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【記事丸わかり】 日産ティアナが中古市場で安価である理由
これらの理由により、日産ティアナは中古市場で安価に取引される傾向にあります。セダンの落ち込んだ人気と、実用性の高い他車種への需要の高まりが、ティアナの価格を押し下げています。 ⇒⇒【微徹底紹介】これを見たら32ティアナの内外装・試乗が分かる!!「32ティアナ250XL」 |
日産ティアナの中古車が安い理由を大解剖:いい車なのに安い最大の理由はコレ!
日産ティアナ(3代目:2014年2月5日発売~2020年7月販売終了):Wikipedia
日産ティアナ、この名を耳にすると、どんなイメージが浮かびますか?高級感あふれるセダンの風格、洗練されたデザイン、そして快適なドライブ体験。
しかし、中古車市場においては、これらの魅力にも関わらず、意外とお求めやすい価格で取引されています。この記事では、ティアナがなぜ良い車であるにもかかわらず、中古車市場で低価格になるのか、その理由を探っていきます。
ティアナの基本情報から始まり、中古市場におけるティアナの立ち位置、そして購入時の注意点まで、幅広く解説していきます。
どんなクルマ?
日産ティアナは、2003年にデビューした高級セダンです。自宅のリビングにいるような、「モダンリビングを思わせる品格あるインテリア」が特徴です。明るく上品な居心地の良さを体感できる、「洗練された大人のための高級セダン」として開発されました。
2代目モデル、3代目モデルも初代モデルから一貫して、乗る人すべてに「くつろぎ」を提供する「おもてなし」をテーマにしています。
日産ティアナは、高級感のある内装やセダンらしい静粛性を好む人におすすめで、室内の空間も広く、シックなインテリアがポイントです。最新モデルは安全性能も高く、スペックが高いため安心して運転ができます。
ティアナの口コミでは、シートの高級感はそこそこだが、適度に柔らかいサスペンションと相まって、長時間乗っても疲労は少ないという意見があります。また、走りは必要十分なパワーと、特にスポーツモードに入れれば予想外にスポーティな走りが可能という意見もあります。
車名の「ティアナ」は、「夜明け」を意味するネイティブアメリカンの言葉に由来します。
ディアナと同じくらいのサイズのクルマ
日産ティアナのサイズは、全長4880㎜×全幅1830mm×全高1470mmです。この車と同じくらいのサイズのセダンは下記の通りです。おおよそのサイズ感がわかると思います。
- トヨタ カムリ
- ホンダ アコード
- マツダ MAZDA6
- フォルクスワーゲン パサート
日産ティアナは、日本の道路事情からすると、けっこう大柄のクルマであることがわかると思います。
スペック
日産ティアナ「XE(ベースグレード)」のスペックです。
新車価格 | 261万円 |
駆動方式 | FF |
燃料 | レギュラー |
燃料タンク容量 | 65L |
排気量 | 2,488cc |
トランスミッション | CVT |
乗車定員 | 5名 |
燃費(JC08モード) | 14.4 km/L |
最小回転半径 | 5.5m |
最高出力 | 127[173]/6000 kW[PS]/rpm |
最高トルク | 234[23.9]/4000 N・m[kgf・m]/rpm |
全長 | 4,880mm |
全幅 | 1,830mm |
全高 | 1,470mm |
ホイールベース | 2,775mm |
最低地上高(未積載時) | 130mm |
車両重量 | 1,460kg |
荷室容量(リアシート立) | 506L |
価格
日産ティアナ(3代目)の新車時の価格帯です。
※2014年2月5日発売~2020年7月販売終了
249~357万円
ティアナの中古車が安い理由
ティアナのような中型から大型にまたがるサイズのセダンは、現代の日本の自動車市場では人気が急降下しています。ティアナの中古車が安い理由の最大の要因は、ここにあります。
他の要因もあるにはあるけれど、いずれも枝葉の理由に過ぎず、安い最大の要因は「セダンであること」です。
そこで、セダン人気がなぜ凋落しているのか、その理由を探ってみたいと思います。
そもそもセダンタイプの人気が凋落している理由
日本の自動車市場においてセダンタイプの車の人気が下落している理由は、いくつかの要因によって説明できます。
- 市場の傾向変化:コンパクトカー・SUV・ミニバンの人気: 日本では、都市部での運転や駐車のしやすさから、小型のコンパクトカーや高い視界と実用性を備えたSUVが人気です。これらは、狭い道路や限られた駐車スペースでも扱いやすいです。また、人や荷物をたくさん載せたい場合は、ティアナのようなセダンよりもミニバンが圧倒的に支持されています。ミニバンの方が広々していて使い勝手がいいからです。
