目次
ボンネットピン(ボンピン)とは?その役割と種類
ボンネットピンは、主にモータースポーツの世界で発展してきた自動車用部品です。
一般的には略してボンピンとも呼ばれ、軽量なFRP(エフアールピー)やカーボン製のボンネットが風圧で突然開いてしまうのを防ぐために装着されます。
例えば、1991年のル・マン24時間レースで日本車として初の総合優勝を果たしたマツダ・787Bなどのプロトタイプレーシングカーでも、カウルを確実に固定するためにこの仕組みが使われていました。
現在では、一般の市販車においてもスポーツカーを中心に、安全性を高める実用部品かつドレスアップパーツとして人気を集めています。
ボンネットピンには、大きく分けて昔ながらの金属ピンが露出した「スライド式」と、ボンネットの表面と平らになる「フラット式」の2種類が存在します。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| スライド式(ピン式) | 金属のピンを差し込んで固定する伝統的なタイプ |
| フラット式 | 表面が平らになり突起が出ない最新のタイプ |
| プッシュ式 | ボタンを押すことでロックを解除する小型のタイプ |
| この章のまとめ | |
|---|---|
| ボンネットピンの役割 | 軽量ボンネットが風圧で開くのを確実に防ぐ |
| モータースポーツ由来 | 過酷なレース環境で磨かれた信頼性の高い安全装備 |
| 主な種類 | 昔ながらのスライド式と最新のフラット式がある |
| 引用元 |
|---|
| グーネット「ボンネットピン(ボンピン)をつけたままでも車検は通る?」(2018年8月29日) |
外部突起規制とは?車検の合否を分ける保安基準の壁
ボンネットピンが車検に通るかどうかを判断する上で、最も重要なのが外部突起規制(がいぶとっききせい)という法律です。
これは道路運送車両法(どうろうんそうしゃりょうほう)の保安基準(ほあんきじゅん)に基づき、歩行者と車が接触した際の被害を軽減するために設けられた国際的なルールです。
具体的には、車体表面から5ミリメートル以上突出している部分は、その先端の曲率半径(きょくりつはんけい)が2.5ミリメートル以上でなければならないと定められています。
この厳しい基準を満たさない鋭利なパーツは、車検で「危険な突起物」と判定され、不合格となります。
また、ボンネットを固定する際は、ボンネットピン単独で支えるのではなく、車両に元から備わっている純正のストライカー(純正キャッチ)と併用することが推奨されています。
万が一ボンネットピンが破損した場合でも、純正キャッチが残っていれば走行中の大事故を防ぐことができるからです。
| 基準項目 | 詳細な数値・条件 |
|---|---|
| 突出量 | 車体表面から5ミリメートル以上の突起は規制対象 |
| 曲率半径(きょくりつはんけい) | 突起物の先端の丸みが2.5ミリメートル以上必要 |
| 安全確保 | 純正のボンネットキャッチと併用することが基本 |
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 外部突起規制 | 歩行者保護を目的とした厳しい国際基準 |
| 具体的な数値 | 突出量5ミリメートル以上、先端の丸み2.5ミリメートル以上 |
| 純正部品との併用 | 安全のため純正のボンネットキャッチは残しておく |
| 引用元 |
|---|
| 国土交通省「外部突起に係る基準の適用開始について」(2015年4月6日) |
年式による基準の違い【2009年と2017年がキーポイント】
この外部突起規制(がいぶとっききせい)は、すべての自動車に一律で適用されるわけではありません。
基準の対象となるのは、2009年(平成21年)1月1日以降に製作(新車登録)された、乗車定員10人未満の乗用車です。
これには3ナンバー、5ナンバー、7ナンバーの乗用車のほか、これらをベースにした8ナンバーの特種用途自動車も含まれます。
実はこの規制は、2017年(平成29年)3月31日までは適用が猶予されていましたが、2017年4月1日からは完全な適用が開始されました。
一方で、2008年(平成20年)12月31日以前に製造された車両は旧基準が適用されるため、この新しい外部突起規制の対象外となります。
また、1ナンバーの普通貨物自動車や、4ナンバーの小型貨物自動車といった商用トラックも、現在のところこの規制の対象から外れています。
| 車両の条件 | 外部突起規制の適用 |
|---|---|
| 2009年1月1日以降製造の乗用車 | 適用される(新基準対象) |
| 2008年12月31日以前製造の乗用車 | 適用されない(旧基準対象) |
