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【記事丸わかり】
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【プチ調査】NPO法人がやばい?就職先・転職先としてやめたほうがいいの?
就職先を探している方の中には、「社会貢献する仕事に就きたい!」「人の役に立つ仕事がしたい」とNPO法人を就職先として、候補に入れている方も増えてきているのではないでしょうか?
そして、このサイトをご覧になっているあなたもNPO法人への就職や転職を考えていて、「NPO法人ってやばいの?」と不安になっている方もいるはずです。
この記事では、NPO法人がやばいの?就職先や転職先としてやめた方がいいの?という不安を、筆者の見解で調査を行い解決します。
少しでもNPO法人の就職に興味のある方は、まずはこちらの記事を読んで不安を解消して次のステップへ進みましょう!
NPO法人がやばい?
そもそも何に対して「やばい?」と思っているかというと、NPO法人を就職先や転職先とした時に、ちゃんと給料をもらえるのか?といった不安があるのではないでしょうか?
NPO法人と聞くと「ボランティア」「非営利団体」というワードから連想されるように、お金を稼いではいけない、利益を得てはいけないと思っている人が一定数います。
Yahoo知恵袋などでも、NPO法人と検索すると怪しい、やばい、うさんくさいなど、あまりきれいな言葉とは言えない表現で揶揄されているのを目にしました。
しかし、NPO法人はお金を稼いではいけない、やばい企業であるという考えは誤っています。
NPO法人とは?
NPO法人を就職先として選びたいなら、まずはNPO法人とはどんな団体なのかきちんと把握しておくことが大切です。
NPO法人とは…Non Profit Organizationの略で、特定非営利活動法人、つまり、営利目的ではない法人のことを指します。
1998年12月に施工された仕組みで、2021年現在は50860件の認定法人が存在しています。
NPOと聞いて浮かぶのが、海外の発展途上国に食べ物や衣服を寄付したり、教育支援を行ったりする活動ですよね。そのように実際に困っている人を支援する慈善活動や、社会貢献活動がメインです。法律で定められているNPO活動の分野は20種類あり、医療や福祉、介護などから、環境、観光、地域活動といった街づくりまで幅広い分野の団体が存在します。
NPO法人では利益を出してはいけないの?
「非営利」とは利益を出してはいけないという意味ではありません。
非営利団体であるNPO法人は、事業収益を出資者に分配することを目的としない団体です。
その反面、株式会社などの企業は営利を目的として得た収益を、余剰金として株主に配当できます。NPO法人は利益が出ても、団体の会員や寄付者へ分配できない仕組みです。
給与はちゃんと出るの?もらえるの?
転職先や就職先としてNPO法人を視野に入れている多くの就活生が疑問視している、
「NPO法人はちゃんと給料がもらえるの?」の質問に対する答えは=「ちゃんともらえます!」
NPO法人の人件費は、団体の活動目的を達成するために必要な資産です。利益を出資者に分配することはできませんが、活動費に充てることや社員に適正な給与を支払うことは認められています。
「就職して給料をもらえなかったらどうしよう」「ボランティアみたいな活動だったらやばいな」と思っているあなたも大丈夫です。非営利団体だからといって、やばいことはなく無償で働くということはありません。
ここで、少し深堀りを。NPO法人の収益の仕組みについて解説します。事業収入の仕組みについて理解しておくと、就職の際に安心です。
NPO法人の事業収入はどうやって得られるの?
NPO法人の事業収入は、各団体にもよりますが以下の4つが主な収入源です。
- 会費・寄付…NPO法人の正会員からの会費や、サポーター、クラウドファンディングなどの寄付
- 助成金…NPO活動を支援する財団などの支援団体による資金提供
- 受託事業…行政から委託を受けて得る収入
- 自主事業…独自のサービスによる事業収入(イベント、講演会、物販品からの収入など)
これらの収益は、一般の株式会社と同じように利益を出して職員に給料が支払われる仕組みです。ここで得られた収益は会員や寄付者へ分配せず、翌年の活動費に充てる流れとなります。ですから、冒頭で触れたような個人が集まって無償で行う「ボランティア」活動ではなく、法人として収益を上げて活動をしている団体なのです。
NPO法人の平均給与はどれくらい?
