クーラントのエア抜きしないと沸騰してあふれます!
クーラントが蒸発でちょっとだけ自然減したので補充する場合なら、エア抜きは不要です。ただ単に減った分だけ補充すればいいと思います。
しかし、冷却システムのいずれかに不具合がある場合、修理するにはいったんクーラントをすべて抜き取って、修理が完了したら新しいクーラントを注入します。
このようにクーラントを全交換する場合、ただ単に注入するだけでは本来必要な量の9割強しか入りません。
それは、クーラントの経路が複雑に入り組んでいて、とりわけエンジン周辺にはエアポケットができやすいので、ただクーラントを注ぐだけでは隅から隅まで埋め尽くすことができないからです。
エア抜き作業をやらずにただ注入しただけでエンジンをかけると、エアポケットに溜まっていた空気がエンジンの熱で膨張します。つまり体積が一気に増えてしまうのです。
その結果、膨張した空気がクーラントを押し戻すことになり、いわゆる「逆流」してリザーブタンクからボコボコと沸騰したクーラントがあるれることになります。
エア抜きのやり方
クーラントのエア抜き作業は次の工程で行います。※あくまでも、いったんエンジンを冷やしてから行ってください
- ラジエーターキャップを外し、エンジンをかける
- そのままサーモスタットが水弁を開くまでエンジンをかけ続ける
- ラジエーターあるいはリザーブタンクから大小の水泡が出続け、やがて泡が出なくなるまでエンジンをかけ続ける※車種によってはいつまでやっても小さな泡が出続けるものもある
- 上記のあいだ、クーラントが減ってきたら継ぎ足す
- 泡が出なくなったらエンジンを切り、エア抜き終了
エア抜きはDIYでもできますが、業者さんにクーラント全交換を依頼した場合、工賃込みで3,000円~6,000円が相場です。
もっとも、そもそもクーラントを全交換するようなケースは、冷却システムのいずれかに不具合が発生しているケースなので、エア抜き作業だけDIYでやっても意味がありません。その他不具合箇所をDIYでできないのであれば、それらを含めてプロに修理してもらうしかないと思います。
下記の記事も参考になさってください。
⇒⇒クーラント(冷却水)に水混ぜる|水道水or精製水どっち?
⇒⇒ロングライフクーラント(LLC)とはラジエーター液|交換時期と費用|色・成分・廃棄方法・車検
⇒⇒不凍液に使われるグリセリンは毒性がないというのは本当ですか?
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