【プチ調査】光岡自動車って恥ずかしい?誰が買うの?

光岡自動車・恥ずかしい・誰が買う

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光岡自動車って恥ずかしい?誰が買うの?

※トップ画像は光岡自動車のロックスター by Wikipedia

レプリカ車あるいはパイクカーなどの製造会社として有名な光岡自動車は、まさに知る人ぞ知るという会社で、少なくとも車に興味のある人でこの会社の車を見かけたことがないという人はほぼ絶対にいないと言っていいのではないでしょうか。

代表的な車としては、ビュート、ガリュー、ヒミコ、オロチ、ロックスター、バディなどがあります。

【2022年10月9日追記】⇒⇒光岡バディの最新情報(一部改良)

光岡自動車の特徴は、ごく一部に車台から自社で製造して型式認証を取得している車もありますが(ゼロワンとオロチ)、私たちが知っている光岡の車のほとんどは、いわゆるレプリカ車です。

たとえば日産マーチの主要構造部をそっくりそのまま使用して、ボディーパネル部分だけを光岡自動車が製造したものを被せた車であるビュートがあります。

The frontview of Mitsuoka K13 Viewt 12ST.JPGビュート CC0, リンクby Wikipedia

その他、日産ティアナをベースにしたガリュー(5代目)、マツダロードスターをベースにしたヒミコ、同じくマツダロードスターをベースにしたロックスター、トヨタRAV4をベースにしたバディなどがあります。

こうした光岡自動車の車を間近で見ると、おうおうにしてハリボテ感を禁じえず、いかにもという感じの取って付けた感を感じ取る人も多いようです。

具体的な声として以下のようなものがあります。

  • これは痛車の部類ですね。誰が買うのでしょう?
  • とにかくベース車に比べて価格はかなり高いのに質感がチープです。デザインが個性的だと言えないこともないけれど、彼氏が乗っていたら恥ずかしいと思いますね。
  • この種の車ばかり作ってないでエンジンやシャシーから丸ごと作るぐらいの心意気が欲しい。
  • こうまでして目立ちたい人がいるのでしょうか?いったい誰が買う車なのでしょう?
  • 申し訳ないけれど、私は恥ずかしいと思います。同じように感じている人もけっこういるはずで、高いお金で購入して人から恥ずかしいと思われたらもう散々です。

いやはや、もう言いたい放題ですね。

そこまで言われる筋合いはないと思うのですが、まあ、言うのは自由です。

この種の車趣味は実はすそ野が広い

世の中には光岡自動車のレプリカ路線に対して上記のような受け止め方をする皆さんが一定数いることは確かです。

ところが、その一方で、これを熱い視線で支持する皆さんもまた少なからず存在するのですね。

そもそもパイクカーというのは大手の自動車会社も時々思い出したように生産・販売してきている歴史があります。

日産自動車は、初代マーチをベースにしたBe-1(1987年)とパオ(1989年)とフィガロ(1991年)を立て続けに世に送り出し、バブル経済真っただ中の自動車ファンを大いに熱狂させました。これらのパイクカーで程度のいい車両は今でも中古車市場で高値で取引されています。※カタツムリをイメージしたエスカルゴも1989年発売でした

Nissan FigaRo.jpg
フィガロ, CC 表示-継承 3.0, リンク,by Wikipedia

トヨタは1990年にスターレットをベースにしたセラという車を発売したのですが、何とドアの開閉がガルウイング方式でした。ドア以外はまったくどうでもいいような車でしたが、最近とんでもない金額で中古車サイトに掲載されていておったまげました。

Toyota Sera AMI.JPG
セラ, CC 表示-継承 3.0, リンク,by Wikipedia

さらにトヨタは松下電器(現パナソニック)などとWILLプロジェクトという新たな価値観やライフスタイルを提案する試みの一環として、2000年に「Vi」を、2001年に「VS」を、2002年に「CYPHA(サイファ)」を立て続けに発売しました。残念ながらこれらの車種は日産のパイクカーほどのインパクトはありませんでしたが、一定の反響は確かにありました。私も「ヘンな車だなあ」と思ったことをよく覚えています。

