【記事丸わかり】
⇒⇒【プラド保険】プラド買ったら見てほしい保険の話!!車両保険や盗難された時のための自動車保険について担当営業マンに聞いてみた!! |
車の盗難は自動車保険の特約である車両保険で補償されます。
車が盗まれたら全額支払われます。
「一般条件」でも「エコノミー」でも車両盗難は支払い対象です。
ただし、エンジンを掛けっぱなしで車から離れていた際に盗まれた場合は、支払いが保留になることもあります。
なお、車両保険から支払いを受けた後に車が発見されたら、一定の期間内であれば、発見された車に乗り続けることは可能です。
このページでは車が盗難された場合の保険の扱いについて詳しく解説しています。
しばらくお付き合いいただけると幸いです。
車の盗難は車両保険の支払い対象
車の盗難は車両保険の支払い対象です。
車両保険には大別すると2つのタイプがありますが、「一般条件(オールリスクタイプ)」と「エコノミー」のいずれも支払い対象です。
一般条件 | エコノミー | |
車両盗難 | 支払い対象 | 支払い対象 |
※「盗難補償対象外」の特約をつけて車両保険に加入している場合は保険金は出ません
車両盗難では免責金額は適用されない
なお、車両保険には通常「免責金額」が設定されています。
車両価格(車両補償額) | 免責金額 |
250万円 | 0万ー10万 |
たとえば上のような契約内容になっている場合、免責金額の「0万ー10万」の意味は、1回目の事故では自己負担0円ですが、その同じ年度に2回目の事故があった場合は自己負担10万円という意味です。
※「免責」とは、保険会社が契約者に対して「責任を免れる」=「払わなくていい」という意味です
たとえば接触事故があって、30万円の修理代が発生した場合、それがその年度の1回目の事故であったら、支払額は30万円(30万円ー0円)になります。
そしてその同じ年度に再度接触事故があり、50万円の修理代が発生した場合は、同じ年度の2度目の支払いになるので、支払額は40万円(50万円ー10万円)になります。
ところが、上の例で2度目の事故が車両盗難であった場合、盗難は全損扱いになりますから、免責金額は適用されず、支払額は250万円(250万円ー0円)となります。
※自動車保険における「全損」とは以下のケースを言います。
- 修理代が時価(車両保険の場合は車両金額)以上になる場合
- 車が盗難され発見できなかった場合
- 損傷が激しく修理不要である場合
なお、盗難のように「全損」扱いの事故に対しては、お見舞金として「車両全損時臨時費用」(会社によって呼び方は異なる)が車両価格の10%(20万円限度)上乗せされます。
上の例で言えば、270万円(250万円+20万円)が支払い総額になります。
※250万円の10%は25万円ですが、「車両全損時臨時費用」の上限が20万円なので
盗難で車両保険を使うと翌年の等級は?
