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クーラントの継ぎ足し方法|エア抜きは必要ですか?
【5分で読めます!】水冷式のエンジン車にはエンジン冷却装置であるラジエーターは必須です。ラジエーターには常時冷却水(クーラント)が満たされている必要があります。
クーラントが規定量あるかどうかは、ラジエーター本体の上部にあるラジエーターキャップを開けて調べるのではなく、ラジエーターキャップのすぐ下から出ているホースの先にあるクーラントリザーブタンクで調べます。
クーラントリザーブタンクには上限と下限を示す2本のラインがあって、クーラントがこの2本のラインのあいだにあれば正常です。
ただし、ラジエーター本体とリザーブタンクとの間ではクーラントが常時行ったり来たりを繰り返しているので、規定量が入っているかどうかを確認するには、エンジンが冷え切った状態で行う必要があります。
少量の継ぎ足しならエア抜きは不要
クーラントは蒸発して自然減することがあります。ただし、この場合はほんのちょっと減るだけなので、減った分だけクーラントを継ぎ足しすれば問題ありません。
少量なら水道水の継ぎ足しでも大丈夫です。
全交換ならエア抜きは必須
クーラントがほんのわずかに自然減した程度なら、減った分だけ継ぎ足しすればいいのですが、クーラントの循環経路のいずれかに亀裂やヒビが入り、みるみる量が減っているようなケースでは、亀裂やヒビを補修したり、必要な部品を交換したりして、クーラントが漏れないようにする必要があります。
こういうケースでは、ラジエーターのドレンからいったんクーラントをすべて抜き取り、必要な修理・交換をしてから、新品のクーラントを入れる必要があります。
つまり、継ぎ足しではなく全交換です。
このようにクーラントを全交換する場合は、ただクーラントを注入すればいいのではなく、「エア抜き」と呼ばれる作業が必要です。
エア抜きをしないでいると、エンジンをかけた際にクーラントリザーブタンクからクーラントが吹き出します。
クーラントの循環経路は複雑な形状に入り組んでいて、特にエンジン周辺には文字通りエアポケットができやすいのです。クーラントをただ注入するだけでは必要量の9割程度しか入らないといわれています。
必要量の10割のクーラントをしっかり注入するには、エア抜きをしてエアポケットを解消する必要があります。
クーラントのエア抜きエア抜き。 pic.twitter.com/5kw3qeC85X
— SDI (@SDIx2) April 22, 2021
エア抜きの方法
クーラントのエア抜き作業は次の工程で行います。※あくまでも、いったんエンジンを冷やしてから行ってください
- ラジエーターキャップを外し、エンジンをかける
- そのままサーモスタットが水弁を開くまでエンジンをかけ続ける
- ラジエーターあるいはリザーブタンクから大小の水泡が出続け、やがて泡が出なくなるまでエンジンをかけ続ける※車種によってはいつまでやっても小さな泡が出続けるものもある
- 上記のあいだ、クーラントが減ってきたら継ぎ足す
- 泡が出なくなったらエンジンを切り、エア抜き終了
なお、業者さんにクーラント全交換を依頼した場合、クーラント液の注入だけだと工賃込みで3,000円~6,000円が相場です。エア抜きも含めるとトータルで10,000円前後かかると思います。
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