NPO法人がお金の面でやばい就職先ではなくちゃんと給与をもらえることは分かったけど、「手取りが少ないのでは?」「スキルアップは望めるの?」といった不安もありますよね。ここではNPO法人を就職先として選んだ場合の、平均給与をプチ調査してみました。
労働政策研究・研修機構の「NPO法人の活動と働き方に関する調査」(H27年度)によると、正規職員の年間給与額は平均的な人で260万、高い人は372万という調査報告があります。一般企業の平均年収は20代で341万(doda平均年収ランキング【最新版】2021.12月)ですので、平均値に比べるとやや低いと感じる場合も。
しかし、近年の給与水準は上昇傾向にあり、中には400万を超える求人もあります。一般企業と変わらない水準にするために、処遇改善を行い働き方改革に積極的に取り組んでいるNPO法人もあります。(参考:PRTIMES記事)
また、NPO法人は団体の規模や活動目的によっても給与水準が異なります。大きな規模の団体へ就職すれば高い給与も期待できますし、スキルアップも望めるでしょう。
NPO法人を就職先、転職先として候補に入れるなら、なぜNPO法人に就職したいのかということをベースに、給与以外でのメリットをしっかりと理解しておく必要があります。
次の章では、就職先、転職先としてNPO法人を選んだ場合のメリットを解説していきます。
NPO法人を就職先として選ぶメリットとは?
一般企業と同じように給与がもらえるNPO法人。お金の面で決してやばい職場ではありません。
そんなNPO法人で働くメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
- 問題解決のために仕事にやりがいを持てる
- 仕事に対する裁量が大きい
- 持っているスキルを発揮できる
- 自分が考えた企画が通りやすい
- 同じ目的を持って仕事ができる
問題解決のために仕事にやりがいを持てる
NPO法人は、今現在問題を抱えている人や、危機に直面している事柄を改善して救済することを目的として活動しています。そのため、問題解決に導いて困っている人を助けたいという、強い思いを持った方には魅力的な職場です。
また、活動を通して実際に困難を抱えている方と直接かかわることで、笑顔や感謝の言葉をかけてもらえる機会も多く、そのような経験が仕事のやりがいにつながります。
一般企業で働いている場合は、大きな組織の中で自分の割り当てられたタスクをこなす業務も多く、自分自身の仕事の成果を感じにくい場合があります。それに比べてNPO法人は、行政や企業では解決できない問題に向き合うことができ、達成感も得られる仕事と言えるでしょう。
つまり、いい意味で「やばい」職場になり得るのです。
仕事に対する裁量が大きい
NPO法人は、目的をもって成果を出さなければならず、必ずしも楽で稼ぎやすいという職場ではありません。ただ皆さんが思っているようなやばい職場でないことは確かです。仕事には重大な責任感が求められ、個人が抱える仕事の裁量が大きいのもNPO法人の特徴です。
新人でも大きなイベントや、サービスの企画などを任されることもあり、自分自身の成長を実感できる就職先であるでしょう。
持っているスキルを発揮できる
NPO法人は個人で運営している小規模団体から、東京に本社を構える規模の大きい団体まで様々な法人が存在します。活動を始めたばかりの法人では、あなたの持っているスキルが発揮できる場合も。
例えば社会貢献活動の発信、広報活動には、今やWebマーケティングの知識は必須です。活動をはじめたばかりの法人や、小さなNPO法人ではそのようなマーケティングができる人材を求めています。より広い世代の人にNPO法人の活動を知ってもらうには、WebマーケティングやIT分野の知識が役立ちます。
このように、自分の能力を活かしてキャリアを積むこともできる職場なので、自分の持っているスキルを活かしたいという人は、次の転職先としてNPO法人を視野に入れてみてもいいでしょう。
やる気のある人にとってはまさに「やばい」職場になるのです。
自分が考えた企画が通りやすい
一般企業ではこんな企画をしてみたい!という場合は、企画書を作成して部署内で検討、稟議を通して…上層部が確認してようやく承認が得られるというようなフローが存在することも。NPO法人は社員が10~20名の小規模法人も多く、小規模だからこそ自分が考えた企画が通りやすいといった魅力もあります。
大きな一般企業や古い体質の会社では、習慣化されたルールがありますが、比較的新しいNPO法人では自分が考えたルールが採用されるなど、柔軟性のある職場で働けるというメリットがあります。
同じ目的を持って仕事ができる
NPO法人で働くメリットは仕事にやりがいを持てることに加えて、同じ目的を持った方と仕事ができる点であると考えます。また、法人の中だけの関係性だけではなく、寄付者や会員との人間関係も深められ、社会で働くという意味合いを感じ取りやすい就職先となるでしょう。
NPO法人の求人数は?求人市場は?
