こちらの記事も読まれています
セレナe-POWERを買って後悔?いや、ありえないでしょう!
※トップ画像は日産のHPより
ミドルサイズのミニバン購入を検討する際、多くの人は次の3車種を候補に挙げると思います。
- 日産/セレナ
- ホンダ/ステップワゴン
- トヨタ/ヴォクシー・ノア・エスクァイア
また、この3車種の中で最終的にセレナに絞り込まれたとすると、今度はセレナ同士での比較ということになるはずです。
つまり、
- e-POWER
- Sハイブリッド
- ガソリン
のいずれにするかという比較です。
このページのテーマは、他社との比較検討の結果、日産セレナに絞り込んだ人が、さて最後の検討項目として、セレナのどのタイプ・グレードを選ぶか、というものです。
セレナは実質2択
当記事を書いているのは2021年9月1日ですが、現時点の日産セレナの最新型は2016年に発売されたC27型です。
発売当初のパワーユニットは、ガソリン車とSハイブリッドの2つだけでしたが、2018年3月にノートe-POWERのユニットにちょっと手を加えたものを採用しました。※ノートe-POWERのユニットと比較すると、最高出力で7%アップ、最大トルクで25%アップ、駆動用リチウムイオン電池の容量が20%アップしています。
これで、
- e-POWER
- Sハイブリッド
- ガソリン
の3つの選択肢ができ、本格的なハイブリッドシステムを採用しているステップワゴンやヴォクシーなどとガチの対決が可能になりました。
実際、e-POWERが投入されてからは、セレナが同クラスのミニバントップの座に上り詰めました。
さて、3種類のパワーユニットですが、ガソリン専用車はカタログを飾る役割しかなく(「こういうのも売ってますよ」的な)、実質的な選択肢はe-POWERとSハイブリッドの2択になります。
もしも日産のディーラーで「ガソリン車がいいんですけど」といったら、営業担当者さんはポカンとした顔をするでしょう。
そして、あれこれ話を聞くうちに、結局e-POWERかSハイブリッドのいずれかしか選択肢がないことに気づかされるはずです。※ガソリン車には1グレードしかないけれど、e-POWERとSハイブリッドには多すぎるほどのグレードが用意されている
Sハイブリッドはもっさり、e-POWERは俊敏で未来的
同じグレードでほぼ同じオプションを付けて価格を比較した場合、セレナe-POWERはセレナSハイブリッドの50万円高になると思います。
燃費はe-POWERの方がSハイブリッドよりいいです。
けれども、もしもセレナe-POWERを購入して、50万円というこの初期費用の差額を月々のガソリン代の節約で埋め合わせようとしたら(つまり、元を取ろうとしたら)、走り方にもよりますが、10年以上かかるのが普通ではないでしょうか。※距離にすると11万キロくらい走行してやっとトントンという計算もあります
(※)セレナe-POWERのオーナーさんのなかにはカタログ数値と実燃費との差が大きすぎることに不満を持っている方が一定数いらっしゃいます。ただし、この車はエアコン使用や走り方などでとんでもなく燃費に差が出る車のようで、人による評価の差が非常に大きいのが特徴です。
いずれにしても、燃費性能を金額に換算して数字だけで比較した場合は、セレナSハイブリッドに軍配が上がると思います。
でも、燃費面でセレナe-POWERに不満を述べるオーナーさんも、e-POWERにしかない「走行性能」とか「運転感覚」とか「運転の楽しさ」とか「従来の車と異なる未来的操縦性」といった側面は、セレナSハイブリッドでは得られない特性であり、もはや比較の対象にすらならないe-POWERの圧倒的な優位点です。
もっとも、セレナe-POWERの発進加速や巡航速度からの追い越し加速などは、ほぼ同じパワーユニットを搭載するノートe-POWERよりは落ちます。
車両重量が異なるので、これは仕方がないところでしょう。※セレナe-POWERはノートe-POWERより約550kg重い
