ラジエーターキャップには圧力で沸点を上げる役割がある!
ラジエーターキャップはラジエーター本体の上部に付いているフタですが、ただのフタではありません。
次の3つの機能が付与されています。
- 密閉弁:ラジエーター本体から冷却水を外に漏らさない役目
- 加圧弁:通常なら100度前後で沸騰する冷却水を120度程度にならないと沸騰しないように常時圧力を加える役目。120度程度にまで温度上昇したら冷却水を一時的にリザーバータンクに逃がします。
- 負圧弁:温度上昇で一時的にリザーバータンクに逃がした冷却水を、温度が下降してラジエーター内に負圧が生じたらリザーバータンクから戻す役目
このページのテーマは②の加圧弁としての役割です。
もしもラジエーターキャップに加圧弁としての役割がなかったら、冷却水は100度程度で沸騰してしまいます。沸騰するとヤカンのお湯のように気泡が発生するので、気泡の部分はエンジン冷却機能を果たしません。また、全体として膨張するので冷却経路のあちらこちらに負荷をかけることになり、そのまま放置しておくと弱い部分から破壊していく結果になります。
こうしたトラブルを避けるために、ラジエーターキャップが冷却システムを加圧し、120度程度にならないと冷却水が沸騰しないように力で抑え込みます(沸点を上げる)。この働きにより、冷却水が100度を超えても依然としてエンジン冷却という当初の目的を果たし続けることができます。
もしも、あまりにも加熱上昇が激しくなって、120度を超えるような事態になったら、加圧弁としての役割を一時的に放棄して冷却水をリザーブタンクに逃がします。これにより冷却システムが破壊されることを防止するのです。
ラジエーターキャップには3つの機能がありますが、その中で最も重要な役割が加圧弁としての機能(沸点を上げる機能)です。ラジエーターキャップはスプリングとゴムパッキンで成り立つパーツで、部品代も1,000円~1,500円程度の安価なものですが、冷却システムの中でとても重要な役割を果たしています。
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