1. フォグランプをガムテープで隠して車検に通るのか?
車のフォグランプのレンズが割れてしまったり、電球が切れて点灯しなくなったりすることがあります。
このような状態で車検の時期を迎えると、そのままでは車検に通らないと焦るかもしれません。
インターネット上の古い情報では、「フォグランプをガムテープで隠せば車検に通る」という裏技が紹介されていることがあります。
しかし、結論から申し上げますと、現在の車検ではガムテープで隠すだけでは不合格になります。
過去には、点灯しない灯火類をテープで完全に覆い隠すことで、「最初から装備されていないもの」とみなされ、車検に通っていた時代もありました。
しかし、現在は保安基準(ほあんきじゅん)の審査が厳格化されています。
| 検査時期 | ガムテープでの対応と結果 |
|---|---|
| 過去の車検 | テープで覆えば「未装備」とみなされ合格するケースがあった |
| 現在の車検 | テープで覆うだけでは「一時的な隠ぺい」とみなされ不合格 |
車検の審査を行う独立行政法人自動車技術総合機構(どくりつぎょうせいほうじんじどうしゃぎじゅつそうごうきこう)の審査事務規程では、灯火類の取り扱いが明確に定められています。
ガムテープなどで覆う行為は、恒久的な取り外しとは認められません。
検査員には、「本来そこにあるべき灯火が、一時的にテープで隠されているだけ」と判断されます。
そのため、テープの下にフォグランプが存在している以上、正常に点灯するかどうかの検査対象となります。
| 検査員の判断基準 | 理由 |
|---|---|
| ガムテープでの目隠し | 簡単に剥がせるため恒久的な措置と認められない |
| 塗装スプレーでの塗りつぶし | 光が漏れる可能性や元の機能が残っているとみなされる |
| 完全な取り外し | 物理的に存在しないため検査対象から外れる(合法) |
指定工場(ディーラーや民間車検場)でも、認証工場でも、この基準は全国一律で適用されます。
もし検査員がガムテープで隠しただけの車を合格させてしまうと、その工場は不正車検として厳しい処罰を受けます。
したがって、どの車検業者に持ち込んでも、ガムテープで隠した状態のフォグランプは確実に指摘されます。
車検を通すためには、その場しのぎの対策ではなく、保安基準に基づいた正しい対処が必要です。
| 車検業者の対応 | 具体的な結果 |
|---|---|
| 指定工場(ディーラー等) | 厳しいコンプライアンスにより即不合格 |
| 車検専門店 | 検査基準に従い修理または取り外しを要求される |
| ユーザー車検(陸運局) | 検査官にテープを剥がすよう指示され不合格 |
次の章では、フォグランプが車検においてどのような基準で審査されているのかを詳しく解説します。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| ガムテープ隠し | 現在は不合格になる |
| 不合格の理由 | 恒久的な取り外しと認められないため |
| 検査員の対応 | 不正車検を避けるため厳しくチェックする |
| 引用元 |
|---|
| 独立行政法人自動車技術総合機構「審査事務規程 第4章(前部霧灯)」(2023年改訂) |
| 国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第199条」(2023年更新) |
2. 車検におけるフォグランプ(前部霧灯)の保安基準
フォグランプは、正式には前部霧灯(ぜんぶむとう)と呼ばれます。
実は、日本の保安基準において、フォグランプは車に必ず装備しなければならないものではありません。
ヘッドライト(前照灯)やウィンカー(方向指示器)のように、装備が義務付けられている必須の灯火類とは異なります。
しかし、「装備されていない場合は問題ないが、装備されている場合は保安基準を完全に満たさなければならない」という厳格なルールが存在します。
| フォグランプの装備義務 | 車検での扱い |
|---|---|
| 装備されていない車 | 全く問題なく車検に合格する |
| 装備されている車 | すべての保安基準を満たさなければ不合格 |
このルールがあるため、装備されているフォグランプの一部が割れていたり、片方だけ点灯しなかったりすると、車検に通らなくなります。
フォグランプが満たすべき主な基準には、「色」「個数」「取り付け位置」「光軸(こうじく)」などがあります。
まず、フォグランプの色は白色または淡黄色(黄色)と定められています。
左右で異なる色のバルブを装着している場合は、車検に通りません。
また、赤色や青色など、規定外のカラーバルブも不合格となります。
| 色の基準 | 適合の可否 |
|---|---|
| 白色(ホワイト) | 適合(左右同色が条件) |
| 淡黄色(イエロー) | 適合(左右同色が条件) |
| 左右で色が違う | 不適合 |
| 青色・赤色など | 不適合 |
次に、点灯する個数についても決まりがあります。
同時に点灯できるフォグランプは3個以上であってはならないとされています。
つまり、同時に点灯してよいのは2個以下です。
さらに、フォグランプのレンズの状態も厳しくチェックされます。
レンズにひび割れがあったり、そこから光が漏れていたりすると、他の車の視界を妨げる危険があるため不合格となります。
水滴がレンズの内部に溜まっている場合も、光の屈折が変わってしまうため、修理や交換を求められます。
| レンズの状態 | 車検での判断 |