Toyota WiLL Vi 002.JPG
WILL Vi, CC 表示-継承 3.0, リンク,by Wikipedia

以上はパイクカーですが、これ以外に「カスタムカー」というジャンルがいわば車好きの王道として広く根付いていることは皆さんご存じの通り。

カスタムカーもピンキリで、前後をエアロバンパーに交換する程度のカスタムもあれば、ほとんど原形をとどめないまったく別の車に変身するカスタムもあります。

カーセンサーを覗くと、私の大好きなトヨタMR-Sが見たこともない外観にすっかり入れ替わり、しかも当時の新車価格の2倍ほどの金額で掲載されていたりします。

本屋さんに行けばカスタムカー専用の自動車雑誌もにぎわっていて、オーナーさんご自慢の愛車写真が鮮明な画像でめいめい主張しているのですが、こうしたカスタムカーの実例を見ていると、「光岡自動車の潜在的ファンがまさにここにいる!」と思わずにいられなくなります。

光岡さんがやっているようなことは、規模の大小はあるにせよ、一部ではあるけれどごく少数とは言えないけっこうな数の自動車ファンがすでに日常的にみんなやっていることなのです。

車をいじりたくてたまらない人が一定数必ず存在するということです。

こういう皆さんにとって、たとえば光岡自動車のロックスターを街で見かけて「恥ずかしい」と感じるでしょうか?

とんでもない。

「うおおおっ!!」

と伊勢エビみたいに身をのけぞらせて注目するに決まっているじゃありませんか。

Mitsuoka Rockstar (5BA-ND5RC tuned) rear.jpg
ロックスター, CC 表示-継承 4.0, リンク,by Wikipedia

あんな車誰が買うのかって?

人と違った車が好きなごく普通の人、あなたや私と同じそのへんの自動車ファンが買うに決まっています。

特別で特殊な人が買うのではありません。

世の中には、アクアと並んで販売台数のトップを競ってきたプリウスを購入し、人と違う車に仕立てようと、まずはホイールとタイヤをド派手なものに交換し、エアロパーツをふんだんに取り付け、電飾関係を保安基準違反にならない範囲であちこちに取り付け(たぶん違反している)、もうパッと見はプリウスか何かわからないほどに変身を遂げた車両に乗っている人を時々見かけます。

「そんなに人と違った車にしたいのなら、そもそも街中にあふれているプリウスをわざわざ買わなくてもいいのに」

と私など思ってしまうのですが、そういう感想もまた陳腐なのですね。

基本は人と同じで、でも違いを出したいという気持ち。

この方にとってはプリウスじゃないとダメなんです。

光岡自動車のロックスターなどはまさにこれと同類でしょう。

運転すれば正真正銘マツダのロードスターなのです。

でも、見た目が違う。※全然違う

ここが大事。

けっこうとんでもない外観なのに中身は一流メーカーの車という安心感

すでにご紹介した光岡自動車に対する厳しいご意見の中に、

「この種の車ばかり作ってないでエンジンやシャシーから丸ごと作るぐらいの心意気が欲しい。」

というものがありました。

確かに、そういう車づくりをするところがあってもいいかもしれません。

でも、光岡自動車もゼロワンでは国土交通省から型式指定を得ていて、しかもこのゼロワンは、光岡自動車がホンダ以来の国内10番目の自動車メーカーとなる記念すべき車でしたが、年々厳しさを増す安全基準への適合や環境性能への対応などがあって、「エンジンやシャシーから丸ごと作る」ことは小さな会社では物理的に困難なのです。

光岡自動車はレプリカ車の製造だけで年間500台がマックスだと、販売企画課課長の笠原勝義氏がベストカーWebのインタビューで答えています。

そもそも光岡自動車は次の3つの部門に分かれていて、レプリカ車製造の「開発車事業」の売り上げは全体の7.5%の規模なのです。

  • 開発車事業:7.5%
  • 正規輸入車ディーラー事業:48%
  • ブブ中古車事業:44.5%

2020年12月期のグループ全体の売上高は278億円なので、開発車事業部門の売り上げは20.85億円(7.5%)ということになります。

これでは「エンジンやシャシーから丸ごと作る」のは実質的に無理でしょう。

無理して新型車を製造するより、一流メーカーの既存の車をベース車としてレプリカを作る方が、安心・安全で故障が少なく、部品供給も安定していて、購入者も不安なく長く乗れるというものです。

光岡自動車のホームページのQ&Aには次のような記載があります。

Q:メンテナンスは大丈夫ですか?

