クイックピットなぜ安い?GS業界の現状と将来展望

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クイックピットとは?

クイックピットはガソリンスタンドです。

PB(プライベートブランド)スタンドまたは無印SSに属するガソリンスタンドです。

愛知県・岐阜県・三重県周辺にいくつか店舗がありますが、運営会社は店舗により異なります。

クイックピットのガソリンは、周辺の競合店と比較して、価格が安いことで知られています

では、なぜクイックピットのガソリンは安いのか。

それがこの記事のテーマす。

その前に、まずガソリン価格の現状と、スタンドによって価格が異なる理由について、概観したいと思います。

トップ画像:クイックピット伊勢店

ガソリン価格の高騰

世界中で、ガソリン価格が上がっています。
これは、国際情勢が大きく影響しています。
たとえば、ロシアとウクライナの戦争、中東の緊張などにより、ガソリン価格が不安定です。

日本でも、ガソリン価格は高騰しています。
最近では、レギュラーガソリンの全国平均価格が150円~170円というのも普通です。
しかし、三重県伊勢市などでは、131円でガソリンを売るスタンドもあります。

これらのスタンドは、PB(プライベートブランド)スタンドと呼ばれます。
PBスタンドは、大手石油会社とは違う、独自の方法でガソリンを安く提供しています。

愛知県名古屋市中川区にあるクイックピット富田SSも、そんなスタンドの一つです。
ここでは、レギュラーガソリンを154円で提供しています。※周辺SSより安いです。

このように、ガソリン価格は場所によって大きく違います。
しかし、どのスタンドも、品質には問題ありません。
日本のガソリンは、JIS規格によって品質が保証されています。

ガソリンスタンドの業態について

石油元売り系列スタンドの紹介

日本には、大手の石油会社が運営するガソリンスタンドがたくさんあります。
例えば、エネオスホールディングス出光興産コスモエネルギーホールディングスなどです。
これらの会社は、日本中にたくさんのスタンドを持っています。
そして、それぞれのブランド専用のガソリンを提供しています。

プライベートブランドスタンド(PBSS)の役割

しかし、大手ブランドだけがガソリンスタンドではありません。
プライベートブランドのスタンドもたくさんあります。
これらはPBSS(プライベートブランドサービスステーション)と呼ばれます。
PBSSは、大手ブランドよりも安価にガソリンを提供することが多いです。
その秘密は、業転玉(ぎょうてんぎょく)という余剰ガソリンを安く仕入れることにあります。

業転玉とは

業転玉(ぎょうてんぎょく)とは、石油元売の余剰在庫(ガソリン、軽油、灯油、重油)がノーブランド品として供給される業者間転売品の通称。

無印サービスステーション(SS)の特徴

さらに、無印のサービスステーションも存在します。
これらは、どの石油会社にも属さない独立したスタンドです。
無印SSもまた、業転玉を使用して低価格でガソリンを提供します。

愛知県名古屋市にあるクイックピット富田SSは、こうした無印SSの一例です。周辺のSSより安い価格で販売しています。

ガソリン価格の決定要因

ガソリン価格は、原油価格為替相場など様々な要因によって変動します。
また、スタンドの経営者の努力や人件費の違いも価格に影響します。

しかし、品質に関しては、日本のJIS規格によって保証されています。
ですから、価格が安いからと言って品質が悪いわけではありません。

むしろ、PBスタンドや無印スタンドは、元売り系スタンドよりも頻繁に品質チェックが行われていると言われています。そのため、品質には問題ありません。

価格表示に注意が必要なことも

ある無印SSのケースを見てみます。ここはセルフ式ガソリンスタンドで、現金決済が特徴です。
しかし、給油してみると、特別安いわけではありません。
ところが、価格表示は安いのです。

2021年4月からガソリンスタンドの価格表示は総額表示が義務化されましたが、この無印SSでは、上段に本体価格、下段に税込価格が表示されており、利用者の誤解を招くような表示なっているのです。

