【超丁寧解説】車のオーバーヒートとは?意味は?点検で防止できる?

車・オーバーヒートとは・意味

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車のオーバーヒートとは?意味は?

オーバーヒートとは、エンジンが異常な温度にまで高くなる現象のことです。

現在の車のほとんどは水冷式のエンジンですが、水冷式の場合、エンジンの周りに冷却水が血管のように張り巡らされていて、エンジン温度が常に一定の範囲内(60度~90度くらいの範囲)にとどまっているように調整されています。

また、エンジンオイルもエンジン周辺を循環していて、金属の摺動部の潤滑を促進するだけでなく、冷却効果も果たしています。

オーバーヒートは、こうしたエンジンとエンジン周辺のパーツ・装置が正常に働いている限りは、まず発生しません。

まれに、たとえばサーキット走行とか峠道のスポーツ走行などでエンジンを酷使すると、本来の冷却能力を上回る負荷がエンジン周辺にかかるため、結果としてオーバーヒートを引き起こすことがあります。

しかし、こうしたオーバーヒートは、車を停止させてアイドリング状態で一定の時間を過ごせば、ほぼ元通りに回復します。

しかし、エンジンの周辺で下記のような不具合があると、エンジンはオーバーヒートを起こし、不具合個所を修理または交換しないと元には戻りません。

  • ラジエーター本体にサビ等で穴が空き冷却水が漏れている
  • 事故で車の下部を打ち付けラジエーターに穴が開いて冷却水が漏れている
  • 冷却水を適温に保つサーモスタットが故障している
  • 渋滞時に活躍する冷却用電動ファンが故障している
  • 冷却水を循環させるウォーターポンプが故障している
  • ラジエーターホースまたはラジエーターキャップが劣化し水漏れがある
  • ラジエーターリザーブタンクが劣化して水漏れがある
  • エンジンオイルの量が不足している(オイル漏れまたはオイル上がり・オイル下がりなど)

こうした原因も、何かしら症状が現れます。

たとえば、エンジンルームから水蒸気が上がったり(冷却水漏れ)、駐車中に車の下に冷却水やオイルが滴り落ちていたり(ガスケットやホース等の破損・劣化)、マフラーから青白い煙が出たり(オイル上がり・オイル下がりの場合)、と様々です。

また、各種警告灯が点灯または点滅するはずです。点灯・点滅するのは、

  • 水温警告灯
  • エンジンオイル警告灯
  • エンジン警告灯

などです。

点検で防止できる?

昔はともかく、最近の車はオーバーヒートなんてしないだろう

と思っている方も多いでしょう。しかし、夏場に高速道路を走った経験のある方はそうは思わないはずです。

今でも、夏の暑い時期などでは、主に高速道路で路側に車を止め、ボンネットを開けている光景をしばしば見かけます。

最近の車であっても、日頃からちゃんと点検・整備していない車はオーバーヒートを起こしやすいのです。

オーバーヒートを防止するためには、日ごろから下記のような点検・メンテナンスを行うべきです。

  1. 冷却水(ロングライフクーラント)の量を確認する:エンジンルームのクーラントリザーブタンクの目盛りで確認。
  2. エンジンオイルを定期的に交換。その際、2回の交換に1回はオイルエレメント(オイルフィルター)を交換する。
  3. 駐車場にオイルのシミや冷却水のシミがあったらすぐに対応する。
  4. エンジンルームから甘いにおいがしたらすぐに対応する。冷却水は熱で蒸発すると甘いにおいを発します。
  5. メーターパネルの各種警告灯が点灯・点滅したら、放置しないで対処する

日頃から上記のようなことを心がけていればオーバーヒートが発生することはまずないと思います。

どんな兆候がオーバーヒートか?

車のエンジンがオーバーヒートを起こすと、つぎのような症状が発生します。

  1. アクセルを踏んでも加速しない
  2. エンジンルームから白い煙(水蒸気)が上がる:冷却水漏れ
  3. エンジンルームから甘い匂いがしてくる:冷却水漏れ
  4. エンジンルームから油のにおいがしてくる:エンジンオイル漏れ
  5. 水温警告灯が点灯または点滅する
  6. エンジン警告灯が点灯または点滅する
  7. 水温計が90度を超えてくる(適正水温は60℃~90℃のあいだ)

大切なことは、上記のような症状が起こった際に、これを放置しないことです。

修理費用の相場

一般的に、オーバーヒートで修理することになった場合、不具合の状況に応じて下記のような修理費用が発生します。

  • 冷却水の補充:1,000円~2,000円が相場
  • ウォーターポンプの交換:40,000円~60,000円が相場
  • サーモスタットの交換:10,000円前後が相場
  • ラジエーターそのものの交換:30,000円~100,000円が相場
  • ラジエーターホースの交換:10,000円~30,000円が相場
  • ラジエーターキャップの交換:1,000円~2,000円が相場
  • 冷却用電動ファンの交換:20,000円~80,000円が相場

上記の修理では追い付かず、エンジンそのものにダメージが及んでいる場合は、桁違いの出費となり、実質的に修理不能という状態になってしまいます。

そうなると、エンジンの載せ替えか車を乗り換えるしかありません。エンジン載せ替えの場合は500,000円~1,000,000円は当たり前にかかります。うまく中古エンジンやリビルド品が見つかった場合でも、エンジンそのものの代金は新品の3割から4割引きくらいになりますが、工賃は変わらないので、やはり数十万円の出費は確実にかかります。

オーバーヒートが発生した時の対処法

オーバーヒートが発生したら、自動車整備のプロでない限り、自分でなんとかしようとするのではなく、JAFまたは自動車保険のロードサービスを呼び、車をディーラーや整備工場にレッカー搬送してもらってください。

そこでちゃんとした診断と修理をしてもらいましょう。

ただし、JAFや自動車保険のロードサービスが駆けつけてくれるまでのあいだ(30分前後)、応急的な対応をとる必要があります。

冷却水が空っぽになっていたり冷却ファンが回らない状態の場合は、エンジンを止め、ボンネットを開けてエンジンルームを自然冷却してください。

冷却水はちゃんとあり、冷却ファンも回転しているようなケースでは、エンジンを止めないでアイドリング状態を保ち、ボンネットを開けてエンジンルームに風を当てて冷却します。

こうしたことをJAFか自動車保険のロードサービスが駆けつけてくれるまでのあいだ、自助努力として行ってください。

レッカー搬送は無料

オーバーヒートで現場にJAFを呼んだ場合、JAFの会員であれば無料でレッカー搬送してくれます。

JAFの非会員であってもその場でJAFに入会できます。ただし、レッカー搬送が無料になるのは次回サービス提供時からで、その場では13,310円かかります。

自動車保険のロードサービスは、どの会社の自動車保険にも自動付帯しています。もれなく必ずついているサービスです。レッカー搬送は無料です。

自動車保険のロードサービスを利用しても、翌年度の等級には影響を与えません。ノーカウント事故として扱われます。また保険料も上がりません。

オーバーヒートは車のトラブルの中で深刻度が最も高いトラブルの一つです。いざオーバーヒートになったら、躊躇なくこうしたサービスを利用してください。

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⇒⇒オーバーヒート時はエアコン付ける?ヒーターで熱拡散?

⇒⇒オーバーヒートでエンジン停止の影響|後遺症・ダメージは?

⇒⇒車|水温警告灯が点灯|オーバーヒートでエアコン効かない

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