こちらの記事も読まれています
目次
【プチ調査】リンゴ酢を飲むタイミングは食前?食後?寝る前?
日本でも人気のリンゴ酢ですが、英語ではApple cider vinegarとして知られていて、やはり多くの人に親しまれている食材の1つです。
日本で普及しているリンゴ酢は、主に2つの種類に分けることができるようです。
- 純リンゴ酢:リンゴの搾り汁に酵母を加えて発酵させたアップルワインをまず造り、このアップルワインに酢酸菌を加えて発酵・熟成させたもの
- リンゴ酢:リンゴの絞り汁に醸造アルコールを添加したもの
この2種類です。
この記事を書いているのは2022年1月16日ですが、アマゾンで「リンゴ酢」と検索すると、1ページ目に内堀醸造という会社の製品として「純りんご酢」と「フルーツビネガー有機りんごの酢」という2種類の製品が表示されます。
それぞれの商品説明には次のようにあります。
- 「純りんご酢」:りんご果汁からりんごのお酒を造り、さらにそれを酢にしました・・・ビネガードリンク、サラダドレッシング、マリネなど、いろいろな料理でお楽しみください。
- 「フルーツビネガー有機りんごの酢」」:有機りんご果汁のみを使用して製造した、飲みやすく使いやすい飲用酢です・・・希釈タイプですので、飲用の場合は水や炭酸水、牛乳、豆乳などで6倍を目安に薄めてお召し上がりください。
つまり、この会社の製品で比べた場合、純リンゴ酢の場合は飲用にも料理の調味料としてもオールマイティーに使用でき、ただのリンゴ酢の場合は主に飲用としてふさわしい、ということになるようです。
一般的には、純リンゴ酢の方がリンゴ酢より値段も純度も高いようですが、実際の製品で見比べてみると、必ずしもそうではなくて、純リンゴ酢でも安い製品もありますし、反対にリンゴ酢でも高いものもあります。
それはともかく、このページのテーマは、
「リンゴ酢を飲むタイミングは食前?食後?寝る前?」
というものですが、結論としては、
「特に決まりはないが、一般的には、食後に飲むのがいいのではないか」
ということになるようです。
以下、その理由をご説明いたします。
リンゴ酢を飲む最適なタイミングは?
純リンゴ酢であれリンゴ酢であれ、製品を原液のまま飲む人はあまりいないと思います。
牛乳、豆乳、水、炭酸水などで希釈して飲むのが一般的で、また何倍に希釈するかは製品によっても異なるでしょうし、飲む人の好みによっても変わってきます。
リンゴ酢を飲むタイミングは、実際に試してみて自分の体と相談するのが一番だと思います。
食前に飲んだり、食中に飲んだり、食後に飲んだり、寝る前に飲んだり、朝の目覚めに飲んだり、いろいろ試してみて自分の体調が一番いいと感じるタイミングを選択してください。
食前のタイミングはちょっと・・・
というのも、これは何倍に希釈して飲むかにもよると思いますが、たとえば食前にリンゴ酢を飲むとかえって食欲を刺激してしまい、食事の量が増えてしまうという人がいます。というか、こういう人が多数派のようです。
リンゴ酢の酢の成分(酢酸)が、胃液はもちろん、唾液の分泌も促進させるからだと思います。
リンゴ酢に注目するのは、「血糖値を下げたい」といった健康のために、あるいは、「とにかく痩せたい」というダイエット目的の皆さんが多いと思うのですが、食欲が増進されるのでは血糖にもダイエットにもまったくの逆効果になってしまいます。
けれども、人によってはリンゴ酢を飲むと食欲が抑えられるという人もいます。少数派かもしれませんが、こういう方もいらっしゃいます。
こういう人にとっては食前こそが絶好のタイミングということになります。
このように正反対の作用が報告されているので、どのタイミングで飲むかは、実際に飲んでみて自分の体に相談するしかない点だろうと思うわけです。
寝る前のタイミングはちょっと・・・
また、寝る前のタイミングでリンゴ酢を飲む場合、食前に飲んだ場合のように飲んだ直後に食べ物が胃に入ることがないので、リンゴ酢だけが胃に入っていく結果、リンゴ酢の酢の成分が胃液を過剰に分泌させてしまって、胃の内膜を荒らすことが考えられます。
もちろん、リンゴ酢を原液で飲むのではなく、何倍かに希釈して飲むにしても、それでも食前に飲む場合と異なり、後から他の食べ物が入ってはきませんから、分泌された胃酸が胃の内壁に直接的に作用してしまうリスクが伴います。
さらに、寝る前のタイミングで問題があるのは、歯への悪影響です。
リンゴ酢の酢(酢酸)には、当然、酸性成分が多く含まれていて、酸が歯の表面のエナメル質を溶かします。
寝る前にリンゴ酢を飲み、その際に必ず歯を磨いてから寝るのであればいいのですが、飲んでそのまま横になるのであれば、これは歯を悪くすると思います。※歯を磨く場合はリンゴ酢を飲んだ直後は避けたほうがいいです。ブラシで擦ることで口に残った酸がエナメル質をより強力にそぎ落とすことになるので。
以上の点を考慮すると、寝る前のタイミングでリンゴ酢を飲むのは、一般論として、あまり適切ではないと思います。
朝一番か食中か食後のタイミングがいいかも
上記のようなリンゴ酢の特性を考えると、多くの人におすすめできるリンゴ酢を飲むタイミングは、目が覚めた朝一番か食中か食後ということになりそうです。
