ラジエーターキャップとは|構造と役割を解説します!
ラジエーターキャップとはラジエーターの上部に付いているフタのことです。でも、ただのフタではありません。けっこう複雑な構造をしていて、3種類の役割を果たす、かなり重要なパーツです。
構造と役割
そもそも水冷式エンジン車にはエンジン冷却装置が必要で、それがラジエーターです。ラジエーターには常時冷却水が満たされていて、その冷却水をウォーターポンプによってエンジン周辺に循環させることでエンジンの熱を引き取り、熱くなった冷却水をラジエーターで空気中に放散させます。
その際、ラジエーターキャップは加圧弁としての役割を果たしていて、普通なら100度程度で冷却水が沸騰するところを、120度前後になるまで沸騰しないように常時圧をかけ続けています。これにより、冷却水が熱膨張することを防止しているのです。
しかし、スポーツ走行などでエンジンが高回転を続けるようなケースでは冷却水の温度は100度を超え、そのうちに沸騰するまでに温度上昇するのですが、そのままでは冷却系統を破壊してしまいますから、ラジエーターキャップは冷却水をリザーブタンクに逃がします。つまり、設定した圧力を超える状態です。
やがて、エンジンの温度が下がってくると、ラジエーター本体の内圧も下がってきて、内部が負圧の状態になります。負圧の状態とは、吸い込もうとする力が働く状態です。そこで、ラジエーターキャップのもう一つの役割である負圧弁が機能して、リザーブタンクにいったん逃がしていた冷却水をラジエーター本体に戻す働きをします。
このように、ラジエーターキャップは加圧弁と負圧弁の2つの役割によって、冷却水を移動させる機能を果たしています。
もちろん、ラジエーター本体から冷却水が外部に漏れ出さないようにする密閉弁としての役目も果たしています。
つまり、ラジエーターキャプは、
- 加圧弁
- 負圧弁
- 密閉弁
の3種類の役割を果たしています。
なお、ラジエーターキャップの構造は、主にスプリングの働きを利用しています。スプリングとシール部分を組み合わせた構造で、しかも、常時90度を超える冷却水と接触しているパーツなので、車検ごとに交換が推奨されている装置でもあります。
交換費用
ラジエーターキャップの部品代は1,000円~1,500円ほどです。自分で交換できます。ただし、エンジンが完全に冷えている状態で交換しないと、熱湯が吹き出して大やけどをします。
ラジエーターキャップには純正品と社外品がありますが、純正品でもそれほど高くはないので、交換するのであれば純正品にしたほうが安心です。
下記の記事も参考になさってください。
ご覧いただきありがとうございました。