【記事丸わかり】
⇒⇒【ナンバープレートは貰えます!】記念所蔵までの全てを解説! |
以前は、車のナンバープレートは、廃車の際には陸運支局に返納しなければなりませんでした。
また、引越しで陸運局の管轄が変更になった場合、新しいナンバープレートをつけることになりますが、その際、それまでつけていたナンバープレートを返納する必要がありました。
しかし、2017年4月3日から、これまで返納していたナンバープレートを、「返却しない」「記念にもらう」「持ち帰り」がOKになりました!
これが「ナンバープレートの記念所蔵」です。
今後、ご当地ナンバーや図柄入りの記念ナンバーなどが続々と出てきますので、これらナンバーを記念にもらいたい人が続出することが予想されます。
こうした要望にこたえるための制度です。
これからは「返却しない」「記念にもらう」「持ち帰り」がOKです!
2017年4月3日から「返却しない」「記念にもらう」「持ち帰り」OK!
平成29年(2017年)4月3日は、アジア初のラグビーワールドカップ開催(2019年)を記念した特別仕様ナンバープレートの交付が始まった日です。
実は、この同じ日に、大したアナウンスもなされずに、まるで隠し事のように始まったのが、「ナンバープレートの記念所蔵」という制度です。
秘め事のように始まったこの新たな制度は、例によって、正式な法律によってではなく、行政にとって最も使い勝手のいい「魔法の玉手箱」である<通達>によってなされました。
この通達は「国土交通省 自動車局自動車情報課長 同整備課長」の名で発出された通達です。
詳細は後で詳しく解説しますが、要は、住所変更・名義変更・一時抹消・永久抹消等ナンバープレートの返納を伴う手続きがあった場合に、本来返納すべきそのナンバープレートを記念として家に持ち帰ることができる、という内容です。
わたしたち自動車ユーザーにとっては喜ばしいことであり、秘め事のようにスタートすべき制度ではないはずなのですが、行政側の本心として、あまり広がって欲しくないことなのでしょう。
悪用を恐れるからです。
『トランスポーター』でジェイソン・ステイサムがさんざん違法な走行を行ったあと、自宅のガレージに戻り、キープしてある複数枚のナンバープレートの一つに付け替えるシーンがあります。
こんな違法な使い方をされては困るわけです。
しかし、それでもこのナンバープレートの記念所蔵が始まったのは、今後、オリンピック・パラリンピック記念ナンバープレートや図柄入ご当地ナンバーなどが続々と後に続く事がわかっていることから、当然、近い将来そうしたナンバープレートを記念の品として所蔵したいという要望が予測されるからです。
だから、あまりやりたくはないけれど仕方なく始めたのは間違いなく、それがまるで隠し事のように密かに導入された理由なのだと思います。
しかし、導入のいきさつはどうであれ、今後は、「返却しない」「記念にもらう」「持ち帰り」がOKになります!