朝一番の場合、しばらくしてからちゃんと朝食をとることが前提です。
朝食抜きでリンゴ酢だけ飲むということになると、寝る前に飲むのと同様な懸念が残りますので、やはり、胃に食べ物を入れることを前提に飲んだほうが安心ではないでしょうか。
リンゴ酢で期待される効果
ネットでリンゴ酢の成分や期待される効果について調べてみても、残念ながらこれといって決め手となる内容のページには出会えませんでした。
結局のところ、リンゴ酢はその名の通り<酢>であり、酢は体にいいことは明白である一方で、普通の酢を毎日摂取するのはやや大変であるが、これがリンゴのフルーティーな成分を含むりんご酢であれば、飲んだり料理に使ったしやすいだろうから、ぜひおすすめですよ、ということのようです。
実際、リンゴ酢はフルーティーで飲みやすいのは確かです。
スーパーに置いてある普通の食酢を毎日飲めと言われても、私はお断りします。
でも、リンゴ酢なら飲めます。
要するに、そういうことなのですね。
そこで、<酢>が私たちの体にどんな効果や働きをもたらしてくれるのか、一般的には以下のようなことが言われていますのでご紹介します。
- 食後の血糖値の上昇を抑制することが期待される
- 体脂肪・内臓脂肪を減少させることが期待される
- 血圧を低下させる作用が期待される
- 疲労を回復させる効果が期待される
私が個人的に実感するのは「疲労を回復させる」点です。科学的実験結果ではなくて私の経験ではありますが、特に疲れた時などはすっぱいものが食べたくなりますし、またすっぱいものを食べると疲れが取れるような気がします。
ただし、疲れた時に酢を使った食べ物(酢豚、もずく酢、三杯酢を使ったあえ物など)を摂取する場合は、べつにリンゴ酢でなくてもいいかもしれません。
あくまでも「酢を飲む」という場合にのみ、リンゴ酢の存在感が浮上するのだと思います。
飲み方の注意点
健康や美容のためにリンゴ酢を飲み続けようとする場合、飲むタイミングも大事ですが、飲み方そのものも大いに重要です。
というのも、リンゴ酢は原液だととてもそのままでは飲めないので、飲みやすくするために牛乳とか豆乳とかその他甘い飲み物で希釈して飲むのが普通です。
すると、当然の結果として糖分を余分に摂取することになります。
中には、希釈することなくそのまま飲めるような清涼飲料水として販売されているリンゴ酢もあり、こちらにも糖分がしっかり含まれているので、やはり余分な糖分を摂取する結果になります。
すると、そもそも血糖値を下げたくてリンゴ酢を飲む、あるいは、痩せる目的でリンゴ酢を飲むはずが、逆に血糖値を上げたり太ったりする結果も起こりうるということになってしまいます。
こうした葛藤は、健康にいいと言われる食材には常について回る問題ですね。
先日、もずく酢に関する記事を書きましたが(【プチ調査】もずく酢は危険ですか?)、そこでも同じ問題に突き当たりました。
もずく酢は体にいいヨウ素を含んでいることから、1パック60gのもずく酢を毎日3個から6個食べる人がいるけれど、それだと甲状腺に異常のある人はヨウ素の摂り過ぎになって危険ですし、また健康な人であっても、ヨウ素は問題ない一方で塩分は摂り過ぎになってしまう、というものです。※厳密にはもずく酢3個から6個では1日分の推奨塩分量は超えませんが、塩分は他の食材にも含まれているので、それらを合わせると摂り過ぎになる、という意味です。
こうした点を踏まえると、もしも健康や美容のために毎日リンゴ酢を愛飲したいのであれば、水やお湯やノンカロリーの炭酸水等で希釈して飲むのがいいと思います。
リンゴ酢だけでなく美容や健康にいいとされるどんな食材に関しても言えることですが、その食材だけに一点集中してしまうと、とかく栄養成分のバランスを欠いてしまいがちです。
いくらリンゴ酢が体にいいと言っても、それだけで健康や美容が実現できるはずはなく、他の食品もあれこれ体に摂取しなければいけないのですから、あくまでも体に入れる食品をトータルで考えるべきだと思います。
そういう視点に立てば、「まあ、ほどほどに」というところに必ず落ち着くはずです。
まとめ
- リンゴ酢を飲むタイミングは、朝一番、食中、食後がいいかもしれない。
- リンゴ酢を食前に飲むと食欲を増進させるケースが多いので、食中か食後の方がいい。※ただし個人差がある。
- リンゴ酢を血糖値を下げる目的で飲む人にとっては、夜寝る前に比べて食中または食後のタイミングがいいのは明白。
- なお、朝一番にリンゴ酢を飲んで朝食を摂らない場合、夜寝る前に飲む場合、これらはリンゴ酢の酸が胃を荒らすリスクがあるし、飲んで歯磨きをしないでいると歯のエナメル質を徐々に溶かす可能性がある。
- とは言え、リンゴ酢は基本的にそれほど強い酸性を持つ食材ではなく、飲む際の希釈倍率を高めにしたり、牛乳や豆乳など胃にやさしいものと混ぜて飲むのであれば、飲むタイミングについてあまり神経質になることはないかもしれない。
- その一方で、リンゴ酢を飲みやすくするためにカロリーのあるもので希釈すると、余分な糖分を摂取することになるので、結果として血糖値を下げることにならず、またダイエットにも貢献しない。
- そういう意味で、リンゴ酢を希釈する飲み物はカロリーのないものにすべきである。
ご覧いただきありがとうございました。