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オーバーヒート時はエアコン付けるとヒーターで熱拡散してOKのケースもある
車がオーバーヒートになると、インパネの水温警告灯が点灯・点滅します。水温計が付いている車種の場合は水温が90度を超えているはずです。
こういう状態になったら、すみやかに車を安全な場所に停車させ、症状に応じて次のような対処をすべきです。
- 冷却水がない(クーラントリザーブタンクが空)、電動ファンが回っていない、サーモスタットが故障している、というケースでは、エンジンを切り、ボンネットを開けてエンジンルームを冷却します。
- 冷却水をはじめ各装置に異常はないが、スポーツ走行等で一時的にオーバーヒートになった場合は、エンジンを回したまま、ボンネットを開けてエンジンルームを冷却します。エンジンを回し続けるのは冷却水やエンジンオイルを循環させるためです。
さて、上記②のケースですが、特に不具合個所はないけれど連続して高回転の走行を繰り返した結果オーバーヒートになったのであれば、あくまでも応急的な対処法ですが、エアコンを付けて、暖房設定にして、風量も最大にして、しばらくそのままの状態を保つ、というのも一つのやり方です。
エアコンを暖房設定にするということは、エンジンルーム内の熱の一部を室内に逃がすことになり、一定の冷却効果があります。この方法で完全にオーバーヒートが解決するわけではありませんが、応急対応としては有効です。ただし、あくまでも冷却水等が正常な場合に限る対処法です。
オーバーヒートの原因
車がオーバーヒートになるには下記のような原因が考えられます。
- ラジエーターの冷却水が漏れている
- 冷却水を循環させるウォーターポンプが故障している
- ラジエーターホースまたはラジエーターキャップが劣化し水漏れがある
- ラジエーターリザーブタンクが劣化して水漏れがある
- ラジエーター本体にサビ等で穴が空いている
- 冷却水を適温に保つサーモスタットが故障している
- 渋滞時に活躍する冷却用電動ファンが故障している
- エンジンオイルの量が不足している(オイル漏れまたはオイル上がり・オイル下がりなど)
- サーキット走行、峠道の走行など、通常の冷却能力を上回るような走行をする
こうした原因も、何かしら症状が現れます。エンジンルームから水蒸気が上がったり(冷却水漏れ)、駐車中に車の下に冷却水やオイルが滴り落ちていたり(ガスケットやホース等の破損・劣化)、マフラーから青白い煙が出たり(オイル上がり・オイル下がりの場合)、と様々です。
また、各種警告灯が点灯または点滅するはずです。
修理費用の相場
一般的に、オーバーヒートで修理することになった場合、不具合の状況に応じて下記のような修理費用が発生します。
- 冷却水の補充:1,000円~2,000円が相場
- ウォーターポンプの交換:40,000円~60,000円が相場
- サーモスタットの交換:10,000円前後が相場
- ラジエーターそのものの交換:30,000円~100,000円が相場
- ラジエーターホースの交換:10,000円~30,000円が相場
- ラジエーターキャップの交換:1,000円~2,000円が相場
- 冷却用電動ファンの交換:20,000円~80,000円が相場
上記の修理では追い付かず、エンジンそのものにダメージが及んでいる場合は、桁違いの出費となり、実質的に修理不能という状態になってしまいます。
そうなると、エンジンの載せ替えか車を乗り換えるしかありません。エンジン載せ替えの場合は500,000円~1,000,000円は当たり前にかかります。うまく中古エンジンやリビルド品が見つかった場合でも、エンジンそのものの代金は新品の3割から4割引きくらいになりますが、工賃は変わらないので、やはり数十万円の出費は確実にかかります。
日産ローレルの同型(Wikipedia)
かつて私(ミスター乱視)が日産ローレルに乗っていた頃、段差を強引に乗り越えた際にラジエーター下部を縁石にぶつけ、冷却水漏れを起こしました。走行していたら、アクセルを踏んでも加速しない、ボンネットから白い煙が立つ、どうしたんだろう、と思って点検したら、その時初めて冷却水漏れに気づいたのでした。
ラジエーターはいったん修理したものの、すでにエンジンがやられていて、直ぐに手放さざるを得ませんでした。
オーバーヒートの故障はエンジンに直結するするので、早め早めの点検・修理が大事だと思います。皆さんもお気を付けください。
まとめ
『【5分記事】オーバーヒート時はエアコン付けるとヒーターで熱拡散のケースもある』のテーマで解説してきました。
以下、記事のまとめです。
- オーバーヒートは車が過熱状態になることを指し、エンジンや冷却系統にダメージを与える可能性がある。
- スポーツ走行などによる一時的なオーバーヒートの場合、エアコンを暖房に設定し、風量を最大にすることでエンジンルームからの熱を室内へ逃がし、一時的にオーバーヒートを軽減する方法がある。
- エアコンを利用するのは、冷却水やオイルが正常な場合に限られる。あくまでも応急処置として有効。
- オーバーヒートの原因にはラジエーターの冷却水漏れ、ウォーターポンプの故障、サーモスタットの不具合などが挙げられる。
- 冷却ファンやラジエーターホースの劣化もオーバーヒートの原因となる。
- オーバーヒートを引き起こす運転状況には、サーキット走行や峠道走行などが含まれる。
- オーバーヒートが発生した場合、原則として、車を安全な場所に停車させ、エンジンを切り、必要に応じて冷却措置を施す。
- オーバーヒートの修理費用は原因と部品によって異なり、例えばウォーターポンプの交換は40,000円~60,000円が相場。
- 重度のオーバーヒートが発生した場合、エンジンの交換や車の乗り換えが必要となることもある。
- オーバーヒートは予防と早期発見が重要であり、定期的な点検とメンテナンスが推奨される。
下記の記事も参考になさってください。
⇒⇒オーバーヒートでエンジン停止の影響|後遺症・ダメージは?
⇒⇒クーラント(冷却水)に水混ぜる|水道水or精製水どっち?
⇒⇒ロングライフクーラント(LLC)とはラジエーター液|交換時期と費用|色・成分・廃棄方法・車検
⇒⇒クーラントリザーブタンクの量が空なら冷却水を補充|交換時期・交換費用
⇒⇒不凍液に使われるグリセリンは毒性がないというのは本当ですか?
ご覧いただきありがとうございました。