記念にもらうのはナンバーの返却を伴う手続き時に
ナンバープレートを記念にもらうには一定の条件があって、何時でも自由にできるわけではありません。
一定の条件とは、「ナンバープレートの返納を伴う諸手続きの際にのみ可能」という条件です。
住所変更、名義変更、一時抹消、永久抹消、移転抹消、転入抹消などで、ナンバープレートの返納をしなければならないケースであれば、その返納すべきナンバープレートを家に持ち帰ることができます。
(※)住所変更や名義変更では単に住所や名前を変更するだけでナンバープレートの変更を伴わないこともあり、その場合は記念所蔵として持ち帰ることはできません。たとえば、横浜市青葉区から横浜市港南区に引越しした場合、ナンバープレートを変更する必要はないので、この場合は対象外になります
通常ナンバーも字光式ナンバーも記念にもらうことが可
通常のペイント式ナンバープレートはもちろん、字光式ナンバー(自光式ナンバー・電光ナンバー・光るナンバー)も記念にもらうことができます。
登録車だけでなく軽自動車も持ち帰りOK
ナンバープレートの持ち帰りがOKになったのは、ヴィッツやセレナのような登録車だけでなく、ムーブやNボックスのような軽自動車も同じ扱いです。
しかし、二輪車、軽二輪車、原付バイク、小型特殊などには適用されません。
※なお、軽自動車の手続きは陸運支局ではなく軽自動車検査協会です
持ち帰りするにはナンバーの「破壊措置」をしてから
記念として持ち帰りするナンバープレートは、車から取り外した状態のままでは持ち帰ることはできません。
「破壊措置」を実施したあとでなければなりません。
「破壊措置」とは、ナンバープレートの2つあるネジ穴の左側の穴を直径40ミリ以上に広げる事を言います。
左側の穴とは、登録車の場合、ちょうど「封印」をする側の穴です。※軽自動車には「封印」はない
この「破壊措置」は自分で行うこともできますし、陸運局や軽自動車検査協会でやってもらうこともできます。
陸運局などでやってもらう場合は、自治体によって異なるようですが、300円~500円の料金がかかります。
穴を開ける場所に関しては、上記の場所以外にも自由に選べます(とは言え、もともと穴のあった場所が一番望ましいとは思いますが)。
なお、これも自治体によって対応が異なると思いますが、一筆入れることでそのまま(破壊措置をしないで)持ち帰ることが可能な地域もあるようです。
その際、「後日規定の穴を必ず開けます。不正使用は決してしません」といった内容のものを書いて、押印・署名をすることで、ナンバープレートを無傷のまま持ち帰れるとのこと。
もちろん、あとで必ず規定の穴(40ミリ以上の穴)を開けることが前提です。
いずれにしても、わたしはこのハ・カ・イ・ソ・チという行政特有の言葉遣いがちょっと好きです。
役人のみなさんは、時々、こういうセンスの無さを通り越した素敵な言葉を使うことがあって、ハッとします。
使わなくなったナンバープレートに穴を開けるだけなのに「破壊措置」だなんて、まるで北◯鮮のミサイルを撃ち落とすみたいで、きっとこの用語を使用することに決めた役人の方はハイセンスでオシャレな方に違いないと思います。
返却しないで記念にもらうのは原則「無料」
ナンバープレートを返却しないでコレクションとして持ち帰るこの記念所蔵の制度。
返却しないで持ち帰ることに対する料金はかかりません(無料)。
ですから、車を廃車にする場合は、無料でナンバーの記念所蔵が出来ます。
しかし、引越しで住所が変わり、ナンバーの管轄も変更になる場合は、新たな管轄地のナンバーを入手しなければなりません。
こういった場合は、今まで通り、1,500円~1,900円ほどのナンバープレート代が必要になります。
でも、これは新ナンバーに対する料金であって、記念所蔵として持ち帰る古いナンバーに対する料金ではありません。
古いナンバーを返却しないで持ち帰ることに対しての料金はかかりません。
また、上で解説しましたように、「破壊措置」を陸運局などでやって貰う場合は有料のところもありますが、これは「破壊措置料」であって、記念所蔵料ではありません。
もっとも、通常の手続きではなく、最初からコレクションの対象としてナンバープレートを入手したい人もいるかもしれません。
現在はほとんどいなくても、ナンバーの記念所蔵が普及してくれば、将来的にそういう趣味趣向を持つ人が一定数出現することは大いに予想がつくことです。
行政の側からすると、出来ることなら、そうした要望には応じたくないのかもしれません。
ですが、現実的には、今現在においても、やればいつでもできる、というのが答えです。