しかし、セレナSハイブリッドの終始もっさりした走行感覚とは明白に異なっていて、ミニバンとしては「俊敏」といっていい爽快さがあり、走行中の静粛性もはるかに上です。※走行中にいきなりエンジンがかかってまた止まるe-POWER特有のふるまいには慣れが必要ですが
結局、燃費の差だけで考えると、e-POWERとSハイブリッドの50万円の差額は大きすぎると思いますが、e-POWERには燃費以外にも多くの優位点があり、こちらを選択する価値は大いにありそうです。
操縦感覚の最大の相違点はe-POWER Drive
セレナSハイブリッドにはなくてセレナe-POWERにある装備で、最大の相違点は、テレビCMなどで有名なアクセル操作一つでアクセルとブレーキの両方を兼ねるというe-POWER Drive(ワンペダルドライブ)でしょう。
その他の相違点は、この装備の有無に比べると、ほぼ無視していい内容です。
たとえば、前方100メートル付近に信号があるケース。セレナSハイブリッドであれば、アクセルを踏みつつ信号に近づき、そろそろ赤信号に変わりそうだと予測した段階で、アクセルから足を離し、いわゆる空走状態で信号に近づき、信号が赤になるのを確認して、最終的にブレーキペダルを踏むでしょう。
一方で、セレナe-POWERのe-POWER Driveの場合、アクセルを踏みつつ信号に近づき、そろそろ赤信号に変わりそうだと予測した段階で、アクセルから足を離すのではなく、アクセルの踏み込みを少し緩めて減速し、信号が赤になるのを確認したら完全にアクセルから足を離します。すると、ブレーキペダルを踏まずとも車がしっかり減速をはじめ、最終的に車が停止します。この停止状態はアクセルペダルを離している状態のままでOKであり、ブレーキペダルを踏む必要がありません。※緊急時はブレーキペダルを踏む必要あり
上記はほんの一例ですが、e-POWER Drive(ワンペダルドライブ)のいままでにない操作感覚は、余計にお金をかけるだけの値打ちがあるものだと思います。
もちろん、まずは慣れが必要です。
渋滞していない道路でまず試してみて、アクセルOFFの時のブレーキのかかり具合を体で覚えてしまえば、走行中のほとんどの場面をワンペダルの操作だけで行えるはずです。
8人乗りがマストならSハイブリッドしかない
そもそもミニバンを選ぶのは人を大勢乗せる目的があるからだと思いますが、セレナe-POWERは7人乗りです。
もしも8人乗りでなければ使用目的を満たさないというのであれば、セレナSハイブリッドを選ぶしかありません。
セレナには2列目の中央に「スマートマルチセンターシート」という便利機能があって、「普段は3人掛けのベンチシートで、折りたためば便利なマルチテーブルに。 さらにセカンドシートのアームレスト、ティッシュボックスが2個収まる収納スペースなど、多才な機能で快適なドライブをサポートします。」(日産のHPから)というものです。
このシートはセレナSハイブリッドには標準装備ですが、床下にリチウムイオンバッテリーを搭載するセレナe-POWERには物理的に付けられません。
したがって、どうしても8人乗りが必要であれば、セレナSハイブリッドを選択する必要があります。
e-POWERを買って後悔することはないでしょう
セレナe-POWERを買ったオーナーさんで、燃費や値段で不満を述べる人はいますが、「Sハイブリッドにしておけばよかった」とか「ガソリン車にすればよかった」という人はあまりいないようです。
たとえ値段は高くても、それに見合った走行性能や操縦感覚が得られるので、セレナe-POWERを買って後悔しているオーナーさんは少ないと思います。
それと、リセールバリューは誰が考えてもわかるようにe-POWERの方が上です。50万円という車両価格の差は車を売る時に一部回収できるはずです。
こちらの記事も読まれています
ご覧いただきありがとうございました。