損保ジャパンの自動車保険にはドライブレコーダー特約・DRIVING!を付けることができます。
この特約を付けると損保ジャパンから専用のドライブレコーダーが送られてくるので、それを自分で車に取り付けます。
このドライブレコーダーは様々な機能を持っているのですが、「音」あるいは「音声」を録音する機能はありません。
もちろん通話機能はあるのでオペレーターと通話することは可能ですし、前車との車間が詰まった場合には警告音で危険を知らせたりします。
そういう意味の音あるいは音声は発しますが、映像を記録する際に同時に「音」あるいは「音声」を記録するかというと、そういう機能はありません。
記録装置としては、映像のみの記録で、音声は記録しません。
音声記録がなくてもほとんどのケースで問題はない
損保ジャパンのドライブレコーダー特約では、一定の衝撃を伴う事故が発生すると、ドライバーが何の操作をしなくても、ドライブレコーダーが自動的に事故発生を損保ジャパンに通報します(自動通報)。
同時に、事故発生時の前後10数秒のドライブレコーダーの映像を損保ジャパンに自動送信します。
ドライブレコーダー特約で装着するドライブレコーダーは「前1カメラ」なので、前方の映像のみが記録されています。
もしも背後から追突された場合や真横から衝突された場合などは、車の「揺れ」を映像として記録します。
その際、音声があったほうがより臨場感を伴った記録となるでしょうが、しかし、事故の記録としては「揺れ」だけでも充分実用の範囲だと思います。
そういう意味で、「事故の証拠を記録する」という機能としては、音声が記録されないことはそれほど大きなデメリットではないと思います。
ただし、事故ではなくあおり運転のケースで考えると、場合によっては音声が記録されないことはやや残念な局面もあるのではないかと思います。
たとえば、後方から車間を詰めてあおったり、側面に来て幅寄せをしたり、最終的に前方に回って強引に車を停車させ、車から降りてきて運転席の側に回り、もしも窓が開いていたらそこで暴言を吐いたり、挙句の果てに暴力を振るったりすることも考えられます。
2019年の夏に常磐自動車道で発生したあおり運転殴打事件はまさにこうした展開であったことは記憶に新しいところです。
こういうケースでは、映像も前1カメラではなく360度カメラの方が望ましいですが、音声も記録されている方が望ましいのは間違いないと思います。
その方が「証拠」としての価値は高くなるからです。
みなさんのなかには、
「いや、音声は記録されなくていい。記録されては困る」
という方もいらっしゃるかもしれません。
常に車にひとりで乗る人は問題ないけれど、たとえば恋人、あるいは家族に知られては困る相手(不倫相手とか?)と同乗している場合、あるいは同乗者と重要な商談をするようなケースでは、映像と同時に音声も記録され、そのデータがクラウド上のサーバーに常時送信されるなんて、プライバシーも何もあったもんじゃない、と思う方もいらっしゃるでしょう。
データが常時送信されてクラウドサーバーに蓄積されるというのは、そのとおりです。
しかし、損保ジャパンのスタッフがドライブレコーダーのデータに接するのは、一定の衝撃を伴う事故が発生した際に、事故発生が自動通報されるのと同時に自動送信された事故発生時の前後10数秒のドライブレコーダーの記録、これだけです。
その他のクラウド上のデータは契約者がIDとパスワードを入力しないと開けないようになっています。
また毎月一回クラウド上のデータが分析されてRodecoと呼ばれる運転診断レポートにまとめられるのですが、これらは走行経路・走行距離・走行時間・運転時のブレーキのタイミング・ハンドル操作などをAIがグラフ等によって「見える化」するものです。
損保ジャパンの生身の人間が契約者一人ひとりのデータを参照してまとめるのではありません。
したがって、もしも事故時の音や車内の音声が記録されたとしても、原理的に、プライバシーが侵害される心配は無用です。
「でも、何者かが人為的にデータにアクセスする可能性は排除できない」
という懸念もあるかもしれません。
確かに、その可能性は排除できないと思います。
したがって、こうした懸念をお持ちの方にとっては、音声が記録されない現状はむしろ歓迎すべきことかもしれません。
また、わたしが度々主張している、現状の前1カメラのドライブレコーダーではなく車内も含めた360度記録できるものに変えるべきではないかという意見も、こうした懸念を持つ方々にとっては、「余計なことを言うな」ということになるでしょう。
ドライブレコーダー特約で貸し出しされるドライブレコーダーの仕様
ドライブレコーダー特約・DRIVING!で損保ジャパンから貸与されるドライブレコーダーは、SDカードに約10時間の映像を記録できます。
10時間経過したら順次上書きされていきます。
特約を申し込むと、損保ジャパンから次のものが宅配便で送られてきます。
本体、 ケーブルクリップ、 取扱説明書、 本体取り付け用両面テープ(1枚)、 専用SDカード(1枚)、 サービスマニュアル
ドライブレコーダーの取り付けは、マニュアルを見ながら自分で行います。
自分でできない場合は、オートバックスなどに依頼すればやってくれると思います(もちろん有償)。
以下は、ドライブレコーダーの仕様です。
- (画質)動画: 最大HD(1280×720ピクセル) / 静止画:約92万画素
- (動画音声)なし
- (動画フレームレート)10コマ/秒
- (加速度センサー) あり(検知範囲 -8G ~ +8G)
- (ジャイロ(角速度)センサー)あり(検知範囲 -2000°~ +2000°/s)
- (位置情報センサー)あり(GPS、GLONASS衛星 受信サポート)
- (レンズの画角:前方1カメラ) 対角:170º (水平:139.5º、垂直:71.5º ±5%)
損保ジャパンのドライブレコーダー特約:詳細解説
損保ジャパンのドライブレコーダー特約(ドラレコ特約)の詳細は下記の記事をご覧ください。
個別に解説:4社のドライブレコーダー付き自動車保険 | |
東京海上日動 ドライブエージェントパーソナル | 詳細内容はこちらのページ |
損保ジャパン DRIVING! | 詳細内容はこちらのページ |
三井住友海上 GK・見守るクルマの保険(ドラレコ型) | 詳細内容はこちらのページ |
あいおいニッセイ タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型) | 詳細内容はこちらのページ |
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