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スタッドレスタイヤを夏に使用するとバーストしやすい?
はい、確かにその傾向は強くなります。スタッドレスタイヤを夏場に使用し、とりわけ高速道路をハイスピードで飛ばしたりすると、夏タイヤよりもバーストしやすいことは確かです。
そもそもスタッドレスタイヤは雪道や凍結路で「引っかき」「吸水」「密着」するように作られています。そのために温度が低くてもトレッド面(路面と接触する面)のゴムが柔らかさを維持し続け、ペタッと路面にしっかり食らいつきます。
このゴムの特性が夏場には仇になります。うだるような熱を持った夏のアスファルトでスタッドレスタイヤを使用すると、ただでさえ柔らかい材質のゴムが路面の熱でさらにフニャフニャになって、高速道路を突っ走っているときなどは相当な負荷がトレッド面にかかります。
その結果、タイヤが耐え切れずにバーストする可能性が高まるのです。
ですから、スタッドレスタイヤを夏にも履き続ける場合は、こうした弱点をよく踏まえ、できるだけ高速道路は避ける、スピードを出さない、長時間連続して走らない、炎天下の走行を避ける、といった配慮が必要になります。
ただし、逆に言えば、こうした配慮をして注意深く使用するのであれば、春、夏、秋にスタッドレスを履き続けるのもアリだと思います。
夏場にスタッドレスを履き続けるデメリット
冬に履いていたスタッドレスを夏タイヤに履き替えずにそのまま通年使用した場合のデメリットを以下にご案内しておきたいと思います。
- 制動距離が伸びる:夏タイヤに比べてスタッドレスのトレッド面は柔らかくできていて、特に夏場の高温でフニャフニャになるのでブレーキ性能はかなり落ちます。フルブレーキテストでは夏タイヤより30%前後制動距離が伸びるというデータもあります。
- 濡れた路面での制動距離が特に悪い:制動距離は雨の日などの濡れた路面でさらに伸びる傾向があり、やはりフルブレーキテストでは夏タイヤより45%前後伸びるというデータがあります。
- 燃費性能が落ちる:スタッドレスのトレッド面は夏タイヤより柔らかく路面との接触面積が増えるのでどうしても燃費が落ちます。5%~10%燃費が悪くなるのが普通です。1本あたりの重量が夏タイヤより重いのも燃費には不利に働きます。
- 摩耗が早くなる:雪道や凍結路で本来の性能を発揮するように作られているので、普通のアスファルトを走ると摩耗が早まります。
- ノイズが大きい:夏タイヤよりトレッド面のパターンが複雑なのでロードノイズが大きくなります。
というわけで、もはや散々なありさま、弱点だらけですね。
でも、ちょっと待ってください。確かに、夏の炎天下でスタッドレスを使用する場合は注意が必要ですが、その他の場面では冬場だって同じことです。
冬にスタッドレスタイヤを履いている場合で、常時雪道や凍結路ばかり走るでしょうか?地域にもよりますしその年の天候にもよりますが、場合によってはせっかくスタッドレスに履き替えたのに、結局春になるまでほとんど雪が降らず路面も凍結しないシーズンだってあるはずです。暖冬の冬などは宝の持ち腐れ状態です。
そんなシーズンでは、ほとんどが乾燥したアスファルトか雨でぬれたアスファルトを走行することになり、そうなると、冬場以外にスタッドレスを履き続ける場合と大して違いがないことになります。
ネットではそこら中に「スタッドレスを通年使用するのは危険だ」といった言説が氾濫していますが、肝心の冬場だって雪が降らなければむしろ夏タイヤのままの方が安全なはずです。それなのに、判で押したように「夏は危険だ」などという指摘ばかり。
おかしいでしょ、それ。
要は、スタッドレスの弱点を自覚した上で、注意して使用すればいいのです。冬以外に使用しても要所要所注意すればいいのです。だって、冬だって雨が降るでしょ?雨の日はスタッドレスは制動距離が延びるのです。冬の雨の日の路面状況は春とか夏とか秋の雨の日の路面状況と、危険度に関してはたいして変わらないでしょ?
とは言え、炎天下の熱を持った道路をスタッドレスタイヤで走行する時は、バーストの危険があるので特別の注意が必要です。この点は繰り返し強調しておきたいと思います。
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下記の記事も参考になさってください。
⇒⇒スタッドレスタイヤを一年中履きっぱなしで寿命は何年? ⇒⇒スタッドレスタイヤを夏に使用|夏場に履きつぶすのはアリ? ⇒⇒オールシーズンタイヤの見分け方|スタッドレスとの違いは? ⇒⇒スタッドレスタイヤの寿命|5年目・6年目・7年目はOK? |
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