なぜなら、「ナンバープレートの返納を伴う手続き」は、これまで解説してきました名義変更や永久抹消などの手続き以外に、事故でナンバープレートが破損してしまったケースとか、古くて傷だらけになったケースとか、番号そのものを変更したいケースとか、事故の形見として残したいケースとか、ご当地ナンバーとか図柄入りの記念ナンバーと交換したいといったケースなどもあるからです。
つまり「交換申請」すれば、何時でも新しいナンバープレートを交付してもらえるので、その際に古いナンバープレートを返却しないで持ち帰ることができます。
そして、この「交換申請」を連続して行えば、実質的に未使用のナンバープレートを記念所蔵として持ち帰ることができます。※破壊措置として40ミリ以上の穴を一箇所開けなければなりませんが
いずれにしても、こうした手続きは別に違法ではありません。
と言うより、このようなナンバープレート収集癖を持つ人が増えれば、むしろ、行政としては新たな収入源になるでしょう。
古い方のナンバープレートは無料で持ち帰れますが、新たに取得するナンバープレートにはその都度料金がかかるからです。
ナンバー収集癖を持つ人が増えれば増えるほど、当局にはお金がチャリンチャリンと貯まっていくでしょう。
そして、その貯まったお金は、どうせろくでもないことに使われることになるのでしょう。※いや、この一行はもし役人のみなさんがこれをお読みになっていたら無視してくださいね・・・単なるジョークですから・・・
で、ナンバーの料金ですが、通常のペイント式なら1,500円~1,900円、字光式なら3,000円前後、希望ナンバーなら4,200円前後、希望ナンバー+字光式なら5,200円前後、そして図柄入りの記念ナンバーなら7,000円以上になります。
車検証の「所有者」でなければ持ち帰り不可
普段は特に意識していなくても問題ないのですが、いざ車を廃車にするような場合、車検証の「所有者」欄が誰の名前になっているかは重要です。
車検証の「所有者」が「使用者」と異なっていて、「使用者」が永久抹消の手続きをするような場合、まず「所有者」の名義を「使用者」に変更してからでなければ手続きは完了しません。
友人から譲り受けた車を、友人名義のまま乗り続け、それを廃車にするようなケースです。
あるいはローンで車を購入して、ローンは完済したけれど、「所有者」の名義をローン会社から自分自身に変更していなかった場合もそうです(いわゆる「所有権解除」の手続きをしていないケース)。
ナンバープレートを記念に持ち帰ることができるのは、車検証の「所有者」欄に記載されている人だけです。
上の例のように「所有者」が実態と異なっている場合は、まず「所有者」を自分の名前に変更する必要があります。
ナンバープレート記念所蔵の手続き方法
ナンバープレートを返却しないで記念にもらうための手続きについて。
まず、事前の申請は不要です。
陸運支局や軽自動車検査協会で、通常の一時抹消や永久抹消の手続きと同じ流れで進めます。
手続きの最後の方で、ナンバープレートを返納する窓口があります。
ナンバープレート回収機を設置してある陸運支局などでは、当然、ナンバーを機械に投入しないでください。
本来ならナンバープレートを返納する窓口で、係りの人に、
「記念の品としてナンバープレートを持ち帰りたいんですけど」
と申し出れば、その場で申込書(「記念所蔵ナンバー破壊(穴あけ)申込書」)の記入を求められるので、記入例を参考に書き込みます。
次に、陸運支局などで破壊(穴あけ)してもらうか、その場で道具を借りて自分でやるか、持ち帰って家でやるか、3つの選択肢の中から選びます。
その場で破壊(穴あけ)をした場合は、抹消手続きの際に必ず提出する「手数料納付書」の所定の欄に、通常なら「(ナンバープレートの)回収印」を押すのですが、この場合は「破壊完了印」を押してもらい、それで終了となります。
持ち帰って家で破壊する場合は、所定の用紙に一筆入れ、押印・サインして提出し、ナンバープレートを持ち帰ります(ただし、このやり方は地域によって可能・不可能があるようです)。
※持ち帰って家で破壊する場合にのみ、陸運支局で手続きする日より前に、事前申請する必要があります
「返却しない」「記念にもらう」「持ち帰り」OKだけど悪用には罰金と懲役
最後にナンバープレートの不正使用に関して。
ナンバーの記念所蔵制度を利用して持ち帰ったナンバープレートを、車に取り付け、公道を走り、警察に捕獲されたら、道路運送車両法98条違反として罰せられます。
「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が課せられます。
言うまでもありませんが、ジェイソン・ステイサムの真似は厳禁です。
悪いことには使用しないでください。
ナンバープレート関連の下記記事も参考にしていただけると幸いです。
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ご覧いただきありがとうございました。