- 住環境の影響:狭い道路と駐車場: 日本は狭い道路が多く、ティアナのようなサイズの大きなセダンを運転・駐車するのが難しい場合があります。そのため、小型車やコンパクトなSUVが選ばれる傾向にあります。また、大きなサイズのクルマ必要な場合、どうせ大きいならミニバンの方が便利でいいという嗜好に代わってきています。
- ライフスタイルの変化:多目的使用: 現代の消費者は車に多様な用途を求めています。買い物やアウトドア活動など多目的に使えるSUVやミニバンが好まれ、これに比べてティアナのようなセダンはやや堅苦しくてフォーマルなイメージが強い、と受け取られている可能性があります。
- 経済的な理由:燃費の良い車への需要: 燃料費の節約を重視する消費者にとって、燃費の良い小型車やハイブリッド車が魅力的です。ティアナのような比較的排気量の大きいセダンは、燃費が悪く、敬遠される傾向にあります。これはティアナだけに限ったことでなく、同じ日産のフーガやスカイラインの場合も、中古車ではより排気量の小さいモデルが選ばれています。
- デザインの変遷:モダンなデザインへの嗜好の変化: 自動車のデザインは時代と共に変化し、現代の消費者はよりスタイリッシュで新しいデザインを好む傾向にあります。セダンは伝統的なデザインが多く、新しい世代の好みと合わないことがあります。要するに「おじさんが乗るクルマ」と見なされることが多いわけです。ですが、そのおじさんも、今ではSUVが大好きです。
これらの要因により、日本におけるセダンの人気は凋落の一途を辿り、小型車やSUVやミニバンなど他のタイプの車に席を譲っているのが現状です。
ティアナの中古車が安い理由、それは、ティアナがセダンであるからです。これが最大の要因です。
ティアナのようなセダンに魅力・メリットはないのか?
しかしながら、日産ティアナのようなやや大柄なサイズのセダンには、いくつかの魅力やメリットがあります。
- 快適な乗り心地:
大柄なセダンは通常、車内空間が広く、快適な乗り心地を提供します。特に長距離のドライブでは、広々としたキャビンとゆったりした座席が疲れを軽減してくれます。多くのSUVやミニバンは、セダンに比べて重量物がより地面から離れた位置に宙づりになっています。つまり、物理的に「腰高」であり、どうあがいても乗り心地の面でセダンには勝てない構造的弱点を持っています。 - 安定した走行性能:
ティアナのようなやや大柄なサイズのセダンは、車体が安定しており、高速道路などでの走行が快適です。また、物理特性として重心が低いため、カーブなどでも地を這うような安定感があります。特別に足回りにカスタマイズを施さなくても、路面に貼りつくようなコーナリングが得意なのがセダンという形状です。 - 豊富な収納スペース:
大きなトランクは、荷物を多く積むことができるので、旅行やアウトドアなどで便利です。ティアナのトランク容量は506Lです。4名乗車でも5名乗車でもトランクに506Lのラゲッジスペースが確保されています。よく「後席を畳めば広大なラゲッジスペースが生まれる」といったSUVやミニバンの宣伝文句がありますが、後席に人が乗っていたらシートを畳めません。しかし、トランクが独立しているティアナなら、フル乗車で常時506Lを確保できます。 - 高い安全性:
セダンは衝突時の安全性を高めることがあります。ティアナはフロントノーズが長く、リアもトランク部が突き出ています。これらがクラッシャブルゾーンとなり、万が一前車に衝突したり、あるいは、背後から追突された場合に、衝撃から乗員を守ってくれます。車内の広さを追及しているSUVやミニバンの場合、ドライバーは守られるでしょうが、最後部のシートに座る乗員はどうでしょう?車は車内が広ければいいっていうものではありません。 - セダンこそが真のマルチパーパスカー:
セダンほど多目的に使える形状のクルマはありません。お買い物、送迎、通勤、レジャー、遠距離ドライブ、スポーティなワインディング走行と、どんなシーンにも対応した真のマルチパーパスカーです。
以上のように、日産ティアナのような大柄なセダンは、快適性、安定性、収納力、安全性、多目的性など、多くの魅力とメリットを持っています。車選びの際には、これらのポイントを考慮していただきたいと思います。
ティアナの中古は3代目がおすすめ
一般的に、中古車は年式の古いモデルほど値段が安く、年式が新しいモデルほど値段が高くなります。
予算の都合でどうしても格安モデルにしたい場合は、購入後に高額な修理費がかからないように、整備記録簿を備え、しっかりとメンテナンスされている車両を選んでください。
ある程度予算に余裕があるなら、できるだけ年式が新しく、走行距離が少ない車両を選んで下さい。
ティアナの場合で言えば、2014年2月5日発売~2020年7月販売終了の3代目が狙い目です。2024年1月1日時点のカーセンサーには、約190台の3代目ティアナが登録されています。