車両盗難は車のオーナーからみれば「無過失」の事故なので、同じく「無過失」の事故である台風による冠水、イタズラによる掻き傷などと同様の扱いになり、翌年度は1等級ダウンにとどまります。
※運転中に発生した接触事故などは3等級ダウンです
※自動車保険の主流は3年契約になりつつあり、3年契約は事故で保険を使った場合に契約者に有利に働くケースが多いです。たとえば3年契約の1年目に盗難で保険を使った場合でも、3年契約なので残り2年は保険料は変わらず、3年を終えて契約を更新する際には、等級は、2年目にいったん1つ下がっていたのが3年目には元の等級にまで回復しているので、更新する契約は3年前の更新時より1等級アップすることになります
盗難から支払いまでの流れ
では、実際に車が盗まれた場合にみなさんが取るべき行動と保険金支払いまでの一連の流れを見ていきたいと思います。
言うまでもなく、「一般条件」あるいは「エコノミー」いずれかの車両保険に加入していることを前提に話を進めます。
※言うまでもなく「盗難補償対象外」の特約をつけて車両保険に加入している場合は対象外です
(1)車両盗難を発見 |
車上荒らしのような部分的な盗難ではなく(これについては後で解説します)、車ごと持ち去られる盗難です。
多くのケースでは、窓ガラスを割ってロックの解除を試みたりするので、周辺にガラスの破片が落ちていたりします。
そこに車がない場合、一瞬、別の場所に駐車したのではなかったか、などと思い返したりするのですが、それでも記憶に間違いがないとなると、やはりこれは盗難だ、盗まれたんだ、ということを確信します。
(2)警察に連絡する |
あなたがまずすべきことは、警察に110番通報することです。
保険会社ではなく、まず警察が先です。
時をおかず、すぐに連絡したほうが検挙率は高まります。
連絡を受けた警察は、通常、すぐに駆けつけてくれます。
あなたは警察から質問されたことに一つ一つ答えてください。
車のナンバー・車種・色・その他の特徴・車内に置いておいたものなど、いろいろ細かいことを訊かれるはずです。
その際、車の「ナンバープレートの番号(登録番号)」や「車台番号(車体番号)」などは、車検証を見ないと答えられなかったりするのですが、その車検証はダッシュボードの中にあるので、すぐに答えることができません。
しかし、これは後で保険会社に連絡した際に、担当者に訊けば教えてくれます。
自動車保険でも自賠責保険でも、「ナンバープレートの番号(登録番号)」と「車台番号(車体番号)」は必ず証券に記載されているので、保険会社は確実に把握しているからです。
警察との一通りのやり取りが終了すると、警察が盗難届けの「受理番号」を教えてくれるので、これをメモに控えておいてください。
(3)保険会社に連絡する |
警察の現場検証・実況見分が済んだら、次は保険会社に連絡してください。
保険の証券が手元になくても、オペレーターに名前・住所・電話番号を伝えれば、保険会社はあなたの契約を特定できます。
車が盗難にあったことを伝えれば、オペレーターが質問してくるので、あとはその質問に一つ一つ答えてください。
その質問によって、警察に連絡して実況見分を受けたこと、盗難届けの受理番号をメモしてあること、も伝えることになります。
一連のやり取りが終了すると、オペレーターから今後の手順について説明があります。
その内容は次のようなものになります。
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実際のところ、保険会社が手配した調査員は、あなたの神経を逆なでするような質問をいくつも投げかけてくる可能性は高いです。
車両盗難の調査員は、「偽装盗難」の可能性を一つ一つ潰していくことが主たる仕事なので、この度の盗難が、あなたには一切責任がなく、無過失であり、避けられない状況でなされたものであることが証明されなければなりません。
車が盗まれた過程に何かしら疑念が生じるような要素があると、徹底してその疑念を精査しますから、疑念が晴れて最終的に保険金が支払われる場合でも、支払い時期がかなり遅れることもあります。
あなたとしては、たとえ不愉快な質問を受けても、それが調査員の仕事なのだからと、鷹揚に受け止めてください。
とは言え、疑念が生じるような要素がなければ、不愉快な質問を受けることもあまりないと思います。
その場合でも、かなり細かいことをいくつも質問されるのは間違いないと思いますが。
(4)保険金の支払いへ |
盗難の発生から1ヶ月以上経過し、そのあいだ、盗難車両が発見されることもなく、調査員による実態調査も「問題なし」ということになると、いよいよ保険金が支払われます。
仮にあなたの車両保険の車両価格が250万円だとしたら、盗難は「全損」扱いなので、250万円全額支払われます。