A:ベースとなる車輌の機関部分には国産大手自動車メーカーの物をそのまま使用しておりますので、販売店はもちろん、お近くの整備工場でも十分対応可能となっております。

これなら購入者も安心です。

【2022年10月9日追記】光岡バディの最新情報(一部改良)

画像:光岡自動車

トヨタのRAV4をベース車とした光岡自動車初のSUVであるバディが一部改良されました(2022年10月7日より発売)。

そもそも光岡バディのデビューは2021年6月でしたが、先行予約として2020年11月26日から受付を開始したところ、ファンの反響がすさまじく、光岡自動車は当初の生産台数を大幅に上回る生産体制に移行しています。

とはいえ、大量生産は無理ですから、たとえば2022年10月の今注文したとすると、納期は1年半~2年先となるようです。

今回の改良で追加されたのは下記の通り。

  • デジタルインナーミラーに録画機能追加
  • ディスプレイオーディオ・マルチインフォメーションディスプレイの大型化
  • ETC2.0・フルセグTV・通信型ナビゲーションを全車に標準装備

光岡自動車バディの全ラインナップ(2022年10月現在)

【2.0ℓガソリン車】

  • 20ST:519万900円(FF)// 538万6700円(4WD)
  • 20DX:588万6100円(4WD)// 20LX:608万9600円(4WD)

 

【2.5ℓハイブリッド車】

  • HYBRID ST:574万4200円(FF)// 596万5300円(E-Four)
  • HYBRID DX:647万2400円(E-Four)

※価格はすべて消費税込み

<情報元:carview

まとめ

この記事を書いているのは2021年11月4日ですが、光岡自動車の最新のレプリカ車は、トヨタのRAV4をベースにしたバディ(BUDDY)です。

バディの発売日は2021年6月でしたが、先行予約として2020年11月26日から受付を開始したところ、2日後の11月28日には予約が200台を突破しました。

光岡自動車の当初の生産計画では、2021年に50台、2022年に150台というものでしたが、わずか2日で200台を突破してしまったのです。

でも、生産能力は年間500台がマックスです。しかも、500台すべてをバディにするわけにもいきません。他にも製造すべき車の待機リストが積み重なっています。

その後のバディの予約台数の推移は明らかになっていませんが、おそらくバディを注文した人で納車までこぎつけた人は現時点でまだまだごく少数の方々だけでしょう。※はい、その通り。

人気があるのです。

(2022年2月3日追記)トヨタRAV4をベースにした光岡自動車のBuddy(バディ)について光岡自動車から。長期化する納期の短縮を目的としてかねてより親交のあったトノックス(神奈川県平塚市)と三菱ふそうバス製造(富山県富山市)の2社との間で、バディの車輌製造委託において基本合意したと2月3日に発表しました。2020年11月の発表から1年足らずで累計受注台数が当初計画した年間生産台数(150台)の5倍に達するなどして、納期の長期化が課題となっていましたが、この製造委託により現時点で最大2年ほどだった納期が1年半程度に短縮されるとのこと。わずか半年ですが納期待ちの人には朗報でしょう。<ヤフーニュース・ドライバーWeb

「光岡自動車は恥ずかしい?」

とんでもないです。

多くの人が注目し、実際に予約しようと押し寄せているのですが、おそらく光岡さんの方で待ったをかけている状態なのでしょう。

「そもそも光岡自動車を誰が買うの?」

何言ってるんですか。あなたや私と同じそのへんの普通の自動車ファンが買うんです。

日本の道路に華やぎを与えてくれる光岡自動車さんを私は支持します。

皆さんも深いご理解を。

ご覧いただきありがとうございました。

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【2023年7月14日追記】新型「ビュート ストーリー」9月に発売へ

項目内容
車名光岡新型「ビュート ストーリー」
発売予定日2023年9月22日
ベース車両トヨタ「ヤリス」
特徴丸型LEDヘッドランプ、ハート型のグリル、先進安全装置
インテリアインパネとシートが同色のオプション、シートは8色から選べるレザーシート
エンジン1リッターガソリン、1.5リッターガソリン、1.5リッターハイブリッド
トランスミッションCVT(ハイブリッドはECVT)、1.5リッターガソリンには6速MT
駆動方式2WD、1.5リッターガソリンと1.5リッターハイブリッドには4WD(ハイブリッドはE-Four)
価格(消費税込)308万円から429万円
生産開始2023年8月
年間生産計画台数2023年が約40台、2024年が約200台
予約開始2023年2月より先行予約開始、発売まで予約受付

くるまのニュース)(CAR WATCH

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