ガソリンの品質と価格

ガソリンを選ぶとき、私たちは品質価格のバランスを考えます。
一般的に、安いガソリンは品質も悪い、と噂されますが、答えは「NO」です。

業転玉の存在がキモ

業転玉は、石油製品を製造する過程で余ったガソリンのことです。
このガソリンは、品質は大手ブランドと基本的に同じです。
しかし、余剰品なので価格が安く設定されます。

ガソリンの品質保証

日本では、ガソリンの品質はJIS規格によって厳しく管理されています。
さらに、品確法によって、ガソリンの品質は定期的にチェックされています。
不適合なガソリンの販売は禁止されているのです。

三重県伊勢市周辺の価格戦争

三重県伊勢市周辺では、ガソリン価格の消耗戦が発生しているようです。

中東情勢の緊張により、レギュラーガソリンの全国平均価格が150円を超える中、伊勢市などでは「131円」の看板を掲げるSSが相次いでいます。

この激安価格は、県内平均より約20円も低く、同業者からは不満の声が上がっています。

激安価格を掲げるのは、県道37号鳥羽~松阪線に面した伊勢市と多気郡明和町のPB(プライベートブランド)3店舗で、約5キロの区間で131円をアピールしています。

この激安攻勢は異例であり、発端はクイックピットが明和店を新規オープンし、県内最安価格で営業を開始したことから始まったと言われています。

激安3店舗の近隣では、レギュラーガソリン143~158円のSSもあるが、激安店に比べて給油客は少ないようです。

地元の業者からは、EV対策などでSS業界が大変な状況にある中での激安商法に対して、適正利益確保が求められているにも関わらず、競い合うのは残念だとの声があがっています。

利用者の声

ガソリンスタンドを選ぶとき、実際に利用した人の声はとても参考になります。
ここでは、様々なスタンドを利用した人たちの生の声を紹介します。

Aさん(男性、35歳)
クイックピット富田SSで給油しました。レギュラー154円はこのエリアではかなり安い方です。店員さんの対応も丁寧で、また利用したいと思います。」

Bさん(女性、28歳)
三重タイヤ商事 クイックピット白子店を利用しました。近隣のSSより20円くらい安いレギュラーガソリンが給油できて満足です。店舗の前の道が狭いのが少し気になりましたが、価格とサービスの良さでまた来店します。」

Cさん(男性、42歳)
ユニペトのピンクのスタンドは目立ちますね。価格に惹かれて利用しましたが、特別安いわけではなかったです。しかし、セルフ式で現金決済がスムーズな点は高評価です。」

Dさん(女性、30歳)
「無印スタンドをよく利用します。看板がない分、どこか不安もありますが、これまで品質に問題を感じたことはありません。価格も手頃で助かっています。」

Eさん(男性、50歳)
「大手ブランドのスタンドも利用しますが、PBSSの方が明らかに安いです。業転玉を使っていると聞きましたが、品質に違いは感じられません。経済的でいいと思います。」

Fさん(女性、23歳)
「ガソリンスタンド選びで大切なのは価格だけじゃないと思います。私はサービスや立地を重視して選んでいます。便利な場所にあるスタンドは少し高くても利用する価値があります。」

Gさん(男性、38歳)
伊勢市の131円のガソリンスタンドは本当に驚きました。こんなに安くて大丈夫なのかと心配になりましたが、問題なく使えています。この価格戦争が続くといいなと思っています。」

これらの声は、ガソリンスタンド選びの多様性を示しています。

クイックピットはなぜ安いのか?