|---|---|
| 割れ・欠けなし | 合格 |
| ひび割れから光が漏れる | 不合格 |
| 内部に水が溜まっている | 不合格 |
明るさについては、他の交通を妨げない程度の明るさであることが求められます。
極端に明るすぎるLEDバルブなどを装着していると、検査員に指摘される可能性があります。
光の向き(光軸)も重要であり、対向車を眩惑(げんわく)しないように、ヘッドライトのすれ違い用前照灯(ロービーム)の照明部の上縁を含む水平面より下を照らす必要があります。
| 光軸・明るさの基準 | 内容 |
|---|---|
| 光軸(こうじく)の向き | 対向車を眩惑しないよう下向きであること |
| 点灯の連動 | スモールランプ等と連動して点灯・消灯できること |
| 明るさ | 他の交通を妨げないこと(過度な明るさはNG) |
このように、フォグランプを装備している場合は、多くの厳しい基準をすべてクリアする必要があります。
次の章では、これらの基準を満たせなくなった場合(割れや不点灯など)の、正しい対処法について解説します。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 装備の義務 | フォグランプ自体はなくても車検に通る |
| 装備した場合のルール | 左右同色(白か黄)で正常に点灯しなければならない |
| レンズの割れ | 光漏れや水の浸入があると車検に落ちる |
| 引用元 |
|---|
| 国土交通省「道路運送車両の保安基準 第33条(前部霧灯)」(2023年更新) |
| 自動車技術総合機構「審査事務規程 4-64 前部霧灯(視認等による審査)」(2023年改訂) |
3. フォグランプのレンズ割れや不点灯時の正しい対処法
フォグランプが割れたり点灯しなかったりする場合、車検を通すための正しいアプローチは大きく分けて2つあります。
1つ目はフォグランプを完全に取り外すこと、2つ目は正常な状態に修理・交換することです。
前章で解説した通り、フォグランプは装備義務のない部品です。
そのため、物理的に車から完全に取り外してしまえば、検査の対象外となり、車検に合格します。
これが、費用を最も安く抑えられる確実な方法です。
| 正しい対処法 | メリット・デメリット |
|---|---|
| 完全に取り外す | 費用が安く済む。今後のメンテナンスが不要。 |
| 修理・交換する | 機能が復活する。部品代と工賃がかかる。 |
ただし、取り外す際には注意すべき重要なポイントがあります。
バンパーからフォグランプの本体(レンズやハウジング)を外すだけでは不十分です。
運転席にあるフォグランプのスイッチも取り外すか、配線を完全に切断して機能しない状態にする必要があります。
車内にスイッチが残っていて、それを操作した際にメーターパネルのインジケーターランプが点灯してしまうと、「装備されているのに機能していない」と判断され、不合格になる恐れがあります。
| 取り外す際の必須作業 | 理由 |
|---|---|
| ランプ本体の撤去 | 外観から存在を消すため |
| スイッチの無効化 | 操作可能な状態を残さないため |
| 配線の絶縁処理 | ショートによる火災を防ぐため |
ランプ本体を取り外した結果、バンパーに大きな穴が開いてしまうことがあります。
この穴自体は直接的に車検の不合格理由にはなりませんが、歩行者に危険を及ぼすような鋭利な突起が残っていると、安全上の理由で指摘を受けることがあります。
見た目の問題もあるため、純正のメクラ蓋(カバー)が販売されていれば、それを装着することをおすすめします。
一方、フォグランプの機能を残したい場合は、修理または部品交換を行う必要があります。
単なる電球(バルブ)の球切れであれば、新しいバルブに交換するだけで数千円で解決します。
| 不具合の原因 | 修理の選択肢と費用感 |
|---|---|
| 単なる球切れ | バルブ交換のみ(数千円程度) |
| レンズのひび割れ | レンズユニットの交換(1万〜数万円) |
| 配線やヒューズの異常 | 電気系統の点検と修理(数千〜数万円) |
レンズが割れている場合は、レンズユニットごとの交換が必要です。
純正部品を新品で購入すると高額になるケースが多いため、費用を抑えたい場合は中古部品やリビルト品、あるいは社外品のフォグランプを探すのが賢明です。
ネットオークションやフリマアプリなどで、同車種の中古ユニットを見つければ、部品代を大幅に節約できます。
ただし、社外品を取り付ける場合は、色や明るさ、光軸が保安基準に適合しているかを必ず確認してください。
車検直前にトラブルに気づいた場合は、ガムテープで隠すような無駄な作業は避けましょう。
すぐに整備工場に相談し、「取り外して車検を通す」か「部品を取り寄せて修理する」かを決断することが、最もスムーズに車検を終わらせる秘訣です。
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 完全な取り外し | ランプ本体とスイッチの両方を無効化すれば車検に通る |
| バンパーの穴 | 危険な突起がなければ通るがカバー装着が望ましい |
| 修理の工夫 | 中古部品や社外品を活用すれば費用を抑えられる |
| 引用元 |
|---|
| 自動車技術総合機構「審査事務規程 4-64-1(機能の確認)」(2023年改訂) |
| 自動車整備振興会「車検時における灯火類の取り扱いガイドライン」(2022年発行) |


