車の異音|「カタカタ」という音と振動の原因は?
車の停止中、あるいは走行中に、「カタカタ」という異音が発生することがあります。その際、音だけでなくはっきり感じ取れる振動も同時に発生するようなケース。
このようなカタカタ音と振動が発生する原因としては以下のようなものが考えられます。参考になさってください。
- エンジンマウントブッシュの劣化:エンジンはボディーと直に接続されているのではなく、あいだにゴムをはさんで振動を吸収するような構造になっています。このあいだに挟むゴムのパーツのことをエンジンマウントブッシュといいます。これが劣化してくると硬くなって衝撃吸収力が衰え段差を乗り越えた際などにカタカタという音と振動を発することがあります。
- サスペンションのマウントブッシュの劣化:エンジンマウントブッシュと同様です。足回りを支えるショックアブソーバーとコイルスプリングの付け根にはゴム製の緩衝材であるマウントブッシュがあり、ここが劣化して硬くなると走行中にカタカタという音と振動を発することがあります。
- タイミングベルト(タイミングチェーン)の劣化:クランクシャフトの動きをカムシャフトや吸排気バルブの動きに伝えてエンジン全体の動きをシンクロナイズする働きをするパーツがタイミングベルト(タイミングチェーン)です。このパーツはほぼ無交換で大丈夫なものもあれば10年程度で寿命が来るものもありますが、いずれにしても劣化してくると動きが渋くなって様々な異音と振動を発するようになります。カタカタという音と振動もその1つです。
- ブレーキローターまたはブレーキパッドの摩耗:ディスクブレーキのブレーキローターやブレーキパッドが劣化してくると、摩耗部分が均等に減らずに偏摩耗になったり傷がついたりするようになり、ブレーキを掛けた際にいわゆるジャダーと呼ばれる音と振動を発します。ジャダーが発生する場合の音と振動には劣化の状況に応じて様々種類がありますが、カタカタもその中の1つです。
- ABS(アンチロックブレーキングシステム)が作動している:強くブレーキを踏み込んだ際にカタカタという音と振動が発生するのは、ABSが作動している場合が考えられます。ABSはタイヤがロックしないように、ブレーキパッドがブレーキディスクを締めるー緩めるー締めるー緩める・・・を繰り返すことでハンドル操作ができる余裕を与えます。その際、カタカタという音と小刻みな振動を発します。
- タイヤがタイヤハウスの天井に当たる:車高調やダウンサスを取り付けた場合に発生しやすいことで、段差を乗り越えた際にタイヤとタイヤハウスの天井がぶつかることがあります。速度域によってさまざまな音と振動が発生しますが、カタカタと聞こえるようなケースもあります。
- 車体のきしみ音:ボディーが劣化していると段差でカタカタと音と振動がすることがあります。また、ローダウンした際にインナー切り上げ加工などを施してある場合にも、段差でカタカタが発生することがあります。
- ショックアブソーバーの不具合:ショックアブソーバーがいわゆるガス抜けしている場合は、段差で縮み切った際に底付きをしてカタカタとかガタガタという異音と振動を発することがあります。またショックアブソーバーを短めに調整している場合には、段差でいったん縮んでから伸び切った際にカタカタとかゴトゴトといった音と振動を発することがあります。
- 足回りのいずれかの箇所のナットが緩んでいる:これは怖いケースですが、足回りのいずれかのパーツの接続部分のナットの緩み、これがカタカタという異音と振動の発生源である場合があって、放置すると大きな損傷や事故に直結するのですぐに対応する必要があると思います。スプリング、ショックアブソーバー、スタビライザー、車高調のロックシート、ラテラルロッド、リアアクスル、ステアリングロッド、などなど。
- ハブリングが適正サイズでない場合:純正ホイールには不要ですが社外ホイールの場合はハブリングを入れないと隙間ができてしまいます。その際、適正サイズ(径)のハブリングを入れていない場合に、段差などでカタカタという異音と振動を出すことがあります。また、ハブリングが適正でないためにやがてホイールナットも緩みだすことがあって、その場合もカタカタという異音と振動を発生させることがあります。
- ベルト類、プーリーの不具合:車はエンジンの回転をベルトを介して様々な補機に伝えています。たとえば、オルタネーター、エアコンコンプレッサーなどです。こうしたベルトやベルトの回転を支えるプーリー部分が劣化してくるとカタカタという異音と振動が発生することがあります。
- オーバーヒートの発生:エンジンが異常な高温状態になることをオーバーヒートといいますが、オーバーヒートになるとエンジンそのものからカタカタという異音と振動が出ることがあります。
- ボンネットヒンジ部分の劣化:ボンネットの付け根にあるヒンジ部分が錆などによって劣化すると、エンジンが回転しているあいだ常時カタカタという音と振動を発することがあります。
- アライメント調整が狂っていたり、ホイールバランスが取られていなかったりするケースでも、いつもと違う異音と振動が出ることがあります。
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