このページでは「NPO法人がやばい?就職先・転職先としてやめたほうがいいの?」というテーマで解説してきました。
ここまでご覧になってお分かりのように、実際はまったく逆で、一般企業や官公庁にはない魅力的な側面がたくさんあるのがNPO法人です。
そこで、これから就職を考えている方に向けて、NPO法人の求人市場について検証した結果をお伝えします。
以下は2022年2月28日時点での、大手求人サイトにフリーワードで「NPO法人」と検索した場合の検索数を提示しています。
求人サイト | 検索数 |
リクナビネクスト | 166社 |
マイナビ転職 | 124社 |
doda | 460社 |
エン転職 | 35社 |
リクナビ2023 | 33社 |
マイナビ2023 | 33社 |
大手中途採用の求人媒体では35社から460社、新卒採用では30社ほどの求人案件が見つかりました。中途採用の転職先としては、経理、エンジニア、コンサルティングなど様々な職種があり、海外グループとの国際業務や事業企画などの即戦力が求められる求人も確認できました。
新卒採用では福祉、介護、教育など様々な業務の求人がありました。
数からみると一般企業に比べて少ないと感じるかもしれませんが、前述したように近年ではNPO法人も5万件を超える大きな分野になっていることも確かです。
また、法人数の増加や企業規模の拡大に伴い、NPO法人が職員の公募を拡大しているという記事もありました。(参照:日本経済新聞)今まで知人の紹介採用が多かったNPO法人が、中途や新卒の募集を開始し、過去3年間で大手転職サイトへの求人掲載数が3倍になったという報告もあります。
企業との年収格差を見直すNPO法人も増えてきていることから、今後も求人拡大が期待される分野ではないでしょうか。
さらに、近年では大学生向けの「NPO就職フォーラム」や、NPO法人ETIC.が立ち上げたNPOに特化した求人サイト「DRIVEキャリア」なども登場しています。
いよいよNPO法人がいい意味での「やばい」存在になりつつあるようです。
就職活動のポイント
これからあなたが就職先にNPO法人を選ぶ時の、転職活動のポイントをご紹介します。
NPO団体の目的を理解する
就職先としてNPO法人を選択するなら、その団体が目指しているもの、そしてそのミッションに共感できるかどうかが大切です。社会貢献をしたい、人のために役に立ちたいというぼんやりとした気持ちではなく、この団体に入ってどんな風に自分のスキルを活かしていきたいのか、どのように携わっていきたいかといった目的をきちんと理解しましょう!
NPO法人の事業構造や収益構造を理解する
これから働こうと思っている企業の給与水準は、判断基準のひとつです。団体の活動目的に共感しても、給与が仕事内容に見合わないと離職してしまう可能性もあります。
そのため、NPO法人の事業構造や収益情報について理解を深めましょう。収益構造を知るポイントは決算情報をWeb上に公開しているかどうか。公表している団体は収入や財務基盤が安定しているため、給与面など待遇面も安心です。
インターンシップやボランティア活動に参加する
筆者が一番おすすめするのが、NPO法人のインターンシップやボランティア活動に積極的に参加すること。イメージ先行で入社するよりも、事前に活動を通して実体験すれば、入社してから思っていたのと違った、というミスマッチも防げます。また、実際に働いている人の話を聞けるので、働く環境をリアルに感じ取れるというメリットも。
近年では社会人も参加可能な活動もあるので、転職先として考えている方も一度参加してみてはいかがでしょうか?
まとめ
NPO法人がやばいのでは?と思っているあなた、不安は解消されましたか?NPO法人は、非営利団体とはいえボランティア活動ではなく、事業利益や給与もある団体です。そして社会貢献活動を通してやりがいを感じ、自分のスキルを活かすことができる魅力的な就職先です。
もし次の就職先にNPO法人が頭に浮かんでいるなら、まずはインターンシップやボランティアに参加してみましょう。就職のためだけではなく、あなた自身の専門的な知識やスキルが身に付く貴重な時間となりますよ。
ご覧いただきありがとうございます。
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