と呼びます。
車種により、あるいはホイールによって適正な数値が定められています。
適正値より強く締めすぎたり、反対に弱すぎたりすると、脱輪などの様々なトラブルが発生します。
決められた締め付けトルク(規定トルク)でホイールナットを締め付けるにはトルクレンチを使うのがベストです。
十字レンチやインパクトレンチはあくまでも補助的に使うべきです。
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適正トルク値の調べ方
タイヤ交換時のホイールナットの締め付けトルク(規定トルク)は車やホイールにより適正な値が定められています。
純正品の場合なら車の取扱説明書に記載されています。
社外品ならディーラーかホイールメーカーに問い合わせると教えてくれます。
自動車メーカーによっては車種別の適正トルク値を一覧表にしてホームページで公開しているところもあります。
単位
適正なトルク値を表す単位は、N・m(ニュートン・メートル)またはkgf・m(キログラム・メートル)という単位です。
たとえば、
90~110N・m(9~11kgf・m)
というように表記されます。
一般的な適正トルク値
厳密なトルク値は取扱説明書等で確認するとして、ここでは一般的な数値をご紹介します。参考になさってください。
普通乗用車:90~110N・m(9~11kgf・m)
軽自動車:70~90N・m(7~9kgf・m)
工具について
タイヤ交換でホイールナットを締め付ける工具としては、主に3つあります。
- 十字レンチ
- インパクトレンチ
- トルクレンチ
十字レンチは文字通り十字の形をした手動工具です。インパクトレンチは電動のレンチです。トルクレンチは手動のレンチですが指定したトルク値まで締め付けたらそれ以上は締め付けない構造になっています。※プロ用の電動トルクレンチもあります
最終的に規定のトルク値で締め付けるにはトルクレンチを使います。
十字レンチやインパクトレンチは最終段階の手前までに補助的に使うべきで、最後にきっちり規定トルクに合わせるのはトルクレンチの役目です。
逆に言うと、最後の仕上げ以前の段階でトルクレンチを使用することは避けるべきです。壊れます。
ホイールナットの締め付け方法
ホイールナットは規定のトルク値まで一本ずつ締め上げていくのはNGです。
締め付け強度が偏らないように各ナットを均等に締め付けるようにしなければなりません。
まず、4つ穴あるいは6つ穴の場合なら対角線ごとに最後の締め上げを残した状態でホイールナットを取り付けていきます。
5つ穴なら星をひと筆書きする順番でホイールナットを取り付けていきます。
その際に使用する工具は十字レンチやインパクトレンチを使用します。
最後に規定トルク(締め付けトルク)で仕上げる段階でトルクレンチを使用します。
いったん仕上げたら、車をしばらく走らせてください。それからまたトルクレンチで増し締めをして、そこで完了です。
緩すぎたり締めすぎたりすると・・・
決められた締め付けトルク(規定トルク)を守らないとトラブルを招きます。
緩すぎると、高速走行などでタイヤが外れることもあり、大事故につながることもあります。
締めすぎるとネジ山を破壊してしまい、交換費用が発生し、思わぬ出費となってしまいます。
出費だけならまだましで、やはり走行中にタイヤが外れることもありえます。
DIYの自信がなければ業者さんにお任せしたほうが安心・安全かもしれません。
ご覧頂きありがとうございました。