スタッドレスタイヤに慣らし運転は必要ですか?
新品のスタッドレスタイヤに履き替えた場合、慣らし運転はやったほうがいいと思います。慣らしをやらなければ超危険というほどではないものの、やはり、やらないよりやったほうがいいと思います。
タイヤの慣らしは皮むきとも呼ばれますが、これをやったほうがいいというのには理由があります。
タイヤの製造工程としては、溶けたゴムを金型成型に入れ、固まったところで取り出します。その際、高温の金型表面と直に接触するゴムの一番外側部分には薄い被膜が発生します。
下したての新品スタッドレスのトレッド面(路面と接触する面)にはこの薄皮が残っているので、スタッドレスタイヤに要求される3つの性能である「引っかき」「吸水」「密着」の性能が100%発揮できない状態にあります。
そこで、慣らしとか皮むきと呼ばれる走行をすることでこの薄皮を剥がす必要があるのです。
ただ、慣らしや皮むきをやらないと超危険なことになるかと言うと、そこまで極端な違いはないと思います。やや食いつきが悪い、やや滑りやすい、といった程度の違いで、新品タイヤだから慎重に走ろうと気をつければ対応できる範囲だと思います。
とは言え、次の項目でご案内するように慣らし運転とか皮むき運転というのはそんなに手間がかかることではないので、やらないよりやったほうがいいに決まっています。ぜひおやりになってください。安全のためです。
「慣らし」の方法
スタッドレスタイヤの慣らし運転は下記のような方法をおすすめします。
- 一般道を時速50km~60kmで100km~200kmの距離を走行する
- 高速道路で200kmくらいの距離を走行する
上記のいずれかでOKです。
要は、スタッドレスタイヤのトレッド面(路面と接する部分)にできるだけ様々な角度から負荷を与えて表面の薄皮を剥がせばいいわけです。
一般道なら、直線道路もあれば左右のコーナーもあり、また信号での停止、発進もあり、トレッド面に様々な角度の摩擦を発生させることができます。
高速道路はほぼ直線道路なので、やや距離を多めに走ることで対応する、ということになります。
また、新品のスタッドレスタイヤで慣らし走行をやったほうがいい理由には、上記のような薄皮を剥く目的だけではなく、タイヤのビード部分とホイールのリムを馴染ませる目的もあります。
最近のスタッドレスタイヤにはファーストエッジ加工と呼ばれる皮むき不要が謳われている製品があります。下したての新品状態からスタッドレスタイヤに要求される「吸水」「密着」「引っかき」の3性能を発揮するタイヤです。
しかし、こうした高性能タイヤであっても、従来より初期性能がいいというだけで、表面に薄皮が発生する物理特性は避けられませんし、また、ビードとリムを馴染ませるためにも、やはり皮むき走行あるいは慣らし走行はやったほうがいいと思います。たいした手間ではないのですから、やったほうがいいに決まっています。
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下記の記事も参考になさってください。
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