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無効噴射時間とは
無効噴射時間とは、エンジンの燃料噴射装置であるインジェクターにかかわります。
インジェクターはシリンダー内に燃料を噴射する装置ですが、詳細に見ると、インジェクター内のソレノイドコイルに電流が流れることで噴射弁が開く構造になっています。
その際、ECUから噴射の指令がソレノイドコイルに伝達され、ソレノイドコイルに開弁のための電流が流れたとしても、噴射弁の性質上、開弁には一定の機械的な時間がかかります。指令と同時、というわけにいきません。
このように、ソレノイドコイルに電流が流れ始めてから実際に噴射弁が開くまでの遅延時間のことを無効噴射時間と呼びます。
無効噴射時間は開弁だけでなく閉弁の際も発生するのですが、ただし、噴射弁の性質上、弁が閉じるときの機械的動きは瞬間的なもので、特に問題にはなりません。無効噴射時間が問題になるのは、あくまでも噴射弁が開くまでの遅延時間です。
測定方法とセッティング
無効噴射時間が常にどんなケースでも全く同じタイムだけかかるのであれば、最初にその遅延分をセッティングしておけばノートラブルということになります。
しかし、無効噴射時間は電圧の変化でそのタイムが変動します。たとえば、ヘッドライトを点灯している場合とか、カーナビやカーオーディオなどの比較的電圧変化の大きな電装品がONになっている場合とOFFになっている場合では、遅延時間に長短が生じます。
そこで、一般的なフルコンでは、各電圧ごとの無効噴射時間を設定する項目があって、そこにデータを打ち込んでやれば、たとえ電圧が変化しても常に一定の無効噴射時間になるように補正をかけてくれる機能があります。
したがって、最初に各電圧ごとの時間を測定してセッティングしておけば、実用的なインジェクターとして使用可能になります。
下記の記事も参考になさってください。
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