クイックピットのガソリンが安いのは、ここまで見てきたように、業転玉と呼ばれる価格の安い余剰ガソリンを仕入れていることが、まず第一の要因です。

しかし、業転玉を仕入れているのはクイックピットだけではありません。

つまり、これ以外に価格を安くするための企業努力が行われているのは明白です。

人件費であったり、運営費であったり、設備費であったり、様々な側面で合理化・省力化が行われているはずです。

ガソリンの品質は問題なし

無印SSの中には、あくまでも噂レベルですが、何か混ぜ物を入れることで価格を抑えているところもあると言われています。

ただ、消費者の実感としては、安いガソリンを入れたから燃費が落ちたとか、エンジンが不調になった、といった声はほとんど聞こえてきません。

やはり、噂レベルの話なのかもしれません。

いずれにして、クイックピットに関しても、値段は安いけれど品質も悪い、といった声はないようです。

その点は、安心していいのではないでしょうか。

次の章では、クイックピットをはじめとするガソリンの格安店・激安店が、今後のガソリンスタンド業界にどんな影響を及ぼすのか、予測を交えて、展望したいと思います。

ガソリンの激安店が業界に及ぼす影響と今後の展望

ガソリンの激安店の存在は、ガソリンスタンド業界に大きな影響を及ぼしています。
これらの店舗は、価格競争を激化させ、業界全体の価格構造に変化をもたらしています。

業界への影響

  1. 価格競争の激化
    激安店の登場により、他のスタンドも価格を下げざるを得なくなります
    これは、消費者にとっては好ましい傾向ですが、業界全体の利益率を圧迫する可能性があります。
  2. サービスの差別化
    価格で競争することが難しくなると、サービスで差別化を図るスタンドが増えるでしょう。
    カフェやコンビニエンスストアの併設、洗車サービスの充実など、付加価値を提供することが重要になります。
  3. 経営効率の向上
    価格競争に耐えるためには、コスト削減や経営効率の向上が求められます。
    つまり、業界全体の効率化が進む可能性があります。

今後の展望

  1. 電気自動車(EV)への移行
    長期的には、ガソリンの需要は減少すると予想されます。
    電気自動車の普及により、ガソリンスタンドの多くは、充電スタンドへと変化していくでしょう。
  2. 持続可能なエネルギーへの注目
    環境問題への関心の高まりとともに、再生可能エネルギーへの注目が高まっています。
    将来的には、バイオ燃料や水素など、新しいエネルギー源への移行が進むかもしれません。
  3. デジタル化とサービスの多様化
    ガソリンスタンドは、デジタル技術を活用した新しいサービスを提供する場となる可能性があります。
    例えば、オンラインでの予約システム、デジタル決済、顧客管理システムの導入などが考えられます。

ガソリンの激安店の存在は、短期的には価格競争を激化させますが、長期的には業界のサービス向上や効率化、さらには持続可能なエネルギーへの移行を促すきっかけになるかもしれません。

変化の激しい時代において、業界は柔軟に対応し、消費者のニーズに応える新しいサービスを提供していく必要があります。

この記事のまとめ

  1. クイックピットは、価格競争が激しいガソリンスタンド業界において、低価格でサービスを提供している。
  2. 低価格の秘密は、業転玉と呼ばれる余剰ガソリンを安価に仕入れることにある。
  3. ガソリン価格は、原油価格や為替相場など複数の要因によって変動する。
  4. ガソリンの品質は、JIS規格によって保証されており、価格が安いからといって品質が劣るわけではない。
  5. PBスタンド無印スタンドは、大手ブランドと比較して安価にガソリンを提供することが多い。
  6. ガソリンスタンド業界は、電気自動車(EV)の普及により長期的には大きな変化が予想される。
  7. 価格表示には注意が必要で、消費者が誤解しないようにする必要がある。
  8. ガソリンスタンドの選択には、価格だけでなくサービスや立地も重要な要素である。
  9. 激安価格の提供は、一部の地域で価格戦争を引き起こし、業界内での競争を激化させている。
  10. 将来的には、ガソリンスタンドがデジタル化やサービスの多様化を進め、消費者のニーズに応える新しい形態へと進化する可能性がある。

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