自然吸気エンジンとは
普通、エンジンと呼ばれるものは、ほとんどが自然吸気エンジンです。空気取り入れ口から空気を吸い込み、この空気と燃料を混ぜてシリンダー内で燃焼します。
車のエンジンも、オートバイのエンジンも、耕運機のエンジンも、草刈り機のエンジンも、ほぼすべてが自然吸気エンジンです。
「自然吸気」とあえて呼ばれる理由は、下記に出てくるターボチャージャーやスーパーチャージャーなどの過給機を使って空気を取り入れる方式のエンジンが開発されたために、これらと区別する意味で「自然吸気」と呼ばれるようになりました。
過給機付きエンジン:ターボチャージャーとスーパーチャージャー
自然吸気エンジンは、エンジン燃焼に必要な空気を空気吸入口から取り込んでいます。その際、特別な機械は使用しません。
これに対して、ターボチャージャーやスーパーチャージャーがついたエンジンは、空気を取り入れる際に「過給機」を使います。
ターボの場合は、エンジンの排気の流れを利用してコンプレッサーを動かし、このコンプレッサーの力でエンジンが吸入する空気の密度を高め、より多くの酸素を燃焼室に送るシステムです。
スーパーチャージャーは、クランクシャフトからベルトなどを介して取り出した動力、あるいは電動モーターを使い、コンプレッサーを駆動して、強力に空気を圧縮して、より多くの酸素を燃焼室に送ります。
ターボもスーパーチャージャーも、方式は異なるものの、「過給機」を使って圧縮した空気を燃焼室に送る点は共通しています。
燃費あるいはメリット・デメリット
技術の進歩は日進月歩で、以前のように自然吸気とターボとスーパーチャージャーの違い、燃費の違い、メリットやデメリットなどを明確に語ることができなくなっています。
以前なら、「自然吸気はターボやスーパーチャージャーより燃費がいい」とか、「自然吸気はコストが安くターボやスーパーチャージャーは高い」などと語ることが可能でしたが、今は事情が違います。
たとえば、燃費に関して。
現在販売されている車に装着されたターボやスーパーチャージャーは、自然吸気エンジンより燃費がいいものがほとんどです。
メーカーは、燃費性能向上のためにターボやスーパーチャージャーを使っているといってもいいくらいです。
私が現在乗っているフォルクスワーゲン・ゴルフは、排気量1.2リットルでターボ付きエンジンですが、リッター平均18キロは走ります(山梨の田舎で、信号が少ないもので・・・)。
たぶん、1.2リットルの自然吸気エンジンの車より燃費はいいと思います。
このように、現在のターボやスーパーチャージャーは、1970年代や80年代の頃に販売されていた過給機エンジンとは全く性格が異なります。
昔のターボなどはガソリンをばらまいて走るような車ばかりでした。
とは言え、現在の車でも、燃費性能にはあまり頓着しないで、ひたすら動力性能向上を目指したターボやスーパーチャージャーもあります。
作り方で何とでもなる、というところだと思います。
一般論で、自然吸気は・・・、ターボは・・・、スーパーチャージャーは・・・などと言ってもあまり意味がなくなりつつあります。
個々の車の特徴を確認するのが一番だと思います。
下記の記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。