また、「全損」で保険金が支払われる場合は、設定してある「免責金額」は適用されないので、たとえ5万とか10万の免責が設定してある契約であったとしても、250万円全額が支払われます。
さらに、「全損」の場合は、お見舞金としての性格を持つ「車両全損時臨時費用」(会社によって呼び方は異なる)が車両価格の10%(20万円限度)上乗せされるので、支払額は250万円+20万円(20万円限度なので)=270万円になります。
これ以外にも、もし「車内身の回り品特約」が付保された契約であれば、車に積んであったデジタルカメラ・ゴルフバッグ等の時価額相当額も支払われます。
なお、盗難により車両保険から保険金が支払われる場合には、注意点がいくつかあるので下記にまとめておきます。
盗まれた車の所有権を移転する |
保険金が支払われたら、盗まれた車の所有権はあなたから保険会社に移転されるので、その手続きが必要になります。※保険法24条(残存物代位)の規定による 手続きは通常保険会社から依頼を受けた行政書士が行うので、あなたは指示に従うだけでOK です。 |
等級が1等級ダウンする |
盗難で車両保険から支払いを受けると、翌年度の等級は1等級ダウンします |
盗まれた車が発見された場合 |
(保険金支払い前)保険金を受け取るか発見された車に乗り続けるか、あなたが選択できます。 (保険金支払い後)保険金支払日から60日以内に発見された場合は、保険金を受け取るか発見された車に乗り続けるか、あなたが選択できます。発見された車に乗り続ける選択をした場合は、当然、いったん受け取った保険金は返金します。※「60日以内」という日数は保険会社によって多少異なる場合があります |
※盗難車が発見されたら、その車に乗り続ける選択が可能だと書きましたが、その場合、発見された車はたいていどこかに損傷があるのが普通なのですが、この損傷部分の修理代は車両保険から支払ってもらえます。
※車の盗難で保険会社から受け取った保険金の使い途はあなたの自由です。盗まれた車と同程度の車を購入してもいいですし、格安の中古車を購入してもいいですし、あるいは、車を購入しないで貯金してもかまいません。要するに、保険会社は使い途までチェックしないということです。
盗難でも保険が支払われないケースとは?
民放はそうでもありませんが、NHKなどでは、通常の番組を放送中に大地震や大事故、大事件などが発生すると、画面が報道スタジオに切り替わって、スタジオのただならぬ空気感がこちらにも伝わってくる、といったことがあります。
保険会社でも、車両盗難の事故届けがあると、ややこれに似た事態が発生します。
車両盗難に関しては、通常の事故処理ルートではなく、特別なルートでその後の事故対応が行われます。
保険会社としては、こと車両盗難に関しては、「偽装盗難かもしれない」という性悪説に立って事故対応を進めるわけです。
本当に止むを得ない状況で車が盗まれたのか、車のオーナーはきちんと盗難を防止する措置を取っていたのか、といった疑いの目をギラギラさせつつ事故処理を行います。
とりわけ、契約を長年継続している契約者ではなく、つい最近他社から乗り換えたばかりの契約者であったりすると、ほとんど犯罪者を見るような目で接することさえあります。
通常の事故処理と車両盗難の事故処理は、まったくの別物だと思ってください。
車両盗難の事故届けをした瞬間から、あなたは保険会社から疑いの目を向けられる立場に立つのです。
実際、次のようなケースでは、保険金の支払いは滞りがちになるか、あるいは、支払い拒否となります。
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つまり、あなたが車の所有者として盗難防止のために当然取るべき措置を取っていなかったとみなされると、保険金の支払いは保留になり、最終的に支払われないケースも出てきます。
あくまでも、偶然の事故であること、不可抗力の事故であること、常識的な注意を怠らなかったこと、などが証明されなければなりません。
なお、「偽装盗難」でもなんでもなく、普通に生活しているところを悪いヤツに車が盗まれにもかかわらず、保険会社が支払いを拒否したという場合、弁護士に相談するのも1つの方法ですが、費用面の心配もあるでしょうから、まずは無料の窓口を利用する方法があります。
一般社団法人 日本損害保険協会の「そんぽADRセンター」というところです。
損害保険の契約者が損害保険会社とトラブルになった際の相談を受け付けています。
そんぽADRセンター |
契約者と損害保険会社の間のさまざまなトラブルを、中立・公正な立場から解決支援を行っている組織です。 |
車上荒らし・車上狙いは車両保険の対象?