| 1ナンバー・4ナンバーの商用車 | 対象外(適用されない) |
| 規制の完全適用日 | 2017年4月1日から全面適用 |
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 2009年の分岐点 | 2009年1月1日以降の登録車は新基準が適用される |
| 旧年式の特例 | 2008年12月31日以前の車は規制の対象外となる |
| 商用車の扱い | 1ナンバーや4ナンバーの車も対象外である |
| 引用元 |
|---|
| JAOS「《外部突起規制について》」(2019年4月) |
車検に通るボンネットピン・通らないボンネットピンの具体例
実際の車検現場において、どのようなボンネットピンが合格し、どのようなものが不合格になるのでしょうか。
まず、車検に最も通りにくいのは、金属のピンが上に向かって突き出ているスライド式(ピン式)のボンネットピンです。
2009年以降の車両にこれを取り付けると、明らかに5ミリメートル以上の突起物とみなされ、車検に通らなくなります。
これに対して、現在のカスタム市場で主流となっている車検対応品がフラット式と呼ばれるボンネットピンです。
代表的なものとして、イギリスのメーカーが開発したエアロキャッチ(AeroCatch)などの埋め込み型製品があります。
フラット式はボンネットの表面と完全に平ら(ツライチ)になるため、突起物と判定されることがありません。
最近では、小型のボタンを押し込んでロックを解除するプッシュ式も登場しており、こちらも突起がないため車検対応として広く販売されています。
| 製品タイプ | 車検の合否傾向 |
|---|---|
| スライド式(金属ピン露出) | 2009年以降の車は突起物として不合格になる可能性が高い |
| フラット式(埋め込み型) | 表面が平らなため車検に合格する |
| プッシュ式(ボタン型) | 突起がないため車検に合格する |
| カバー付きタイプ | 突起を専用カバーで覆うことで基準をクリアする |
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 不合格になりやすい形 | ピンが突き出した昔ながらのスライド式 |
| 車検対応の主流 | 表面が平らになるフラット式やエアロキャッチ |
| プッシュ式 | ボタン操作で突起がないため車検に通りやすい |
| 引用元 |
|---|
| WEB CARTOP「保安基準に引っかかりやすいドレスアップ4つ! ボンネットピン・牽引フック・カナード・エアロミラー」(2023年4月6日) |
ボンネットピンを安全に運用するための注意点と対策
車検対応のボンネットピンを選んだとしても、取り付け方法や日々のメンテナンスを怠れば車検に落ちる可能性があります。
まず、ボンネットピンの本体は、車両の強固な骨格部分であるコアサポートなどに確実に取り付ける必要があります。
走行中の激しい振動や風圧に耐えるためには、ボルトやナットを使って緩みがないようにしっかりと固定しなければなりません。
また、ボンネット側に穴を開ける加工が必要となるため、切り口の処理が甘いとそこからヒビが入り、車検時に「強度が不足している」と指摘されることもあります。
経年劣化による金属部品のサビや、樹脂パーツのひび割れも大変危険です。
安全に公道を走るためには、定期的な日常点検を行い、部品が激しく劣化している場合は速やかに新品へ交換することが求められます。
| チェック項目 | 注意すべきポイント |
|---|---|
| 取り付け位置 | 車両の頑丈な骨格(コアサポート)に確実に固定する |
| 穴開け加工 | FRP(エフアールピー)などの割れを防ぐ丁寧な処理を行う |
| 部品の劣化 | 金属のサビや樹脂パーツの割れがないか定期的に確認する |
| ボルトの緩み | 走行の振動で固定箇所が緩んでいないか日常点検を行う |
| この章のまとめ | |
|---|---|
| 強固な取り付け | コアサポートなどの頑丈な骨格にボルトで固定する |
| 加工の丁寧さ | ボンネットの穴開け部分はヒビが入らないよう処理する |
| 日常点検の徹底 | サビやひび割れを発見したら速やかに新品に交換する |
| 引用元 |
|---|
| 岡野自動車「車検でボンネットの検査基準と適合条件まとめ|カーボンやピン対応・合格の注意点も徹底解説」(2025年9月6日) |
下記の記事も参考になさってください。
| デイライト 車検基準|色・形・明るさ・スモール連動・位置 ストラットタワーバー|車検は?|メリット・デメリット|効果・工賃 |
ご覧いただきありがとうございました。


