自動車保険|家族限定がなくなるって本当?はい、一部は本当です。

自動車保険・家族限定・なくなる・年齢条件・運転者限定・運転者の範囲

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わたしたちが自動車保険に加入する際、運転者の範囲を限定することで保険料の節約ができます。

具体的には、保険会社があらかじめ設定している運転者限定の区分を選択します。

運転者限定の区分には、一般的に、限定なし・家族限定・本人配偶者限定(夫婦限定)・本人限定、といった選択肢があります。

このうちの家族限定ですが、2019年に主要な保険会社のうちの6社が廃止を決定しました。

依然として家族限定を採用している会社もいずれ廃止する可能性は高いと思います。

【記事丸わかり】

  • 2019年に主要な保険会社6社が家族限定を廃止。
  • ソニー損保は2019年4月から家族限定を廃止し、「運転者限定なし」と「本人・配偶者限定」のみ。
  • アクサダイレクトは2019年1月から家族限定を廃止し、「本人・配偶者型」のみに改定。
  • 大手代理店型4社(東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ)は2019年1月から家族限定を廃止。
  • 家族限定の割引率は4社共に1%で、家族限定の需要は長期的に下落傾向。
  • 家族限定の廃止理由は、割引率の低さと、友人・知人が運転した場合の保険金支払いの不確実性。
  • 本人・配偶者限定の割引率は4社共に7%から6%に縮小。
  • 本人限定は、新設や改定があり、東京海上日動は採用せず、損保ジャパンと三井住友は新設、あいおいニッセイは割引率を縮小。
  • 今後の傾向として、他の保険会社も家族限定を廃止する可能性が高い。
  • 家族限定をはずすメリットとして、友人・知人も運転できるようになるが、保険料の差は1%程度。

【2019年版】家族限定がある会社・ない会社

家族限定がある会社ない会社・自動車保険|家族限定がなくなるって本当?はい、一部は本当です。

2019年8月1日現在における通販型・代理店型を含めた自動車保険各社の運転者限定の状況をまとめています。

ご覧のように、「家族限定」がない会社の方が多数派になっています。

すべての保険会社ではありませんがみなさんが耳にする機会が多い保険会社はほぼ網羅していると思います。

自動車保険各社の運転者限定を比較
家族限定本人・配偶者限定本人限定
イーデザイン損保
ソニー損保××
三井ダイレクト
アクサダイレクト××
チューリッヒ×
そんぽ24×
SBI損保
セコム損保×
楽天損保×
東京海上日動××
損保ジャパン×
三井住友海上×
あいおいニッセイ×
JA共済(農協)××
全労済××

※ソニー損保・アクサダイレクト・東京海上日動・損保ジャパン・三井住友海上・あいおいニッセイの6社は2019年からそれまで採用していた家族限定を廃止しています。

※上記一覧表におとなの自動車保険(セゾン損保)が入っていませんが、それはこの保険会社だけ独自の分類方法を採用しているからです。たとえば他社の「家族限定」に相当するものがおとなの自動車保険にはもともとありません。

ソニー損保:2019年4月から家族限定を廃止

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ソニー損保では保険始期日が2019年4月1日以降の場合、運転者限定は下記の分類になります。

ご覧のように、それまであった家族限定を廃止しています。

ソニー損保の運転者限定(2019年4月1日以降保険始期日)
限定なし
  •  運転者を限定しません
本人・配偶者限定(割引率6%
  •  記名被保険者とその配偶者のみ運転可※ここで言う配偶者には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者および戸籍上の性別が同一であるが婚姻関係と異ならない程度の実質を備える状態にある者を含みます(内縁関係・同性婚もOK

ソニー損保・自動車保険・約款・2019年4月版19ページから20ページ

※記名被保険者が法人の場合は「本人・配偶者限定」は設定できません。

アクサダイレクト:2019年1月から家族限定を廃止

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通販型のアクサダイレクトもそれまであった「家族型」「夫婦型」「本人型」の3つの限定が、2019年1月の契約から「本人・配偶者型」の1つだけに改定されました。⇒アクサダイレクトのHP

大手代理店型4社:2019年1月から家族限定を廃止

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損害保険大手4社(東京海上日動・損保ジャパン日本興亜・三井住友海上・あいおいニッセイ同和損保)は2019年1月の契約から、それまであった家族限定を廃止しています。

この家族限定廃止に伴い、他の限定にも改定が行われました。

それを一覧表にしてみます。

※スマホでうまく表示されない場合は横位置でご覧ください。

東京海上日動損保ジャパン 三井住友 あいおい
家族限定 廃止 廃止 廃止 廃止
本人・配偶者限定 7%⇒6% 7%⇒6% 7%⇒6% 7%⇒6%
本人限定 採用せず 8%(新設) 7%(新設) 9%⇒8%

「家族限定」は大手4社そろって廃止です。※「家族限定」の割引率は4社共に1%でしたので、もともとあってもなくても保険料に大きな影響を与えていませんでした。しかし、この規定から外れる人が運転して事故を起こした場合は保険金を支払いませんでしたから、ある意味とんでもない規定であり、廃止して当然なのです

「本人・配偶者限定」も4社そろって7%から6%に割引率を縮小しています。

ここまでは4社そろい踏みですが、「本人限定」で対応が分かれています。

東京海上日動は今回の改定でも「本人限定」を採用しませんでした。

損保ジャパンと三井住友は「本人限定」を新設しました。

あいおいにはすでに「本人限定」がありましたが割引率を縮小しました。

今回の改定について一部には「結局どさくさに紛れて保険料全体では値上げになっているのでは」などと言われていますが、しかし、いままでよりシンプルになったことは評価できる点だと思います。

家族限定の需要は長期下落傾向

長期下落傾向・自動車保険|家族限定がなくなるって本当?はい、一部は本当です。

ところで、一般的に知られている運転者限定には次のようなものがあります。

  • 限定なし
  • 家族限定
  • 本人・配偶者限定(夫婦限定)
  • 本人限定

やや古い資料で恐縮ですが、次のグラフをご覧ください。

ご覧のように「限定なし」と「家族に限定」は長期下落傾向です。

いっぽうで「本人・配偶者に限定」は長期上昇傾向にあります。

このグラフには「本人限定」はありませんが、これも長期上昇傾向にあります。

つまり、自動車保険の運転者限定において「家族限定」の需要が落ち込んでいることがわかります。

日本社会全体の家族構成の変化が背景にあるのだと思います。

したがって、今現在は家族限定を採用している会社も近い将来廃止する可能性は高いと思います。

そもそも、大手代理店型4社の項目でご案内したように、家族限定の割引率は1%でした。

大手4社以外の割引率は不明ですが、恐らく同程度の割引率だと推測されます。

家族限定が付いた契約では友人・知人が運転して事故を起こしたら保険金は下りません。

しかし、家族限定をはずせば友人・知人も運転できます。

そしてその差は1%です。

これではわざわざ家族限定を付ける意味はあまりないと思います。

限定なし、に設定した場合に比べて1%しか安くならないのですから。

家族限定廃止。

これは当然の流れではないでしょうか。


ご覧いただきありがとうございました。