画像:HONDA.co.jp様より
カムギアトレーンとは:構造・仕組み
カムギアトレーンとは、4サイクルエンジンで吸排気バルブを作動させるカム、このカムを動かす装置のことです。
いわゆるタイミングベルトとかタイミングチェーンと同じ役割を果たす装置です。
車であれバイクであれ、一般的な4サイクルエンジンでは、クランクシャフトとカムシャフトがベルトあるいはチェーンで連結されていて、クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝え、一本の棒であるカムシャフトは串刺しにした複数のカムを作動させることで吸排気バルブの開閉を行います。
カムギアトレーンは、こうしたベルトあるいはチェーンが果たしている役割を複数のギアの連結によって行っています。
レース車両などの高回転・高出力のエンジンに使われたり、農業機械や産業用のディーゼルエンジンにも多用されています。
しかし、製造コストが高いために、一部バイク以外の市販車にはあまり採用されていない機構です。
メリット
カムギアトレーンのメリットは以下の通りです。
- チェーンやベルトではテンショナーなどの押さえつけ機構が必要だがカムギアトレーンには不要
- カムギアトレーン自身の振動が少なく、バルブタイミングの精度を高めることができる
- バルブタイミングの精度の高さからレース車両にも使える機構
デメリット
カムギアトレーンのデメリットは以下の通りです。
- タイミングチェーンやタイミングベルトに比べて駆動損失が大きい※バルブタイミングの精度は高いが駆動損失は大きいということ
- コストが高くなる
音の特徴
タイミングベルトは音が静かですが、タイミングチェーンはやや金属質の音がします。
カムギアトレーンはギアの塊なので、チェーンよりさらに金属質の音がします。まるで電動モーターのような高音の響きです。
バイクでは、ホンダのホーネット250が有名です。ただし生産終了車ですが。
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ご覧いただきありがとうございました。