車の暖房の温度は何度に設定するのが最適ですか?
冬場に車の暖房温度を何度に設定するかは、もちろん、人それぞれの寒さの感じ方によって調整すればいいことですが、燃費への影響などを考えて、果たして何度に設定するのが効率的なのかとお考えになる人も多いと思います。
しかし、結論を言うと、
「何度でもOKです」
ということになります。
ネットで調べると、日本車の場合は「25℃」、欧州車は「22℃」を推奨している記事がたくさんありますが、あれは冷房の場合です。
A/Cスイッチを入れて夏場に冷房を作動させる場合、日本車の場合は「25℃」前後の設定が燃費効率がいいという話です。
しかし、車の暖房は家庭用エアコンの暖房とシステムが異なります。家庭用の暖房は冷房と同じくコンプレッサーを作動させることで暖かい空気を作り出しますが、車はエンジンで温まった冷却水の熱を利用しています。
だから、冬場にはオートエアコンでもマニュアルエアコンでも「A/C」スイッチは切の状態にし、温度を自分の希望する温度に設定するだけで快適に過ごせます。
「A/C」スイッチはフロントガラスやリアガラスが曇ったり結露したりしたときに一時的に利用すればいいと思います。
オートエアコンの車の場合は、曇りや結露をとるためのデフロスタースイッチを押すと、自動的に「A/C」がONになる車種もあります。
一年通して「A/C」をONにしていることは非効率か?
現在、わたしが乗っている車はオートエアコンですが、一年通して「A/C」スイッチをONにしています。
ちょっと前までは、冬場は「A/C」をOFFにして、温度設定だけを25℃とか26℃にして暖房していました。そして、フロントガラスやリアガラスが曇ったり結露したりすることが多いので、そのたびに「A/C」スイッチをONにしていたのです。
しかし、それはけっこう面倒なので、結局、今では常時「A/C」スイッチをONにしています。
「それだと燃費が落ちるのでは?」
確かに、「A/C」スイッチをOFFにしている時よりちょっと落ちているようです。でも、夏場に「A/C」をONにしている時のような燃費の低下はありません。
そもそも車の暖房システムはエンジンで温められた冷却水をヒーターコアに集め、そこで熱交換して暖かい風を車内に送る方式です。その際、エアコンがONになっていても、エアコンは主に除湿を行っているので、温かい風を作り出すためにフル回転しているわけではありません。
だから、一年を通し「A/C」をONにしていても、夏場はエアコンがフル回転して燃費がかなり落ちますが、冬場は除湿でちょっと作動しているだけなので燃費への影響はわずかです。
これは私自身の経験からもいえることですし、ネットにも同様の報告が複数あります。
電気自動車等は事情が異なる
電気自動車にはエンジンがないので、冷却水の廃熱を利用するシステムは存在しません。
そこで、電気自動車の場合は、電気だけで作動するヒートポンプ式の暖房装置が付いていて、この装置が冬場の暖房を受け持っています。
そのため、日産リーフなどは冬に暖房をフルに使うと蓄電池の消耗度がけっこう高くなります。
HV車の場合、蓄電池が元気な時はエンジンを停止させて走行したりしますが、その際に車内の温度が暖房の設定温度に届いていないときは、温かい風を作り出すためにエンジンを回します。
つまり、この場合のエンジン点火は、車の走行に必要なエネルギーを生み出すためにではなく、ひたすら暖房のためだけにエンジンが使われるのです。
その結果、HV車の場合には、夏の冷房より冬の暖房の方が燃費が落ちるケースも出てきます。
まとめ
- 暖房の設定温度は自由。燃費に向上する温度設定というものはない。
- 冬場は「A/C」を切っても暖房は作動する。ウインドウが曇ったり結露したりしたら一時的に「A/C」をONにすればいい。
- 一方で、一年中「A/C」をONのままでも大丈夫。燃費はちょっと落ちるけれど夏場の冷房ほどは落ちない。そのかわりウインドウの曇りや結露の度に「A/C」を付けたり消したりしなくていい。
- 電気自動車は電気で暖房するので航続距離に影響を与える。
- HV車の暖房も燃費に大きく影響を与える。
下記の記事も参考になさってください。
⇒⇒車のエアコンマークの意味|A/C・外気導入・内気循環など
ご覧いただきありがとうございました。