支払総額100万~150万のあいだに走行距離が少ない車両がけっこうあります。
支払総額150万~200万のあいだとなると、さらに走行距離が少なくて極上と言えるような車両が登録されています。
狙い目です。
こうした優良車をリーズナブルな値段で手に入れて、長く大切に乗り続けるカーライフは、これこそ「中古車の醍醐味」というものではないでしょうか。
ティアナの中古車は程度のいいものが多い
ティアナは走り屋のお兄さんがかっ飛ばすようなクルマではありません。前オーナーのほとんどが、ゆったりと余裕をもって運転するようなタイプの方々です。
見てきたようなことを書いていますが、でも、実際間違いなくそうした人がティアナのオーナーであったはず。
だから、車が傷んでいません。足回りのヘタりは速度に比例します。飛ばし屋の足回りは早くヘタります。これは物理法則です。段差に強い衝撃で当たった場合、低い速度なら何度でも復元力を保ちますが、速い速度で強烈な衝撃を受けると、復元力を一気に失い、ショックアブソーバーやスプリングやブッシュ類やアーム部が劣化します。
ティアナのような上質な雰囲気を持つ車は、乗る人もそういう性質の人が乗るので、ティアナの中古車は必然的に傷みが少ないということになります。狙い目のクルマです。
ティアナの中古車を購入する際の注意点
日産ティアナの中古車を選ぶ際には、以下の点に注意してください。
- 走行距離: 走行距離が多い車は摩耗が進んでいる可能性が高いです。一般的に年間1万キロメートルが平均値です。つまり、3年落ちなら3万キロが標準ということです。これより長めならやや傷みが激しく、これより短めならあまり傷んでいないと考えていいと思います。
- 事故歴・修復歴の確認:事故歴や修復歴がないか、整備記録簿で確認してください。整備記録簿が備え付けられておらず、紛失していたら、その車両は何かを隠している可能性大です。絶対に手を出さないでください。パスしましょう。
- 車体の状態: 錆やへこみがないかを確認します。中古車店では、大きな錆や凹みは補修しますが、小さな錆や凹みはそのまま販売するケースが多いです。ですが、そうした小さな錆や凹みでも、いざマイカーになると気になるものであり、これを補修するとなると、またそこでまとまった出費が発生します。したがって、最初からこうした錆や凹みが少ない車両を選んでください。
- エンジンの状態: エンジンの音を聞いて、異常音がないか確認しましょう。また、オイル漏れがないかもチェックが必要です。そんな車は販売しないだろうなどと思うのは間違いです。そんな車でも販売する中古車店があるからトラブルが発生するのです。自分の目で確認することはとても大事です。自信がない場合は車に詳しいお知り合いに同行してもらってください。
- 内装のチェック: 座席の状態や内装の汚れ、機能の動作確認を行います。長く乗ることを考えると、快適な内装は重要です。とりわけ、臭いにはご注意を。変なにおいがかすかに残っていたら、その車はパスしてください。
- 試乗: 実際に運転してみて、ハンドリングやブレーキの状態を確認します。また、シートに座ったときのハンドルの位置、アクセルやブレーキの位置、これらがしっくりくるかを確認してください。また、周囲を見渡して違和感を覚えるような死角があるかどうか、これも要確認です。
- メンテナンス履歴: 定期的なメンテナンスがされていたか、履歴を確認しましょう。記録がしっかりしている車は、良好な状態を保っている可能性が高いです。ここでも整備記録簿が大事です。整備記録簿がない車は決して購入しないでください。パスしてください。
- 保証とアフターサービス: 購入後の保証期間や、アフターサービスの内容を確認してください。特に中古車では、後々のサポートが重要になります。できれば日産の認定中古車が安心です。中古車専門店の価格に比べて割高になりますが、購入後の出費は確実に少なくなるはず。認定中古車がイチオシです。
これらの点に注意して、慎重にティアナの中古車を選んで欲しいです。ご自分で判断する自信がない場合は、クルマに詳しい人に同行してもらってください。車に詳しい知人がいない場合でも、複数人で行くと、自分一人では気が付かないところを同行者が気づいてくれたりするものです。
まとめ
「日産ティアナの中古車が安い理由を大解剖:いい車なのに安い最大の理由はコレ!」のテーマで解説してきました。
日産ティアナの中古車選びは、適切な情報と理解を持って行うことで、非常に価値のある選択となります。セダンの人気低迷や、市場における立ち位置など、価格が低くなる要因を理解しつつ、正当派セダンとしてのティアナの真の価値にも目を向けていただきたいです。
また、購入時には程度の良いものを選ぶことが肝心です。この記事が、ティアナの中古車をお考えの皆さんにとって、役立つ情報となれば幸いです。ご覧いただきありがとうございました。