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トラックの冷却水が減るのは危険信号|オーバーヒートか?
トラックの冷却水が減るのは危険信号です。放置しておくとエンジンがオーバーヒートを起こし、修理代がとんでもなく高くつきます。早めに対策をとる必要があります。
冷却水が減る:軽度のケースと重度のケース
水冷式エンジン車の場合、ガソリン車のトラックでもディーゼル車のトラックでも、エンジン冷却装置であるラジエーターが付いていて、ここには常に冷却水が満杯になっていなければなりません。
ラジエーターの上部にラジエーターキャップがあり、ラジエーターキャップのすぐ下からホースが出て、ホースの先にクーラントリザーブタンクがあります。
クーラントリザーブタンクには2本のラインがあって、冷却水はこの2本のラインのあいだにあるのが正常です。もしも下限のラインより下にあったら、補充する必要があります。
冷却水はそうめったに減るものではありませんが、蒸発してちょっとだけ減るということもあるので、下限のラインより少し減る程度ではあまり問題ではなく、補充するだけでOKです。
しかし、クーラントリザーブタンクが完全に空になっている、あるいはラジエーター本体に半分しか入っていない、あるいはラジエーター本体も完全に空っぽになっている、といったケースは本物の異常事態です。
冷却水がこういった異常な減り方をした場合は、素人が中途半端な判断をするのは危険です。すぐにプロに診断してもらい必要な修理をしてもらってください。
冷却水が減る原因
トラックの冷却水が減る原因は様々ですが、主に下記のような原因が考えられます。
- ラジエーターのいずれかの箇所で錆びが発生して穴が開き、そこから冷却水が漏れる
- ラジエーターの下部を岩などにぶつけて亀裂が入り、そこから冷却水が漏れる
- クーラントリザーブタンクがエンジンの熱で劣化して冷却水が漏れる
- ラジエーターホースが劣化して冷却水が漏れる
- ラジエーターキャップが劣化して冷却水が漏れる
冷却水が漏れていると、漏れた冷却水がエンジンの熱で蒸発する際に、薬品っぽい甘いニオイを発します。また、駐車した後にシミができます。
わずかな冷却水漏れならともかく、ラジエーター本体が空になるようなケースでは、間違いなく運転席のメーターパネルにある水温警告灯が点灯または点滅するはずです。
プロの診断を受ける
冷却水が減り、減っている状態を放置してトラックを走らせ続けると、水温が異常な温度に上昇します。すると、運転席の水温警告灯が点灯または点滅し、そのうちにアクセルを踏んでも加速しなくなります。ヒーターを付けている場合なら、信号待ちの時と走行中で温風の温度が大きく変わったりします。
さらにそれを放置して走行を続けると、完全に車が動かなくなり、エンジンルームから白い煙が上がります。この状態まで「やらかしてしまう」と、これはもう完全なオーバーヒートであり、エンジンその他に大小の後遺症を残します。
こうなる前に、プロの診断を受けてください。エンジンを破壊してしまうと、エンジンの修理代というのは工賃だけで10万とか20万は平気でかかりますし、エンジン載せ替えとなると80万とか100万は当たり前です。リビルド品が見つかっても、工賃は変わらないので、トータールで数十万円は必ずかかります。
エンジン以外にもラジエーター本体や冷却ファンやラジエーターホースやウォーターポンプなどを交換するとなると、5万、10万、15万というように金額は積みあがっていきます。
水冷式エンジン車のエンジン冷却システムは、ある意味最重要な部分です。エンジンそのものはそうめったに壊れませんが、エンジン周辺の冷却装置がやられると、あっという間にエンジンそのものまで壊れます。
すみやかにプロの診断を受けてください。勝手に自己判断で安心しないでください。
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