このページでは、ここまで車両本体がそっくり持ち去られる被害について解説してきました。
この項目では、車両本体ではなく、いわゆる「車上荒らし」とか「車上狙い」といった行為により、窓ガラスが割られ、ドアロックが破壊され、車に取り付けていたカーナビやカーステレオが盗まれたり、シートの上に置いておいたカメラ、ゴルフバッグ、テニスのラケット等が盗難にあった場合について解説します。
まず、窓ガラスが割られ、ドアロックが破壊され、器具によって車に固定されていたカーナビやカーステレオが被害にあった場合、これは全て車両保険で支払いの対象になります。
「一般条件」でも「エコノミー」でも支払い対象です。
次に、シートの上、あるいはトランク内などに置いてあったカメラ、ゴルフバッグ、テニスのラケット等が持ち去られた場合の補償ですが、これらは車両保険の補償対象外です。
いずれの保険会社でも車両保険からは保険金は支払われません。
ただし、「身の回り品補償特約」(会社によって名称が異なる)を付けていれば補償されます・・・と言いたいところですが、実は、補償される会社と補償されない会社に分かれます。
保険会社のホームページでは、このあたりの詳細を明確に記載している会社と記載していない会社があるので、全ての会社を一覧表にすることはできませんが、支払う支払わないがハッキリしている4社を表にまとめてみました。
車上荒らしで盗難にあった車内の身の回り品が「身の回り品補償特約」で補償対象になるかならないか | |
チューリッヒ | 補償する |
ソニー損保 | 補償する |
損保ジャパン日本興亜 | 対象外 |
おとなの自動車保険(セゾン) | 対象外 |
※補償対象外となっている会社でも、車ごと持ち去られた盗難の場合で、車内にあった「身の回り品」も同時に持ち去られた場合は、もちろん補償されます。あくまでも、「車上荒らし」や「車上狙い」の際の「身の回り品」が対象外になるということです
いかがでしょう?
ここまでご理解いただけましたか?
まことに恐縮ですが、これには続きがあります。
それは「身の回り品補償特約」が補償する「身の回り品」の範囲です。
これも会社によって補償範囲が異なっています。
ですが、みなさんにイメージとして把握していただくために、ほぼ各社共通のものと思われる区分けをしておきたいと思います。
「身の回り品補償特約」が補償する「身の回り品」とは | |
補償の対象となる「身の回り品」 | バッグ・カメラ・衣類・ゴルフ用品・楽器・パスポート・運転免許証 |
補償対象外となる「身の回り品」 | 通貨・有価証券・貴金属・骨董・設計書・パソコン・携帯電話・コンピューターの記録媒体内のデータ・コンタクトレンズ・ペット(犬・猫など)・商品・植物 |
会社により扱いが異なるもの | ノートパソコン・携帯電話・スノーボード・スキー板・サーフボード |
ご覧いただきましたように、「身の回り品補償特約」は保険会社による扱いがかなり異なるので、この特約に加入する際も、事故で支払いを受ける際も、保険会社の担当者と細かい話し合いをする必要があると思います。
わたしもこの記事を書くにあたって、セゾン保険(おとなの自動車保険)に電話して、オペレーターの方に質問したのですが、即答はなく、しばらく保留にしてから(上司と相談したかも)、ようやく答えを得ることができました。
つまり、専門のスタッフであっても、それだけ微妙な内容の特約だということです。
みなさんも、保険会社のホームページで明確に理解できない場合は、個別具体的な事例を電話でお問い合わせください。
それがベストな方法です。
本当なら、この記事で100パーセントみなさんをご納得させることができれば一番いいのですが、わたしの力不足です、ゴメンナサイ。
ご覧いただきありがとうございます。