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クーラント(冷却水)に水混ぜる|水道水or精製水どっち?
水冷方式の車にはラジエーターという装置があって、クーラント(冷却水)をエンジンまわりに張り巡らせて高温になりすぎないようにしています。
ほぼすべての自動車にはLLC(ロングライフクーラント)と呼ばれる耐久性の高いクーラントが使用されていますが、さらに最近の車にはスーパーLLC(スーパーロングライフクーラント)と呼ばれる新車から10年くらいは無交換でOKというものが使用されています。
このクーラントが液漏れしたり、交換時期を迎えた場合、当然新しいクーラントを補充・交換することになりますが、クーラントには原液タイプと希釈タイプがあります。
原液タイプのクーラントはそのまま補充すればいいのですが、希釈タイプの場合、普通の水道水で希釈していいのか、それとも工業用の精製水などで希釈しないと後でトラブルになるのか、迷うところだと思います。
結論ですが、
水道水でOK。ただ、精製水の方がより良い。
ということになります。
水道水だと錆びが発生したり泡が生じたり何かと問題が発生しそうに思われますが、しかし、希釈タイプのクーラント液にはそうしたことを想定して防錆剤や消泡剤といった添加剤が含まれています。
だから、普通の水道水で問題ありません。
たとえば、水温警告灯が点いたので点検したら、ラジエーターのクーラント(冷却水)が空になっていたという場合、緊急避難的な処置としてクーラントを補充する必要があります。
その際、補充するのはそのへんの水道の水で大丈夫です。
(※)水道水がいいなら、より純度が高いと思われるミネラルウォーターなどの方がいいのでは、と考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、まさにミネラル成分が悪さをする可能性があります。冷却水が通る経路でミネラル成分が石化してしまう場合があるからです。だから、ただの水道水の方が安心です。
精製水の方がより安心
クーラントの希釈には水道水でもいいのですが、より安心を求めるなら工業用の精製水の方がいいと思います。
「工業用精製水」とか「ロングライフクーラント希釈水」などという名称で販売されていて、20リットルで2,000円前後です。
たとえば、ラジエーターの点検をしてクーラントが減っていた場合、補充をするわけですが、ここで水道水を継ぎ足した場合、水道水には錆びの原因となる塩素成分が含まれています。
確かに、もともとクーラントの中に防錆剤や消泡剤が含まれているから水道水でも問題ないとはいえ、量が減ったところへ水道水を補充するので、そうした添加成分の全体の中で占める割合が低下します。
つまり、錆び等を防止する効果が低下するわけです。
だから、水道水でも大きな問題にはならないとはいえ、よりクーラントの耐久性を考慮して、塩素成分を含まない精製水を使用したほうがいい、ということは確かです。
まとめ
- クーラントの希釈に使用する水は、水道水でも問題ない。※ただしミネラルウォーターはダメ
- 塩素を含まない精製水なら、もっといい。
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⇒⇒クーラントリザーブタンクの量が空なら冷却水を補充|交換時期・交換費用
⇒⇒不凍液に使われるグリセリンは毒性がないというのは本当ですか?
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