車のバッテリーのマイナス極と各電装部品間を電気抵抗のより低い電線でダイレクトに結線する改修をアーシングと呼びます。
一時期は人気のあるチューニングの一つでした。
たとえばフェアレディZ(Z33)やダイハツのコペンなどにはディーラーオプションとしてアーシングが用意されていたほどです。
最近はハイブリッド車が全盛となり、メーカーが設定している電気配線に手を加えることはバランスを乱すことが多く、ほとんど消滅しつつあるチューニングでしたが、旧車人気の高まりで復活しつつあります。
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アーシングとは
アーシングとは、本来はチューニングというより本来の性能を発揮させるための「補修」という位置づけでした。
たとえば、車体での電気導通が期待しにくいFRP(繊維強化プラスチック) といった樹脂類を車体に用いた車両、また腐食劣化が進んだ旧年式車、こういった車両に本来の性能を発揮させるためのメンテナンスとして用いられた一手法でした。
それが発展して、その後は、より強大な発電力を得ることや燃焼効率を上げることなどを目的にレース車両にもアーシングが施されたり、あるいはちょっと横道にそれて、エンジンルーム内のドレスアップ目的でアーシングする事例も増えていきました。※アーシングするとエンジンルーム内が配線で彩り豊かになる。つまり派手になる
さらには、プラス極側の配線を強化するプラスチューンというものも出現しました。
効果はある?
アーシングが流行していたころに新車販売された車にアーシングを施した場合、まだ車が新しいのでそれほど顕著な性能向上は見られなかったようです。
しかし、令和の今にアーシングするとすれば、それは旧車がほとんどでしょうから、ボディーも配線も古くなった車両にアーシングを施せば、確実に電気系統は息を吹き返すでしょう。
実際のところ、レース車両がアーシングに精を出すのも、究極の性能を追求する中で効果があることが実証されているからやっていることで、そうでなければやるはずがありません。
メリット
ボディーに錆が見られたり古ぼけた配線で導通されているような古い車にアーシングを施した場合、下記のような効果が確実に表れるはずです。
- エンジンの始動がよくなり、回転も軽くなる
- 燃費性能が向上する
- ヘッドライトが目に見えて明るくなる
- ラジオのノイズが減少する
- オーディオの音質が向上する
- エンジンルームのドレスアップ効果がある
デメリット
- 新車に自作のアーシングを施し、故障した場合は、メーカー保証が受けられない
- 熱源の近くに配線して発火すると、車両火災になることがある
ハイブリッド車・EV車にアーシングの余地はない
最近のハイブリッド車やEV車は電気配線の塊であり、メーカーが最適な配線を施しているので、もはやアーシングの余地はありません。
軽自動車には効果大
一般的に軽自動車に使われる配線は細い線が多いといわれています。
これを太い線に変えるだけでも電導効率が上がり様々な性能が向上します。
まして古い車両であれば効果は相当大きなものになります。
ごく最近のマイルドハイブリッドなどの車両はともかく、ちょっと古い軽自動車なら、アーシングの効果は期待できると思います。
旧車人気で再燃か
旧車が人気です。
何も特別なスポーツカーでなくても、20世紀の後半に活躍した様々な車でまだまだ公道を走れる車が、ちょっと探せば日本全国かなりの数存在しています。
こうした車両は、ボディーに錆があったり傷があったりして電気的には抵抗の大きな状態にあるので、アーシングの効果は目に見えて出てくるはずです。
そういう意味で、死語になりつつあった「アーシング」というコトバが今後復活する可能性は大だと思います。
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