エンジンブローとは:原因と症状
エンジンブローとは、エンジンが壊れることです。壊れるのにも程度がありますが、しかし、エンジンの場合はいったんトラブルが発生すると、これを修理する場合には、部品代の心配をする前にまずは工賃が50,000円とか100,000円といった単位でかかります。これに壊れた部品代が追加されていきますから、とにかくエンジンブローとなったら、相当な出費を覚悟するか、場合によっては車の買い替えを検討しなければならないと思います。
エンジンブローの症状は、厳密にいえば、原因別に異なるのですが、とにかく音です。異音です。金属質の普段聞こえないような音、聞いていて空恐ろしくなるような音がエンジンルームから聞こえてきたら、即座に車を安全な場所に停止させ、レッカー車でディーラーや整備工場に移送してください。詳細はプロに見てもらってからです。自走しないでレッカーで移動すべきです。
さて、エンジンブローの原因ですが、以下のようなケースが考えられます。
- レッドゾーン領域で回し続けたために吸排気バルブが回転についていけなくなり(バルブサージング)、やがてバルブとピストンが衝突してバルブの破片がシリンダー内に落ち、エンジン内部を損傷させる(バルブクラッシュ)。
- エンジンの異常燃焼であるノッキングが発生し、ピストンの棚落ち、ピストンの融解、ピストンリングの破損、吸排気バルブの融解、シリンダーヘッドの融解などの損傷を与える。
- ウォーターハンマーと呼ばれる現象で、台風などで水没したエンジンを回すと、エアインテークからシリンダー内部に水が侵入し、コンロッドやクランクシャフトを破損する。
- 事故など外部からの強い衝撃によりシリンダーブロックやクランクシャフトなどがぶっ壊される。
- エンジンオイル不足、あるいは交換頻度が少なすぎて、エンジン内部の潤滑が十分に行われずに、ピストンやシリンダーその他が損傷する。
その他、タイミングベルト、タイミングチェーン、ウォーターポンプ、各種ガスケット(パッキン)などの劣化や損傷によるトラブルなど、数えきれない要因によりエンジンブローが発生します。
車両保険は使えるか
エンジンブローが発生した場合、その原因が事故などの外部からの衝撃によるもの、台風による水没などの災害によるもの、こうしたものであれば車両保険が使えます。ただし、同じ災害でも地震は免責事項に該当し、保険金はおりません。
エンジンブローの原因が、ドライバーの操作による結果発生したもの、経年劣化により発生したもの、メンテナンス不足により発生したもの、こうしたケースは車両保険の対象外で、保険金は支払われません。
ただし、走行中などにエンジンブローが発生し、自動車保険に自動付帯しているロードサービスを利用してレッカー移動などをしてもらうことは可能です。ほとんどのケースで無料でレッカー利用できます。そして、ロードサービスを利用しても翌年度の等級は下がりませんし保険料が上がることもありません。
音で分かります
エンジンブローは音で分かります。必ず何らかの異音が発生します。エンジンブローの原因が何であれ、いつもと違ったヘンな音が必ずします。ヘンな音がしたら、そのまま放置しないで、車を安全な場所に停止し、JAF会員ならJAFを、JAF会員でなければ自動車保険(任意保険)のロードサービスを呼び、ディーラーか修理工場に移送してもらうべきです。無理して自走すると修復不能にまで悪化させます。
修理費用
エンジンブローの修理費用は、壊れた場所、その程度により、ピンキリです。
しかし、分解しないと修理できないので、工賃だけで50,000円~100,000円は軽く飛びます。程度が軽い場合でも200,000円~300,000円は覚悟が必要ですし、エンジン載せ替えとなると500,000円~1,000,000円は普通にかかります。中古エンジンやリビルド品であればもうちょっと安くできます。
いずれにしても、エンジンにトラブル発生・・・となると、工賃だけでまとまった費用が掛かりますので、ある種の覚悟が必要です。
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